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猫池罵詈雑言雑記帳
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 サッカー観戦はわりと好きなほうだが、どうも今年は気分が乗りづらい。というのも応援チームのジェフユナイテッド市原・千葉の成績が芳しくないのだ。4連敗のあとヴァンフォーレ甲府と大分トリニータを破りやっとこさ連勝したのもつかのま、23日はアルビレックス新潟に1ー2でホームゲームを落とした。2ー0で終盤を迎え、後半41分に羽生直樹が一矢を報いたものの、連勝後の1戦だけにファンとしては悔しい1敗である。
 ところで、試合時間をまっとうすればサッカーという競技は終了、ノーサイドである。23日の試合は羽生の1点もあったし、そうなるとせめてあと5分でもあれば……などとつい思ってしまうこともあるけれど、終わりは終り。サッカーなら90分、野球なら9回。ルールに定められた延長戦は別として、勝負はそこで決まるし、負けてしまえばつぎの戦へと気持ちを切り替えるしかない。まぁ、麻雀では負けが込んでいるプレイヤーが「もう半荘! レートは倍で!」などと往生際の悪いひと勝負を持ちかけたりもするが、そんなのは遊びの世界だからこそ許されるものであって、サッカーに限らず本気でルール外の“延長戦”を申し入れる恥知らずなバカもそうはいないだろう。ところが、政治の世界では必ずしもそうではないらしく、与党側が一方的かつ強引に今国会の“延長戦”を決定したのである。この“延長戦”は、形としては“合法”的である点が、むしろ麻雀の「もう半荘!」よりもタチが悪いといえるだろう。  



 この自創コンビ(プロレスにならって“極悪タッグ”と呼ぼう)が押し切った会期延長のタテマエは、「議案の審議状況を鑑み」ということになっているらしい。議案とはすでに成立したものを含めて並べてみると、“極悪タッグ”独自の予算案強行採決があり、改憲手続き法があり米軍再編促進法があり教育三法がありイラク派兵延長法があり、さらには政府公認の天下り推進機関たる「官民人材交流センター」設立を含む公務員法案があり社保庁解体法案がある。ホントにロクなことをやっていないしやろうとしていませんね。
 社保庁解体法案などは年金問題の筋を違えてあやふやに片づけてしまおうという思惑に充ちた悪意の法案としか思えないが、ようはこうした議案について彼らは緊急課題だとウソぶいているらしいのである。すなわち、通常国会にはたしかに1回だけ会期の延長が認められているのだが、それは与野党間に審議継続の合意があり、かつ緊急を要する場合の例外的措置なのである。逆にいえば、会期内で審議を行なうことが日本の国会法の定めるところであり、審議が終らないとすれば廃案になるというのが原則であり前例なのだ。ところが“極悪タッグ”はこの原理原則を一方的に踏みにじって会期延長を謀った。

 そもそもなぜ会期というルールがあるかといえば、こうした多数会派の横暴を防ぐためであり、民主主義に基づく国会を単なる数の争いにしないがための賢いアイデアなのである。これを無視した“極悪タッグ”は、ご存じのとおりすでに討論軽視の一方的採決のラッシュという異常な国会をつくりあげているが、この期におよんでさらに異常を積み重ねているわけだ。
 おぼっちゃんは言う。「国民のために延長を判断した」。しかしその国民の動向はどうか? 内閣支持率の低下、なによりもご自分の支持率の低下および不支持率の高さをこのおぼっちゃんは理解できているのだろうか(しかも「支持」についても「ほかに適当なひとがみあたらないから」という減点法による「支持」なのである)。こうした世論調査の裾野に充満しつつある国民の声は、“極悪タッグ”のこうしたやり方について異義を唱えており、一刻も早い国政選挙の実施を求めているのではないか? 「国民のため」というのは他者がさっぱりみえないおぼっちゃんお得意のひとりよがりであり、肝心の国民のなかには「もうたくさん!」という拒否反応が拡がっていると考えるほうが素直なモノの見方であろう。

