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猫池罵詈雑言雑記帳
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 赤坂プリンスホテルといえば、アブクゼニ経済華やかなりしころはちょっとしたステータス性を祭り上げられたものだったが、ちょいカネ持ちきどりになった庶民をターゲットに、メディアが散々もてはやしていたなぁという印象がある。個人的には悪くはないホテルだと思っているけれど、もとよりそれほど用事があるわけでもない。
 この赤プリが危うくひと騒動の火種になりそうだった・・・というのが今回の話である。  



 6月16日の「読売新聞」朝刊が、「出張時の気分転換にバス釣りはいかがーー」という見出で赤プリの宿泊プランを報じた。なんでも、ホテル前の「弁慶堀」でボートを借り、出張の合間にブラックバス(オオクチバス)などのルアーフイッシングが楽しめますよというふれこみで、「ボートでバス釣りプラン」というパック商品を企画したらしいのだ。
 顛末から言えば、7月1日より売り出す予定だったこの商品について、「諸般の事情により」販売が中止されている。中止を決定した経緯等については同ホテルのサイトなどをみても詳らかではないが、16日に報じられて撤回されたのが20日なので、その間に土日を挟んでいたことなどを考えるときわめて迅速な対応だったといえるだろう。

“釣り場”として取り上げられた弁慶堀(濠)はいうまでもなく旧江戸城の外堀のひとつだが、ネット検索をしてみたところ、釣り場案内のサイトもあり、それによればブラックバスだけでなくニジマスなどを放流して釣り堀のように遊漁の営業がなされているようである(ブラックバスについては外来生物法施行に伴い放流はストップしているらしい)。こんなところを釣り堀にしていいのかいなと思ったものだが、ここで「釣り堀のように」と記したとおり、どうやら釣り堀としてではなく、たまたま釣り魚がいる川なり池なりで釣りもできる貸しボート業を営んでいるという解釈らしいのだ。で、出張のついでに、ここでボートを借りてバス釣りをしてはいかがですかというのが今回ボツになった企画なのであろう。

 さて、ブラックバスは外来生物法によって飼育や生体の移動、放流などが厳しく禁じられている一方で、釣りに関してはさしあたり制限がかけられていないというのが国の公式見解である。16日の「読売」紙面を引用してみよう。
『ブラックバスは2005年6月施行の特定外来生物被害防止法で、許可がない限り、飼育や運搬は禁止されている。「釣ったブラックバスは生きたまま持ち帰ることはできない」(釣り業界関係者)ので注意が必要だが、釣り自体は問題なくできるという。』
 こうした根拠をもとに、おそらくはホテルとしても問題なしといったんはしたのであろうことは想像できる。しかし、釣りに関して禁止等こそはされていないものの、“釣り場”とされているところに棲むバスは、その大半が違法あるいは脱法的に密放流されたシロモノである(“合法”とされてきたのは芦ノ湖をはじめとしてごく限られる)。したがって、釣りそのものについてはたしかに合法ではあるが、釣りを可能にしているバス棲息については違法または違法性がつきまとっていることになってしまう。事情はともあれ「タマタマそこにいるんだから釣ってもいいでしょう」という解釈なのだ。そんなものを商売のタネにするということ自体が、いわば“グレーゾーン”にあるといっていいかもしれない状態であろう。

「こりゃぁ、ヘタをすればホテルのイメージが台なしになっちゃうぞ」と下世話にも思っていたら、はたして企画は沙汰やみになった。たいへんよかった。オシャレな赤プリよ、よくぞ思いとどまってくれMASITA。

 というちょっとした出来ごとがあったわけだが、じつはここで取り上げたのは赤坂プリンスホテルになにか言いたいわけでも、お濠にある不思議な釣り場についてあれこれ記したいわけでもない(そのうちコッソリ取材に行くかもしれないが……)。これを報じた「読売新聞」の姿勢、ここである。
 記事には引用したとおり、外来生物法との関連について若干触れているが、これは「釣っても構わない」という告知がわりであり、そもそもなぜ問題になっているのかについてが丸っきり黙殺されている。ようはホテルがこんなことをやりますよという宣伝的記事なのか、単に経済的部分の出来ごととして紹介しているということなのだろうが、ここまで無批判に記事にしちゃうあたりのセンスにいささか仰天させられたのであった(同記事には宿泊プランの具体的な金額も紹介されている)。こんなのは、釣り雑誌の類ならば致し方ない面もあるかもしれないが、「読売新聞」はいちおうはれっきとした一般紙である。こうした出来ごとを伝えるにあたって、少しは疑問のひとつでも浮かばなかったのだろうか。ジャーナリズム的立場でいえば……というのは釈迦に説法の類のハズだが。

 じつは、この記事を紹介してくれた方は、「読売新聞よ、お前までもか」といささか呆れておられたようだし、ここでもつい「仰天させられた」と記してしまったけれど、じつはこのセンスこそが同紙に相応しいとはいえまいか? さもありなんである。ブラックバス問題に限らずとして。



*付記:
 そもそもの発端となったブラックバスをめぐる諸問題についてあこれこ記したいことはあるが、さしあたり件の企画が中止されたことなどを考慮して、ここでの深入りを避けた。新たな動きがあれば現地取材を含めて続報したいと思う。
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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