当ブログでは、現政権樹立前から民主党への批判を繰り返してきた。現在、起訴の渦中にある小沢一郎氏についても同様で、氏の政治思想から窺える本質的部分についていくつかの疑問を呈してきたが、あらためて少しだけ氏とその周辺について触れてみたいと思う。
小沢氏に対する強制起訴とその経過については数々の報道があるので割愛するが、度重なる「不起訴」という措置にも拘わらず繰り返される検察審議会への審査申し立て申請について、いささかの疑問を感じるようになってきた。いまさらではあるが、簡単にいえば「小沢抹殺ありき」という前提のもと暗躍している勢力があり、公権力をたくみに使いながら氏を追い込もうと画策しているのではないかとあらためて思ったのである(最初からそういう面はわかっていたが)。つまり、きわめて生臭い政治劇なのだ。
小沢氏に対する疑惑はいまなおある。政治にカネはつきものと開き直るのも結構だが、仮にヤミ献金の類が事実であればそれはやはり“闇金”なのであり、アンダーグラウンドな資金なのだ。したがって、法に則ってしかるべき裁きを受けるのはあたりまえのことである。まずもって、この点に疑惑が残っていることを見落としてはならないだろう。
しかし、法に則って検討を重ねた結果、一時は不起訴の判定がなされてきた事実もまた重要である。検察が総力を挙げて(?)もなお、有罪に持ち込む手筈が整っておらず、見方を変えれば疑惑そのものが、少なくとも現行法に照らし合わせたうえでは立件にあたいしないのではないかとすることも可能だからだ。ところが、検察審議会による強制起訴相当の判断がなされた。2度目の「起訴相当」である。これに対し、小沢氏側は議決の取り消しなどを求める行政訴訟を起こしたわけだが、疑惑に対し徹底した態度で臨むべきなのと同様に、小沢氏側の措置もまた当然の権利だといえるだろう。小沢氏が自らの身の潔白を信じるならば徹底抗戦すべきだと思う。
ひとつ気になっているのは、いわゆる左側の勢力から小沢強制起訴を歓迎する論評がみられることである。たとえば10月16日づけの「しんぶん赤旗」は、小沢氏の提訴について「強制起訴恐れ時間かせぎ」とまで言い切っている。
※http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-10-16/2010101615_01_1.html
リンク記事ではあくまで小沢氏が抱える疑惑を明らかにする点に重きが置かれているが、検察および検察審議会側の意向をことさらのように重要視するのに違和感を覚える。「しんぶん赤旗」はいうまでもなく日本共産党の機関紙だ。同党は半ば翼賛化した政治の場において貴重な反権力の勢力であるハズなのに、単に権力側が決定したことを評価しているともみてとれる論評をするとはどういうわけなのか。
いまひとつ。小沢強制起訴に導いた検察審議会だが、審議申し立てをしたのが「在日特権を許さない市民の会」の桜井誠会長である事実に目を向ける必要があろう。ジャーナリストの山岡俊介氏は、氏のブログでこの件を取り上げているが(10月7日)、山岡氏のつぎの指摘は十二分に注目していい。
つまり、ある特定の政治的思惑のもとに、法や制度が利用されている可能性が考えられるのである。「在特会」は、在日外国人(といっても韓国人らがもっぱらの攻撃対象であり“白人さま”が含まれないのがヤプーらしい)が持つらしい「特権」の排斥を掲げた任意団体である。もちろんなんであれ主張するのは自由というものだし、会そのものについての論評は避ける。しかし、山岡氏の指摘は注目してのいいのではないだろうか。
そのうえで、いかに疑惑があるとはいえ不起訴の判断がなされた案件についてこぞって有罪ありきで報道や論評が頻発していることにおそろしさを感じるのである。これは小沢氏云々ということを通り越し市民生活に直接跳ね返ってかねない危険な兆候である。公権力の行使を歓迎するかのような報道。小沢氏もまた権力者には違いないが、今回の「強制起訴」が諸刃の剣であることを認識すべきではないだろうか。2転3転の前例は、やがて一般市民に影響を及ぼす可能性があるのだ。たとえばさきの共産党でいえば、かつて大手を降ったレッドパージよろしく検察や検察審議会、あるいはそれを利用する層にこうした法や制度が悪用されるなどとは考えないのだろうかとも思う。たとえ潔白であっても、いかようにも都合よく罪状がでっちあげられてきた事実を同党が知らないわけはないのだが……。
ただし、誤解を避けるために明言しておきたいが、小沢氏に対してはその政治的思想や施策を通じて否定的立場をとらざるをえない。小沢疑惑云々というレベルではなく、多くの部分でとても受け入れられない政治信条を持つ政治家だからだ。このことはすでになんどか記してきたが、政治評論家の森田実氏のつぎのリンク記事もまた、同感できる小沢批判のひとつである。
※「小沢時代の終焉に想う(1)」
したがって、いかに公権力から“目の敵”にでっちあげられているとはいえ、とても同氏を支持するわけにはいかないのである。
*おまけ:
森田実氏といえば、ノーベル賞についての論評がちょうどアップされていて示唆に富む内容となっている。ご一読いただきたい。
※「ノーベル平和賞を欧米側の政治社会体制の優位を宣伝するために利用してはならぬ」
さらにまったくのオマケだが……。
