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猫池罵詈雑言雑記帳
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「憲法違反の問題が起きる」
 自民党の笹川堯総務会長がそう宣ったという。
 これは、自民党が次期衆院選のマニフェストに書き入れることを検討しているとされる“世襲候補”の立候補制限について疑問を呈するなかで口をついて出た言葉である。
 しかし、自民党の諸君に「憲法違反云々」などと言われても笑うほかはないだろう。泥棒に泥棒はよくないとたしなめられるかのごとしというヤツだ。

 笹川氏はこうも語ったらしい。
「世襲でも立派なひともいる」
 それは(なにも政治家に限ったことではなく)事実であろう。ここで問題とされるのは、世襲そのもの以前にひとりひとりの政治家としての資質についてである。ここ数代の首相たちの実態にも顕われているように、たしかに世襲政治家にはとんでもないのが揃っているようだが(“とんでもない”のひとりにはもちろんあのコイズミスネオもいるわけだが、はて、彼は自民党内では優秀な評価を得ているのではないのかな? いまの衆院の寡占状態を演出したのはだれだったのか?)、だからといって「立候補制限」などというきまりごとでめくらましをするというのは、笹川氏にいわれるまでもなくたいへんに問題がある。これはむしろ有権者側の民度の問題であり、世襲であろうがなかろうがその政策をきちんと理解したうえで選挙に臨むなりしていけば、ダメ政治家というのはいずれ淘汰されていくハズともいえよう。もちろん、実際にはそう簡単にはいかないにせよ、こんな駄案をマニフェストに入れるだのと考えているらしいとは、自民党のオツムのていどを疑うには十分な事実というものだ。

 ちょっと話が飛躍するようだが、たとえば現在議論されているインターネットでの医薬品販売の一律制限は、その一部に脱法的薬品の販売やあるべき処方との兼ね合いなど問題があるあるからということで十把ひとからげに販売を禁止してしまおうという色合いが濃い。ごく単純化するならば、面倒だからすべて禁止してしまえばいいという発想であろう。極論すれば、こんなのは考えることを放棄して「じゃぁ、ぜんぶ」というのとかわりはしない。
 自民のいう「立候補制限」が必ずしもそうした発想と同列にはできないかもしれないにせよ(つまりはそれ以前のレベルで単なる選挙向けのポーズにすぎない可能性があるからだ)、思考停止のニオイがプンプンしてくるというものだ。繰り返すが、こんなのは有権者が個別に判断すればいいだけのことであって、きまりごとにする必要はまったくない。にも関わらずそんな発想が出てくるということは、民主主義のイロハを理解するアタマがないということであり、大衆を侮っているということである。

 そして憲法。これまで日本国憲法の9条をはじめとする内容を敵視し踏みにじってきたのはどこのだれか? かつての冷戦などの緊張問題はあったにせよ、それが収まるとことこんどは北朝鮮や一部イスラム勢力、さらに海賊まで利用して軍備の増強と実動とを画策してやまない自民党。“宗主国”の大統領が「核廃絶」を世界に向けて演説しているなかで、核兵器での武装を堂々と主張する自民党。9条だけではないのだ。19条(思想及び良心の自由)や20条(信教の自由)、21条(集会・結社・表現の自由、通信の秘密)、25条(生存権、国の社会的使命)、27条(勤労の権利及び義務、勤労条件の基準、児童酷使の禁止)、34条(拘留・拘禁の要件、不当拘禁に関する保障)、42条(両院制)・・・そして98条(憲法の最高法規制、条約及び国際法規の遵守:「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」)etc……。
 歴代の自民党政権をみてみるがいい。これらすべてを積極的に反故にしているとまではいわないが、どこまで守られているのか、あるいは無視を決め込んできたか? 憲法というのはその一部に国民に対する義務的な内容があるとはいえ、基本的には国のあり方を定めたきまりごとだ。おそらく、そんな単純なことを知らず、かつ学びの姿勢すら持ち合わせない連中の集まりというのが自民党ではないのかとすら思う。そんなのに「憲法違反」がどうとの言われてもねぇ(嘲笑)。

 そうこう考えてゆくと、世襲云々以前に、すべての国会議員(および選挙時の候補者)に対し日本国憲法の理解度試験でも課すほうがよほど明るい未来につながりそうである。むろん、自民や民主党議員の半数近くが目論んでいる改憲もまた憲法上では可能なわけだが、さて、改憲を主張しているひとびとは、「改めたい」憲法そのものをどのていど理解しているのだろうかという気もする。


*おまけ:
 あまり報道されていないようだが、われわれの税金がとんでもないことに使われつつあるという報道をひとつリンクしておきたい。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-04-17/2009041701_01_1.html

 在沖縄米海兵隊のグアム「移転」に伴う米領グアムでの米軍新基地建設に向けてアメリカ合州国政府での予算化がおぼつかず、かかるといわれる61億ドルにものぼる経費のうち28億ドルをわが国に支払いを強要しつつあるという恐るべき実態である。これだけの事件が陰に埋もれている日本のマスコミとはいったいなんだろうか?
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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