アメリカ合州国がサウジアラビア向けに5兆円(600億米ドル)もの兵器輸出をする計画があるという。これは14日にCNNが配信したもので、「この種のものとしては史上最大の規模」(米当局)といわれる。戦闘機や戦闘ヘリコプター、爆弾、ミサイルetc.核兵器を除く近代兵器の見本市といったところであろう。配信記事では「武器売却」とあり、中古ないし余剰在庫を売り払うかのような印象がなきにしにもあらずだが、10年規模の計画らしいので、おそらくは新製品の輸出も含まれるのであろう。
報道によれば、この計画に関係する1社(ボーイング)では7万7000人前後の雇用を創出できると見込まれているらしい。つまり、この計画そのものがアメリカ合州国国内の経済対策という意味合いがあるというわけだ。侵略戦争があの国の最重要な公共事業であることは以前から指摘されていることだが、ここでもまた戦争ないしその準備品輸出が公共事業として浮上しているのである(もとより、建国の経緯からして侵略と虐殺の繰り返しではあるのだが)。
もっとも、核兵器開発が疑われているイランに対抗するための配備とイタリア系大統領率いるオバマ政権はウソぶいているそうだ。CNNの記事によれば、「地域安定化が主眼であり、イスラエルが望む自国の安全が保障されることも安定化材料のひとつだ。米国はこの地域の現在のバランスを崩すようなことはしない」(クローリー米国務省次官補)だというのだから恐れ入る。あの地域を紛争の舞台に仕立て上げているのはまさにイスラエルであり、その背後にいるアメリカ合州国や大英国であるということをたいていの知識人は理解している。ようは自分たちの「安定」のためにはほかがどうなっても構わない(というより抹殺したいというのが本音なのではないのか?)というのを問わず語りにしているわけだが、そんなものすらタテマエ以外のなにものでもないことは明らかである。主旨は単純。カネのための武器輸出であり、カネのための戦争である。ところが、自分たちがしかけてきた戦争がベトナム以来かんばしい状況にない。ここにきてイラクからの撤退であり、ますますドロ沼化するアフガニスタンがある。言い換えると投資が割に合わないのだ。そこで大規模な兵器輸出。それでもって「雇用創出」ができるとアピールをする。こういうのを死の国家とはいわないのか。
クレイジーケンバンドがこの8月に発売したアルバム「MINT CONDITION」(または「MINT CONDITION」)に収録されている「revolution funk」には、戦争について「お金がもったいない」というくだりが出てくるが、本当にそのとおりだ。「金! 金! 金!」というのは剣さんお得意のMCのひとつだが、ここでは戦争の正体についてさりげに真をついている(そういうことをさておいても素晴らしいアルバムである。おススメ!)。繰り返すけど、ようはカネ。戦争の本質である(*注)。
ついでながら、こうして売り払われた兵器がやがて旧式となり、第3国の武器商人の手に渡る可能性だってある。正規・非正規を問わずそうして流出した兵器が各地での紛争の道具として消費され、テロリストの武器にも化す。まさにアメリカ合州国を中心としたグルーバルビジネスというわけですなぁ……。
*注:
キリスト教原理主義者がコーランを焼き捨てたなどといった騒ぎもあり、報道からはどうやら多くのアメリカ人がオカシイと感じているかのようであったが、これはなにも常識に沿った疑問ないし反対ではなく、そんな暴挙を働いて宗教対立をあおったところで、なんらカネにならないどころかということがあるのではないか(ただし、仮にそのリアクションがあるとすれば、そこにはカネとは違った意識が働いてくるに違いない。「あんなバカ牧師など殺すにもあたいしない」ぐらいに冷静な対応をしてもらいたいものだと思うのだが…)。逆にいえば、カネにさえなるのならば……である。心底卑しい連中だ。
もっとも、核兵器開発が疑われているイランに対抗するための配備とイタリア系大統領率いるオバマ政権はウソぶいているそうだ。CNNの記事によれば、「地域安定化が主眼であり、イスラエルが望む自国の安全が保障されることも安定化材料のひとつだ。米国はこの地域の現在のバランスを崩すようなことはしない」(クローリー米国務省次官補)だというのだから恐れ入る。あの地域を紛争の舞台に仕立て上げているのはまさにイスラエルであり、その背後にいるアメリカ合州国や大英国であるということをたいていの知識人は理解している。ようは自分たちの「安定」のためにはほかがどうなっても構わない(というより抹殺したいというのが本音なのではないのか?)というのを問わず語りにしているわけだが、そんなものすらタテマエ以外のなにものでもないことは明らかである。主旨は単純。カネのための武器輸出であり、カネのための戦争である。ところが、自分たちがしかけてきた戦争がベトナム以来かんばしい状況にない。ここにきてイラクからの撤退であり、ますますドロ沼化するアフガニスタンがある。言い換えると投資が割に合わないのだ。そこで大規模な兵器輸出。それでもって「雇用創出」ができるとアピールをする。こういうのを死の国家とはいわないのか。
クレイジーケンバンドがこの8月に発売したアルバム「MINT CONDITION」(または「MINT CONDITION」)に収録されている「revolution funk」には、戦争について「お金がもったいない」というくだりが出てくるが、本当にそのとおりだ。「金! 金! 金!」というのは剣さんお得意のMCのひとつだが、ここでは戦争の正体についてさりげに真をついている(そういうことをさておいても素晴らしいアルバムである。おススメ!)。繰り返すけど、ようはカネ。戦争の本質である(*注)。
ついでながら、こうして売り払われた兵器がやがて旧式となり、第3国の武器商人の手に渡る可能性だってある。正規・非正規を問わずそうして流出した兵器が各地での紛争の道具として消費され、テロリストの武器にも化す。まさにアメリカ合州国を中心としたグルーバルビジネスというわけですなぁ……。
*注:
キリスト教原理主義者がコーランを焼き捨てたなどといった騒ぎもあり、報道からはどうやら多くのアメリカ人がオカシイと感じているかのようであったが、これはなにも常識に沿った疑問ないし反対ではなく、そんな暴挙を働いて宗教対立をあおったところで、なんらカネにならないどころかということがあるのではないか(ただし、仮にそのリアクションがあるとすれば、そこにはカネとは違った意識が働いてくるに違いない。「あんなバカ牧師など殺すにもあたいしない」ぐらいに冷静な対応をしてもらいたいものだと思うのだが…)。逆にいえば、カネにさえなるのならば……である。心底卑しい連中だ。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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