本当に失望した。
さきに起きた中国漁船による領海侵犯および“公務執行妨害”(船を衝突させるなど、殺人未遂を加えてもいいぐらいの重罪行為)事件は、容疑の立件を見送り、容疑者を釈放させるという顛末が濃厚になってきた。わが国の主権が踏みにじられたばかりでなく、一歩間違えば重大事件になりかねなかった暴走行為を無罪放免とは、この国の主体性のなさに、いまさらながらに呆れ返られる。
さきに起きた中国漁船による領海侵犯および“公務執行妨害”(船を衝突させるなど、殺人未遂を加えてもいいぐらいの重罪行為)事件は、容疑の立件を見送り、容疑者を釈放させるという顛末が濃厚になってきた。わが国の主権が踏みにじられたばかりでなく、一歩間違えば重大事件になりかねなかった暴走行為を無罪放免とは、この国の主体性のなさに、いまさらながらに呆れ返られる。
報道によれば、中国漁船の破壊行動について「追跡を免れるためとっさに取った行動で、計画性は認められない」とし、処分保留の根拠とされたらしい。しかし、こんなのが前例として許されるならば、日常的に起きている同種の「追跡を免れるためとっさに取った行動」もまた、公務執行妨害にならないことになってしまう。飲酒運転やスピード違反などを犯したドライバーが、パトカーからの追跡を免れるためとっさにパトカーに激突。こうなると公務執行妨害以外の罪状が加算されるのだろうけれど、中国船の処分保留のタテマエと照らし合わせるとどうなるのかということになりそうだ(同種の事件で起訴されているひとは、最高裁まで争ってみたらどうか)。なにしろとっさの行動であり、「計画性」など認めることができないからだ。
さらにタチが悪いことに、領海侵犯についても不問にするとは……。海保による追跡と摘発が領海侵犯などの事実に基づくのであれば、まずこの点を重視しなければならないハズではないかと思うのだが。
事件を担当した那覇地検の鈴木亨次席検事は、「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」と、その釈放の理由を語ったという。つまり、司法からしてわが国の主権を半ば放棄したようなものではないのか? たしかに、中華人民共和国側の反発は激しく、官民がこぞって日本に対する抗議を展開している。なかにはテロ行為が起きていることすら伝わってきているが、暴力行為は別として、抗議そのものは正常な権利だ。問題は、そうした抗議に対し一方的に主権を放棄するというわが国の姿勢なのである。対アメリカ合州国のそれと同様、主体性のなさがここでもまた浮き彫りになったわけだ。
現実問題として、わが国のビジネスが中国と切っても切れない関係にあり、仮に問題がこじれたとすると、市民生活のさまざまな面に影響が顕われる可能性が高い。それゆえ、最大限の譲歩を選んだ。そういう見方もできるかもしれない。しかし、食料確保の多くの部分を中国をはじめとする外国に依存し、機械類や衣料などの生産拠点もまた同じ。安い労働コストで大量生産という“御旗”のもと、自国が持っている生産体力を喪失させ、気がついてみたらわが国の生産力はガッタガタなのである。その反動のひとつの顕われとして、今回の譲歩事件を捉えてみるのもあながち間違いとはいえないのではないだろうか(*注)。
中国側がなんと主張しようと、尖閣諸島周辺は明確にわが国の領土・領海である。中華人民共和国があの地域に対し主権を持ち出したのは、日本よりも遥かに最近になってからのことなのだ。今回の日本側の譲歩は、中国側の視点にくみするのと同義にされる可能性もあり、本来は領土問題でもなんでもない尖閣諸島問題が、中国側の狙いどおりに領土問題としてデッチアゲられかねない危険性を孕む。しかし、仮にそのとおりになったとしても、その責任は中国側ではなくほかならぬ日本にある。この主体性のなさと外交能力の欠如。なにも表立って大ゲンカをしろとはいわない。だが、相手があくまで自国の権利を主張してきているのである。こちらだってその主権を示なければおかしいではないか。そうできないししないというのは、自国の体力を外国に売り渡してきた戦後政治の傀儡体質が骨の随までしみ込んでいるからといえよう。ビジネスのそれと同様に、これは日本の危機の顕われのひとつである。
*注:
処分保留の背後にアメリカ合州国が蠢いている可能性もありそうだ。なにしろあらためてアメリカ合州国に対する忠誠を誓う菅民主党政権である。コイズミスネオほどの派手さはないけれど、内閣の面々や対抗馬(小沢一派および極右化がますます進む自民党)のザマを含め、スネオのそれと並ぶ最悪の政権に成り果てるかもしれない。ナメられて当然だ。
さらにタチが悪いことに、領海侵犯についても不問にするとは……。海保による追跡と摘発が領海侵犯などの事実に基づくのであれば、まずこの点を重視しなければならないハズではないかと思うのだが。
事件を担当した那覇地検の鈴木亨次席検事は、「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」と、その釈放の理由を語ったという。つまり、司法からしてわが国の主権を半ば放棄したようなものではないのか? たしかに、中華人民共和国側の反発は激しく、官民がこぞって日本に対する抗議を展開している。なかにはテロ行為が起きていることすら伝わってきているが、暴力行為は別として、抗議そのものは正常な権利だ。問題は、そうした抗議に対し一方的に主権を放棄するというわが国の姿勢なのである。対アメリカ合州国のそれと同様、主体性のなさがここでもまた浮き彫りになったわけだ。
現実問題として、わが国のビジネスが中国と切っても切れない関係にあり、仮に問題がこじれたとすると、市民生活のさまざまな面に影響が顕われる可能性が高い。それゆえ、最大限の譲歩を選んだ。そういう見方もできるかもしれない。しかし、食料確保の多くの部分を中国をはじめとする外国に依存し、機械類や衣料などの生産拠点もまた同じ。安い労働コストで大量生産という“御旗”のもと、自国が持っている生産体力を喪失させ、気がついてみたらわが国の生産力はガッタガタなのである。その反動のひとつの顕われとして、今回の譲歩事件を捉えてみるのもあながち間違いとはいえないのではないだろうか(*注)。
中国側がなんと主張しようと、尖閣諸島周辺は明確にわが国の領土・領海である。中華人民共和国があの地域に対し主権を持ち出したのは、日本よりも遥かに最近になってからのことなのだ。今回の日本側の譲歩は、中国側の視点にくみするのと同義にされる可能性もあり、本来は領土問題でもなんでもない尖閣諸島問題が、中国側の狙いどおりに領土問題としてデッチアゲられかねない危険性を孕む。しかし、仮にそのとおりになったとしても、その責任は中国側ではなくほかならぬ日本にある。この主体性のなさと外交能力の欠如。なにも表立って大ゲンカをしろとはいわない。だが、相手があくまで自国の権利を主張してきているのである。こちらだってその主権を示なければおかしいではないか。そうできないししないというのは、自国の体力を外国に売り渡してきた戦後政治の傀儡体質が骨の随までしみ込んでいるからといえよう。ビジネスのそれと同様に、これは日本の危機の顕われのひとつである。
*注:
処分保留の背後にアメリカ合州国が蠢いている可能性もありそうだ。なにしろあらためてアメリカ合州国に対する忠誠を誓う菅民主党政権である。コイズミスネオほどの派手さはないけれど、内閣の面々や対抗馬(小沢一派および極右化がますます進む自民党)のザマを含め、スネオのそれと並ぶ最悪の政権に成り果てるかもしれない。ナメられて当然だ。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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