報道によれば、北朝鮮から韓国に亡命していたファンジャンヨブ氏が亡くなったことを受け、「急死は天罰であり、祖国と人民、民族に反逆した変節者の末路がいかに悲惨かをはっきりと見せている」と北朝鮮側が論評したという。日本の某宗教団体を思い浮かべざるをえなかった。同種の死者(だけでないが)に対する罵倒は、体験者らからなんども聞かされてきたがゆえ。
小沢氏に対する疑惑はいまなおある。政治にカネはつきものと開き直るのも結構だが、仮にヤミ献金の類が事実であればそれはやはり“闇金”なのであり、アンダーグラウンドな資金なのだ。したがって、法に則ってしかるべき裁きを受けるのはあたりまえのことである。まずもって、この点に疑惑が残っていることを見落としてはならないだろう。
しかし、法に則って検討を重ねた結果、一時は不起訴の判定がなされてきた事実もまた重要である。検察が総力を挙げて(?)もなお、有罪に持ち込む手筈が整っておらず、見方を変えれば疑惑そのものが、少なくとも現行法に照らし合わせたうえでは立件にあたいしないのではないかとすることも可能だからだ。ところが、検察審議会による強制起訴相当の判断がなされた。2度目の「起訴相当」である。これに対し、小沢氏側は議決の取り消しなどを求める行政訴訟を起こしたわけだが、疑惑に対し徹底した態度で臨むべきなのと同様に、小沢氏側の措置もまた当然の権利だといえるだろう。小沢氏が自らの身の潔白を信じるならば徹底抗戦すべきだと思う。
ひとつ気になっているのは、いわゆる左側の勢力から小沢強制起訴を歓迎する論評がみられることである。たとえば10月16日づけの「しんぶん赤旗」は、小沢氏の提訴について「強制起訴恐れ時間かせぎ」とまで言い切っている。
※http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-10-16/2010101615_01_1.html
リンク記事ではあくまで小沢氏が抱える疑惑を明らかにする点に重きが置かれているが、検察および検察審議会側の意向をことさらのように重要視するのに違和感を覚える。「しんぶん赤旗」はいうまでもなく日本共産党の機関紙だ。同党は半ば翼賛化した政治の場において貴重な反権力の勢力であるハズなのに、単に権力側が決定したことを評価しているともみてとれる論評をするとはどういうわけなのか。
いまひとつ。小沢強制起訴に導いた検察審議会だが、審議申し立てをしたのが「在日特権を許さない市民の会」の桜井誠会長である事実に目を向ける必要があろう。ジャーナリストの山岡俊介氏は、氏のブログでこの件を取り上げているが(10月7日)、山岡氏のつぎの指摘は十二分に注目していい。
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つまり、ある特定の政治的思惑のもとに、法や制度が利用されている可能性が考えられるのである。「在特会」は、在日外国人(といっても韓国人らがもっぱらの攻撃対象であり“白人さま”が含まれないのがヤプーらしい)が持つらしい「特権」の排斥を掲げた任意団体である。もちろんなんであれ主張するのは自由というものだし、会そのものについての論評は避ける。しかし、山岡氏の指摘は注目してのいいのではないだろうか。
そのうえで、いかに疑惑があるとはいえ不起訴の判断がなされた案件についてこぞって有罪ありきで報道や論評が頻発していることにおそろしさを感じるのである。これは小沢氏云々ということを通り越し市民生活に直接跳ね返ってかねない危険な兆候である。公権力の行使を歓迎するかのような報道。小沢氏もまた権力者には違いないが、今回の「強制起訴」が諸刃の剣であることを認識すべきではないだろうか。2転3転の前例は、やがて一般市民に影響を及ぼす可能性があるのだ。たとえばさきの共産党でいえば、かつて大手を降ったレッドパージよろしく検察や検察審議会、あるいはそれを利用する層にこうした法や制度が悪用されるなどとは考えないのだろうかとも思う。たとえ潔白であっても、いかようにも都合よく罪状がでっちあげられてきた事実を同党が知らないわけはないのだが……。
ただし、誤解を避けるために明言しておきたいが、小沢氏に対してはその政治的思想や施策を通じて否定的立場をとらざるをえない。小沢疑惑云々というレベルではなく、多くの部分でとても受け入れられない政治信条を持つ政治家だからだ。このことはすでになんどか記してきたが、政治評論家の森田実氏のつぎのリンク記事もまた、同感できる小沢批判のひとつである。
※「小沢時代の終焉に想う(1)」
したがって、いかに公権力から“目の敵”にでっちあげられているとはいえ、とても同氏を支持するわけにはいかないのである。
*おまけ:
森田実氏といえば、ノーベル賞についての論評がちょうどアップされていて示唆に富む内容となっている。ご一読いただきたい。
※「ノーベル平和賞を欧米側の政治社会体制の優位を宣伝するために利用してはならぬ」
さらにまったくのオマケだが……。
報道によれば、北朝鮮から韓国に亡命していたファンジャンヨブ氏が亡くなったことを受け、「急死は天罰であり、祖国と人民、民族に反逆した変節者の末路がいかに悲惨かをはっきりと見せている」と北朝鮮側が論評したという。日本の某宗教団体を思い浮かべざるをえなかった。同種の死者(だけでないが)に対する罵倒は、体験者らからなんども聞かされてきたがゆえ。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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