それにしても。
わが国の政治動向をみていても面白くもなんともないのはどうしたことか。やるべきこと、やってほしいことは山積していて、それらについての論議や施策がなされていないわけではないのだろうけれど、少なくとも日々のニュースの類から伝わってくるそれが空疎にすぎるのだ。カネの問題で右往左往する民主と、それを攻撃する最大野党たる自民。なんのお笑いのつもりかはしれないけれど、その愚劣さについてはたいていの国民が気づいているハズである。たとえれば盗人が同類に対し「泥棒はいかんよ」と説教するがごとしであるが、ようは両党がイヌのクソとネコのクソとの差ていどのシロモノでしかないところに日本国民の悲劇がある。
いまひとつダメを押せば、民主党問題は民主党問題であり、対する自民党がいかに悪辣集団であろうともその本質が相殺されるわけではない。まさに「お先真っ暗」という案配ではあるけれど、いまはそのドン底をきちんと認識したうえで建設的な発想を立ち上げてゆくべきではないだろうか。いまは民主党の去就を含めた政治的過渡期だとみているが、“過渡期”というのはそういうものであるといえるような気がするからだ。
わが国の政治動向をみていても面白くもなんともないのはどうしたことか。やるべきこと、やってほしいことは山積していて、それらについての論議や施策がなされていないわけではないのだろうけれど、少なくとも日々のニュースの類から伝わってくるそれが空疎にすぎるのだ。カネの問題で右往左往する民主と、それを攻撃する最大野党たる自民。なんのお笑いのつもりかはしれないけれど、その愚劣さについてはたいていの国民が気づいているハズである。たとえれば盗人が同類に対し「泥棒はいかんよ」と説教するがごとしであるが、ようは両党がイヌのクソとネコのクソとの差ていどのシロモノでしかないところに日本国民の悲劇がある。
いまひとつダメを押せば、民主党問題は民主党問題であり、対する自民党がいかに悪辣集団であろうともその本質が相殺されるわけではない。まさに「お先真っ暗」という案配ではあるけれど、いまはそのドン底をきちんと認識したうえで建設的な発想を立ち上げてゆくべきではないだろうか。いまは民主党の去就を含めた政治的過渡期だとみているが、“過渡期”というのはそういうものであるといえるような気がするからだ。
民主党問題といえば、写真家の藤原新也氏がある視点を示している。
※「Shinya talk・露骨というより国民をなめきっている。」
小沢民主党と検察との間で取り交わされたかもしれない闇取引。大いにありそうなことであるが、氏が指摘するとおり、この件はほとんどニュースに挙がってきていない(*注)。こうした疑いを含めて追求してゆくのがジャーナリズムの役割ではないかと思うのだが、内橋克人氏(経済評論家)がNHKラジオで語ったように、所詮は「タレ流し」のジャーナリズムもどきということなのだろうか。こうして、つまらない政治状況をよりくだらなくすることに手を貸す輩が蔓延しているということなのであろう。
■天下の愚策・高速道路無料化を考える
さて、そのうちに触れようと思っていて後回しになってしまっていた高速道路無料化について少しだけ言及しておこうと思う。
結論ありきになって申し訳ないが、まったくの愚策であると断言したい。現状ではあくまで“社会実験”という触れ込みだが、まずもって、なぜ高速道路という自動車輸送の一部機関のみが優遇されるのかが理解できない(自動車ということでいえば、高速道路よりもむしろガソリン関係の税制を見直してゆくほうが、よほど幅広くその効果を検証できるというものであろう。公共交通機関の衰退などにより、クルマなしでは生活できない地域がやまほどあるハズで、そうしたなかには高速道路などとは無縁に自動車頼みの日常があるからだ)。
いうまでもなく、物流や公共交通のインフラとしては高速道路のほかに一般道もあれば、そこにはマイカーやトラックに混じってバス路線網が形成されている。また、鉄道や船舶輸送、航空などさまざまな機関によって全国の物流・交通網が躍動しているのである。ところが、そのなかで高速道路(複数の株式会社)のみが優遇化への道筋をつけられるというのだから、ほかの交通機関を担う各企業は徹底抗戦で臨むべきであろう。国相手の裁判を起こしたっていい。
