記事は、弁護士の日隅一雄氏へのインタビューとして構成されている。日隅氏は、沖縄返還密約情報開示訴訟などに関わっているほか、震災(というより原発事故)後は福島第1原発事故やそれに関連する官僚の責任や体質などを追求しているという。
まず、ここで氏が表面化しているのは、官僚の隠蔽体質であり、(憲法が定めている)国民主権の反故である。『日本の民主主義は上っ面だけ。「主権在民」ではなく「主権在官」なのです。』(同記事)というコメントは、氏が原発事故にからむ東京電力と政府の会見「延べ100回ほど」通ったうえであらためて得た結論である。
BR> 官僚の体質を如実に現わすつぎのコメント。
『会見で「文書に残してくださいよ」と何度も指摘してきたが、官僚は「法令上の作成義務はない」という姿勢です。』(同記事)
ここには、法令にさえ則っていればなにをやっても許されるという論理がみてとれる。極論すれば、法の埒外でさえあれば殺人でさえ許されるという発想に思えるが、まさにそういう論理で戦争を起こし、あるいは水俣病などの国家的事件を免罪し、犠牲者に対し「泣き寝入り」を強要しているといえよう。それもより小狡いやりクチで。
同種のセンスは、暴力団や大企業、高利貸し……、あるいは彼らに巣食う一部法律家(肩書きは弁護士などであるが)らも得意とするところだ。法に触れていなければなにをやっても大丈夫だという発想。チンピラレベルでは、「合法ドラッグ」などと「脱法薬物」を売り捌いたり、ネットダフ屋といった連中がそれにあたるのだろうけれど、官僚のタチの悪さは、チンピラや暴力団が立法そのものに直接的な関与をできないのに対し、自分たちの都合によっていかようにも法をねじまげる力を持っているところにある。そういう意味で、官僚のこの発想はかぎりなくヤクザまがいでありのと同時に、それ以上に悪質だといえないだろうか。
断っておくが、官僚すべてがこんなものにあてはまるなどとはこれっぽちも思っていない。真摯に仕事に臨んでいる職員もけっして少なくはないハズだ。だが、であればなおのこと、自らの組織を正していく義務についての自覚が必要なのではないのか(同時に、そんな“腐った”組織のなかで闘っている職員もいるに違いないが)。外(この場合、ほか大多数の一般国民)からの“革命”を待つのではなく、そうなる以前に内からあらためてゆく。いい加減、そういう時期に入っているのではないかと思うのだが、だからといってそんなことを期待するほうが甘いということなのだろうか……。
件のインタビュー記事は、個人的な所感としてはちょっと民主党に対し期待をしすぎではないかという部分もある。「民主党がやるべきことは、民主主義を実のあるものにすることだった」(同記事。筆者註・過去形に注目)というが、それは民主党自身にその“つもり”があったことが前提だ。そんなことをとても保障する気にもならないのだが。
だが、「主権在民」という視点に立てば、これはきわめて重要なことだと考える。「現状は投票に行く以外、何もしていない」(同記事)という有権者によって、まがりなりにも政権交代を果たしたのである。しからば自からが打ち立てた新政権をもっとみつめ、賛意できる部分を応援すると同時に、批判すべき点をもっともっと積極的にしていかなければならないからだ。財界やらアメリカ合州国ばかりに任せておいていいのか?
