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猫池罵詈雑言雑記帳
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 本業がらみの事情からアップが遅れてしまいましたが……。
 どういう理由からか、テレビや新聞のみならずネット上での報道もほとんどみかけないが、大阪市ではとんでもないことになっているようだ。つぎのリンク記事をお読みいただきたい。
「橋下市長が思想調査」

 リンク記事にれば、大阪市の全職員に対し、政治的思想調査が市長命令によってなされたというのである。この調査、全項目かあるいは項目によって回答を控えたいとしても、それができない仕組みになっているばかりか、「任意の調査ではありません。市長の業務命令」であり「正確な回答がされない場合は処分の対象となりえます」という恫喝をかざしつつ回答を強制しているところが、あの男らしいといえばいえるだろう。
 設問のなかには、「あなたは、この2年間、特定の政治家を応援する活動(求めに応じて、知り合いの住所等を知らせたり、街頭演説を聞いたりする活動も含む。)に参加したことがありますか」という項目があるという。ここでは、回答者(市職員)だけでなく、外部の一般市民・国民らまでを範囲に加えて「氏名」の報告を強制している。「密告」と「監視」の「強制」である。繰り返すが「処分」含みを前提とした恫喝をもっての強制だ。これを思想調査の強制以外に呼び方があるだろうか。いうまでもなく違憲であり違法であるのだが。
 これは、同時に職員間での「密告」を奨励しているとも解釈できる。さしずめ北朝鮮すら彷彿とさせる「強制」だが、あの男は本気でこんなものが民意であると考えているのだろうかと思う。発想の根源としては、かつての東ドイツやルーマニアといった独裁社会主義国のそれにも近い。以前、当ブログの「笑いとお笑いの巻」で「お笑いは残るかもしれない。だが笑いは奪われる」と記したが、どうやらその道を着実に歩んでいるようだ。それどころか、リンク記事が指摘しているとおり、憲法にすら觝触する可能性が高い所業である。こんな大事件が、なぜほとんど報道されないのか? オレは本当に恐ろしい(参考記事として日本共産党の機関紙をリンクしているが、いわゆる“アカ”嫌いにとっては皮肉ともいえる「赤旗」の報道だろう)。

 さらに恐ろしいのは、こんな男が率いる「維新の会」とやらが、遠からず国政への進出を目論んでいるところにもある。その下地づくりのつもりかはわからないが、巨大宗教団体の傀儡政党への協力が伝わってきているが(そういや、かつては進歩的な部分もあったこの教団も、気がつけば“独裁者”を戴く反動集団になってしまったようだ。しかもあっちへフラフラこっちへフラフラ……)、衆院200議席という目標なんぞが達成されたら、本気で亡命のひとつでも考えるほうがいいかもしれん。わが祖国はおしまいだとすら言いたくなってくる。
 ちなみに、この「維新」を名乗る反動集団の政権公約のひとつに、なんと「TPP参加」がある! これだけでも国政進出という野望を阻止するだけの根拠があるというものだが、いまやイデオロギーの類を越えて疑問を呈せられている新自由主義のトリコになっているのであろう。超管理社会の構築とアメリカ合州国へのさらなる隷属。こんなものはSFの世界のなかだけにしてもらいたいものだが、すでに“前ガン”状態を放置してしまっているのが日本社会のザマなのかもしれない。つまり“手遅れ”は目前だ。

 ついでに触れておくと、大阪市関連では、地方公務員を中心に給与だの特権だのといった類の“実態”が“暴露”されているという一面がある。おそらく、あの男の支持者にしてみれば「ザマぁみやがれ」といったところで、ちょっとした溜飲を下げているのであろう。
 こうした特権的利権や因習といった膿を搾り出すという意味での「改革」をアタマから否定するつもりはない。だが、あの男のやっていることは、本当に「改革」といえるのだろうか? オレの目には、失礼だけれども“小物”を生け贄にすることによって、本来「改革」すべき本丸を守っているようにもみえる。ようは目くらましなのだ。どうでもいいテキトーなところで溜飲を下げさせ満足させておけばいいという論理。その裏で市民的視線で「改革」されるべき連中の利権が守られてゆく。彼が信望しているらしい新自由主義的政策をもって利益を獲る財界(のとくに大資本)や官僚の筆頭部分。それをより強固にするための思想調査とそれを受けて進められる独裁政治。つまりはそういうことではないのか?

 たとえば、あの石原のおとっつぁんをはじめ、橋下一派を(熱心に)支持あるいは応援するひとびとを分析することだ(広い意味で騙されている有権者はともかく)。それはどういう層のいかなるひとびとか。そんなところにも、あの連中いわくの「改革」の正体がみえてくると思うのだが。
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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