 こうした愚行の狙いについてはあれこれ取り沙汰されているが、まずは、年金問題をはじめとして国民の間に不満や怒りがあるという現在の流れのなかで参院選を戦えば負けがみえているという自民の思惑を相棒が支えているということがある。そして住民税増税という事態から、国民がやっとこさ増税の正体を実感しつつあることもあろう。そんなタイミングの参院選である。しかし、じゃぁ1週間でも10日でもいいから“冷却期間”をつくっちまえというこざかしさ。まぁ、仮にそんな思惑のとおりになっちゃうとすれば、この国の連中というのはまさに家畜人だなぁというのがあらためて明らかになるだけだが。
 しかし、本当の狙いはそんなところではないのではないだろうか。いま通過させようと狙っている法案について、なにがなんでも成立させる。どうせおぼっちゃんの政権は長くはないのだし、あとに控えている顔ぶれだって大差はない。だからいまのうちにやれることはやっておいて、いざ責任となったらおぼっちゃんをスケープゴードにすりゃぁいい。おぼっちゃんを利用する側が重要視しているのは、じつはこんどの参院選のことなどではなく、控えている幾多の法案を成立させるという“実”のことではないのだろうか。したがって、野党側はいまの国会こそが重要な戦いだと強硬に行動する必要がある。もちろんきたる参院選で“極悪タッグ”にダメージを与えることは必須だが、本丸はさらに大きいと考える。まずは参院選前のイカサマ延長戦を戦い抜くことであろう。


■大仁田厚のレジスタンス!
 で、そんななか、大仁田厚参院議員(自民・比例)が政界引退を表明、比例区での立候補が予定されていたつぎの参院選には出馬しないという。
 大仁田氏に関しては、正直なところ自民から立候補したさいには大いに失望したものだった。なんでこんなものに利用されるんだということもあったが、まんまと乗せられた有権者の素直さにも呆れ返った(プロレスラー=大仁田厚は好きだが、それは氏の政治的考えなどとは切り離して捉えるべきものだと考えている。もちろん政治家となれば話は別だが)。自民主導で比例区に「非拘束名簿」方式が初めて導入されるや、とうの自民をはじめ民主や社民らも著名人候補者擁立に躍起になっていて、今回もあれこれ名前が挙がっては消えていっているが、なにしろ著名人のネームバリューのおかげて、ほかの候補者にも票が分配されるというイカサマ同然の仕組みなんだからさもありなんといったところであろう。ようは大仁田氏もそんなイカサマのコマにされていたわけである。
 しかし、報道をみると、どうも完全に目覚めていたようだ。記者会見で「参議院は首相官邸の人気取りの道具ではない」と断じ、今国会の会期延長と、参院選の日程先送りに対する抗議だと説明。「国民が求めているのはつけ焼刃で法案を通すことでなく、慎重審議だと思う。選挙目当てにウソをついてまで当選したくない」と正論を展開したのである。 また、参議院の現状について、「衆院から降りてきたことをそのままやっていく。今回もそうだが“ハイ、そうですか”で通してしまっていいのか」と語り、政府の追認機関となり下げられてしまった実態に対して疑問を投げかけている。これは自民だの民主だのという連中のみならず、肝心の有権者側も噛み締めるべき重大発言であろう。なにやら代打要員として“ヤンキー先生”(タレントでしたっけ?)とやらが目されているようだが、まさになんとかにつける薬のない状態ですにゃぁ。
“ヤンキー先生”にいえば、とうのご本人も大仁田氏の会見につては知らないわけはないし、そんな票取り作戦のコマにされるということの意味を理解できるのかどうか、それが国民を目の前にして試されていることを自覚すべきであろう。

 いまこうしたコマに手向けられているのはいうまでもなく“毒饅頭”だが、それを食らうということは、自らが中毒するだけでなく、この日本という国の毒をばらまきかねない。大仁田氏はどうやら解毒できたようだが、肝心なことは毒の配給元を断ち切ることである。



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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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