利用者側からみても、日常的に高速道路を使うひと(や企業)がある一方で、ほとんど使わない層がどれほどあるのかと思う(物流コストの軽減などを通じて“恩恵”を受けるなどというのは屁理屈である)。そうした高速道路と縁の薄いひとびとや企業ら──このなかには、たとえばJRをはじめとする他交通機関企業もあるのではないか──が納めた税金こそが無料化の原資にほかならず、それだけみても極めて不公平な施策といえる(そういえば、地元のインディーズ剣道2段の元タレントが強行したアクアラインの無料化も、原資は県と国の税金ですなぁ。JR内房線などはそれなりに影響を受けていると思うのだが、路線を大切に思うのであれば怒りのひとつでも表明しなければウソである)。つまりどこも「無料」などではないのだが、一方では「受益者負担」などと称して、社会的にハンデを持つひとびとからカネを召し上げる仕組みがまかりとおっている。
いまひとつは環境問題との兼ね合いである。鳩山由紀夫首相は、二酸化炭素削減など環境問題に取組む姿勢をいちおうは表面したハズなのだが、自動車交通優遇がそれと相反するのは明らかであろう。二酸化炭素の排出量だけで比較しても、自動車は鉄道に比べて不利であり、同じ自動車同士でも、マイカーはバスと比較するまでもなく輸送効率が低いからだ。本気でこの問題に取組むのであれば、物流や公共交通のあり方について国を挙げて総合的に検証し施策を打つべきであり、高速道路のみを優遇する理由は一切ない。
はたして高速道路優遇の真の狙いはなにか。「エコ」という言葉のまやかしに乗じて自動車購入などにさいする減税などが実施されているが、こんなところにも解き明かすヒントがあろう。繰り返すが、「無料」などというのは真っ赤なウソで、そこにはわれわれ(および競合交通機関の企業ら)が納めた税金が投入されるのだ。どうせ使うならもっと別の使い道がある。カネの問題としてもとても許せないではないか。
自動車はたしかに便利な道具ではあるけれど、国を挙げての依存には大いに疑問がある。草の根的には、日常の“足”を含め、多様な手段を見直すべきではないか。こんな愚策に乗じて「これ幸い」とばかりに高速道路に殺到するなどまさに愚の骨頂である。幸いにして(?)、高速道路無料化については批判的な声が少なくないというが、政権をよりマトモにするためにも、声を大きくすべきではないかと思う。
*注:
そういえば、9日に起きたという自衛隊無人飛行機の墜落事件が、ほとんどニュースになっていないのはどういうわけなのか。当日は取材で湘南方面に滞在していたのだが、朝から軍用機が飛び交い騒音に不愉快な思いをさせられた。なにかあったのだろうかとホテルでネットにつなぐと、「ヨミウリオンライン」がこの件を短く伝えていたわけだ。ところが、当夜のNHK(総合およびハイビジョン)ではさっぱり取り上げておらず、それどころか10日に帰宅して新聞に目を通してもまったく触れられていないのだった。10日昼のNHKニュースでは、アメリカンフットボールの頂点対決がどうのというのんきな雑報がタレ流されていたりしたものだったが、ファンには申し訳ないけれど、日本にどれだけ愛好者がいるかしれたものではないばかりか、あれはほとんどアメリカ合州国内のみのローカル競技であろう(その点ではあの国でサッカーよりも人気があったという「丸太乗り競争」と変わらない)。そうであっても余裕があるならばそれぐらいの放映が結構だけれど、ではなぜ「自衛隊に無人飛行機が装備されつつあり」、しかもそれが「墜落事件を起こした」という重大ニュースが無視されたのかという疑問を残す。
※「Shinya talk・露骨というより国民をなめきっている。」
小沢民主党と検察との間で取り交わされたかもしれない闇取引。大いにありそうなことであるが、氏が指摘するとおり、この件はほとんどニュースに挙がってきていない(*注)。こうした疑いを含めて追求してゆくのがジャーナリズムの役割ではないかと思うのだが、内橋克人氏(経済評論家)がNHKラジオで語ったように、所詮は「タレ流し」のジャーナリズムもどきということなのだろうか。こうして、つまらない政治状況をよりくだらなくすることに手を貸す輩が蔓延しているということなのであろう。
■天下の愚策・高速道路無料化を考える
さて、そのうちに触れようと思っていて後回しになってしまっていた高速道路無料化について少しだけ言及しておこうと思う。
結論ありきになって申し訳ないが、まったくの愚策であると断言したい。現状ではあくまで“社会実験”という触れ込みだが、まずもって、なぜ高速道路という自動車輸送の一部機関のみが優遇されるのかが理解できない(自動車ということでいえば、高速道路よりもむしろガソリン関係の税制を見直してゆくほうが、よほど幅広くその効果を検証できるというものであろう。公共交通機関の衰退などにより、クルマなしでは生活できない地域がやまほどあるハズで、そうしたなかには高速道路などとは無縁に自動車頼みの日常があるからだ)。