いまひとつ同記事で注目したのは、つぎのくだりである。
「政治家は選挙もあり個人名で動くが、官僚は匿名。だから責任を取らない」(同記事)
オレ自身は、官庁であろうと企業であろうと、組織と同時にそこに所属する個人ひとりひとりについても相応の責任を担うべきだと考えている。これは内部的なものではなく、外部に対するそれである。
官僚でいえば、提案された、あるいは改定なり導入なりをされた法案、法律の提案責任者はだれなのか。その官僚個人および組織は過去にどのような実績を持ち、今般の法律に対しどのような責任を果たしてゆくのか。これが仮に国民の利益になれば賞与という形で反映することがあっていいし、逆に不利益が明らかになれば相応の責任を取らなければならない。なにもちょっとしたミスをあげつらえということではなく、それだけ重要な仕事をしているのだということをより表面化してもいいだろうと思うのだ。失策に対しては「逃げ得」を許すなという言い方もできるだろうが、少なくとも国民に対しての責任の所在が闇のなかという現状はあらためなければならない(そういう意味で、たとえば東京電力の役員報酬や今後の処遇などに関心を寄せているひとが増えているのは前向きだといえよう)。
いまのままでは、痴漢と一緒。卑怯という点においては、まさに同類のみっともなさである。もとより、そういう“小狡い”センスを持つ、いや、小狡く育ったからこそそんな道しか選べないのかもしれない。そうじゃないんだという官僚(だけではないが)に、それでも淡い期待を持ちたい気持ちがないわけではないのだが……。
まず、ここで氏が表面化しているのは、官僚の隠蔽体質であり、(憲法が定めている)国民主権の反故である。『日本の民主主義は上っ面だけ。「主権在民」ではなく「主権在官」なのです。』(同記事)というコメントは、氏が原発事故にからむ東京電力と政府の会見「延べ100回ほど」通ったうえであらためて得た結論である。
BR> 官僚の体質を如実に現わすつぎのコメント。
『会見で「文書に残してくださいよ」と何度も指摘してきたが、官僚は「法令上の作成義務はない」という姿勢です。』(同記事)
ここには、法令にさえ則っていればなにをやっても許されるという論理がみてとれる。極論すれば、法の埒外でさえあれば殺人でさえ許されるという発想に思えるが、まさにそういう論理で戦争を起こし、あるいは水俣病などの国家的事件を免罪し、犠牲者に対し「泣き寝入り」を強要しているといえよう。それもより小狡いやりクチで。
同種のセンスは、暴力団や大企業、高利貸し……、あるいは彼らに巣食う一部法律家(肩書きは弁護士などであるが)らも得意とするところだ。法に触れていなければなにをやっても大丈夫だという発想。チンピラレベルでは、「合法ドラッグ」などと「脱法薬物」を売り捌いたり、ネットダフ屋といった連中がそれにあたるのだろうけれど、官僚のタチの悪さは、チンピラや暴力団が立法そのものに直接的な関与をできないのに対し、自分たちの都合によっていかようにも法をねじまげる力を持っているところにある。そういう意味で、官僚のこの発想はかぎりなくヤクザまがいでありのと同時に、それ以上に悪質だといえないだろうか。
断っておくが、官僚すべてがこんなものにあてはまるなどとはこれっぽちも思っていない。真摯に仕事に臨んでいる職員もけっして少なくはないハズだ。だが、であればなおのこと、自らの組織を正していく義務についての自覚が必要なのではないのか(同時に、そんな“腐った”組織のなかで闘っている職員もいるに違いないが)。外(この場合、ほか大多数の一般国民)からの“革命”を待つのではなく、そうなる以前に内からあらためてゆく。いい加減、そういう時期に入っているのではないかと思うのだが、だからといってそんなことを期待するほうが甘いということなのだろうか……。
件のインタビュー記事は、個人的な所感としてはちょっと民主党に対し期待をしすぎではないかという部分もある。「民主党がやるべきことは、民主主義を実のあるものにすることだった」(同記事。筆者註・過去形に注目)というが、それは民主党自身にその“つもり”があったことが前提だ。そんなことをとても保障する気にもならないのだが。
だが、「主権在民」という視点に立てば、これはきわめて重要なことだと考える。「現状は投票に行く以外、何もしていない」(同記事)という有権者によって、まがりなりにも政権交代を果たしたのである。しからば自からが打ち立てた新政権をもっとみつめ、賛意できる部分を応援すると同時に、批判すべき点をもっともっと積極的にしていかなければならないからだ。財界やらアメリカ合州国ばかりに任せておいていいのか?
いまひとつ同記事で注目したのは、つぎのくだりである。
「政治家は選挙もあり個人名で動くが、官僚は匿名。だから責任を取らない」(同記事)
オレ自身は、官庁であろうと企業であろうと、組織と同時にそこに所属する個人ひとりひとりについても相応の責任を担うべきだと考えている。これは内部的なものではなく、外部に対するそれである。
官僚でいえば、提案された、あるいは改定なり導入なりをされた法案、法律の提案責任者はだれなのか。その官僚個人および組織は過去にどのような実績を持ち、今般の法律に対しどのような責任を果たしてゆくのか。これが仮に国民の利益になれば賞与という形で反映することがあっていいし、逆に不利益が明らかになれば相応の責任を取らなければならない。なにもちょっとしたミスをあげつらえということではなく、それだけ重要な仕事をしているのだということをより表面化してもいいだろうと思うのだ。失策に対しては「逃げ得」を許すなという言い方もできるだろうが、少なくとも国民に対しての責任の所在が闇のなかという現状はあらためなければならない(そういう意味で、たとえば東京電力の役員報酬や今後の処遇などに関心を寄せているひとが増えているのは前向きだといえよう)。
いまのままでは、痴漢と一緒。卑怯という点においては、まさに同類のみっともなさである。もとより、そういう“小狡い”センスを持つ、いや、小狡く育ったからこそそんな道しか選べないのかもしれない。そうじゃないんだという官僚(だけではないが)に、それでも淡い期待を持ちたい気持ちがないわけではないのだが……。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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