いうまでもなく、物流や公共交通のインフラとしては高速道路のほかに一般道もあれば、そこにはマイカーやトラックに混じってバス路線網が形成されている。また、鉄道や船舶輸送、航空などさまざまな機関によって全国の物流・交通網が躍動しているのである。ところが、そのなかで高速道路(複数の株式会社)のみが優遇化への道筋をつけられるというのだから、ほかの交通機関を担う各企業は徹底抗戦で臨むべきであろう。国相手の裁判を起こしたっていい。
利用者側からみても、日常的に高速道路を使うひと(や企業)がある一方で、ほとんど使わない層がどれほどあるのかと思う(物流コストの軽減などを通じて“恩恵”を受けるなどというのは屁理屈である)。そうした高速道路と縁の薄いひとびとや企業ら──このなかには、たとえばJRをはじめとする他交通機関企業もあるのではないか──が納めた税金こそが無料化の原資にほかならず、それだけみても極めて不公平な施策といえる(そういえば、地元のインディーズ剣道2段の元タレントが強行したアクアラインの無料化も、原資は県と国の税金ですなぁ。JR内房線などはそれなりに影響を受けていると思うのだが、路線を大切に思うのであれば怒りのひとつでも表明しなければウソである)。つまりどこも「無料」などではないのだが、一方では「受益者負担」などと称して、社会的にハンデを持つひとびとからカネを召し上げる仕組みがまかりとおっている。
いまひとつは環境問題との兼ね合いである。鳩山由紀夫首相は、二酸化炭素削減など環境問題に取組む姿勢をいちおうは表面したハズなのだが、自動車交通優遇がそれと相反するのは明らかであろう。二酸化炭素の排出量だけで比較しても、自動車は鉄道に比べて不利であり、同じ自動車同士でも、マイカーはバスと比較するまでもなく輸送効率が低いからだ。本気でこの問題に取組むのであれば、物流や公共交通のあり方について国を挙げて総合的に検証し施策を打つべきであり、高速道路のみを優遇する理由は一切ない。
はたして高速道路優遇の真の狙いはなにか。「エコ」という言葉のまやかしに乗じて自動車購入などにさいする減税などが実施されているが、こんなところにも解き明かすヒントがあろう。繰り返すが、「無料」などというのは真っ赤なウソで、そこにはわれわれ(および競合交通機関の企業ら)が納めた税金が投入されるのだ。どうせ使うならもっと別の使い道がある。カネの問題としてもとても許せないではないか。
自動車はたしかに便利な道具ではあるけれど、国を挙げての依存には大いに疑問がある。草の根的には、日常の“足”を含め、多様な手段を見直すべきではないか。こんな愚策に乗じて「これ幸い」とばかりに高速道路に殺到するなどまさに愚の骨頂である。幸いにして(?)、高速道路無料化については批判的な声が少なくないというが、政権をよりマトモにするためにも、声を大きくすべきではないかと思う。
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そういえば、9日に起きたという自衛隊無人飛行機の墜落事件が、ほとんどニュースになっていないのはどういうわけなのか。当日は取材で湘南方面に滞在していたのだが、朝から軍用機が飛び交い騒音に不愉快な思いをさせられた。なにかあったのだろうかとホテルでネットにつなぐと、「ヨミウリオンライン」がこの件を短く伝えていたわけだ。ところが、当夜のNHK(総合およびハイビジョン)ではさっぱり取り上げておらず、それどころか10日に帰宅して新聞に目を通してもまったく触れられていないのだった。10日昼のNHKニュースでは、アメリカンフットボールの頂点対決がどうのというのんきな雑報がタレ流されていたりしたものだったが、ファンには申し訳ないけれど、日本にどれだけ愛好者がいるかしれたものではないばかりか、あれはほとんどアメリカ合州国内のみのローカル競技であろう(その点ではあの国でサッカーよりも人気があったという「丸太乗り競争」と変わらない)。そうであっても余裕があるならばそれぐらいの放映が結構だけれど、ではなぜ「自衛隊に無人飛行機が装備されつつあり」、しかもそれが「墜落事件を起こした」という重大ニュースが無視されたのかという疑問を残す。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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