東京都議選の結果をめぐり、「自民大惨敗」といった見出しが日本中を駆け巡った。
「よもや?」という懸念こそあったものの、意外でもなんでもないというのが個人的な感想だ。
数字のうえでは“小池派”の勝利であり、ほかに目立つところといえば、これまた下馬評どおりに民進党の議席が激減したことと、共産党が前回を2議席上回ったことだろうか。もっとも、民進党でいえば、前回の当選が15人にあったにも拘わらず、改選時にはその半分にも満たない7人という状態であったから、選挙云々(うんぬん)以前の問題だったようにも思える。
自民は改選57(前回当選59)議席の半数を下回る23議席を確保したが、「あんな人たち」(アベ語)だってのに、まだそんなに当選したのかとの思いを禁じえなかった。
しかし数字のうえでは負けは負け。
このまま一気に改憲まで持ち込み、わが祖国の中華人民共和国化を共謀しているアベ真理教にしてみれば、これはちょっとした打撃だったハズで、そういう意味では意義深い選挙だった。
一方でアベ真理教の“腹心の友”(アベ語)あるいは共謀相手である創価学会・公明党が安定した選挙戦をみせ、前回と同じ23(改選22)議席を得ている。このカルトコンビを合算しても46議席に留まるので、現政権に対する「NO!」が突きつけられたと見ることも可能ではあろう。だが、“小池派”都民ファーストの会と自民党本流との違いは、どこまで明確なのだろうか。東京都議会の与党となった都民ファーストではあるが、国政(への影響)という視野で窺ってみれば、これまたかぎりなく“与党”に近いか、あるいはそのものなのではあるまいか? そもそも、都政においてもほとんど実績もなければ確たる姿勢を示しているワケでもない彼らについて、票を投じた有権者はどれだけ理解しているのだろうか? ましてや、今回の選挙においては、創価学会の組織力を借りてしまったのである。これでは、創価学会によって延命してきた自民党本体となんら違いはないではないか? とんだ茶番ではないかと思うのだが……。
言い換えれば、ちっとも痛くはないのだ。アベ真理教にとっては。
もっともこの現象。プチブーム時代の民主党がそうであったように、この49議席という数合わせもまた“烏合の衆”であったという可能性がないとはいえまい(なかにはホネのある議員がいないとまでは言わないが)。自民党に擦り寄るもよし、維新あたりで再出発するもよし。こうしてまた「ああ、やはり自民党しかないねぇ」といったところに落ち着いてしまうのが、現代ニッポンジンの善良なるマジョリティなのかもしれない。悲しいことである。
■おまけ
アベ尊師の名言「こんな人たち」がちょっとした話題と呼んでいる。もちろんあの男の正体を顕わしたという点で批判を浴びているワケだが、オレがむしろ大歓迎に思った。かぜか? あれによって(だけではないが)、あの男とその共謀仲間が、明白な「敵」であることが明らかになったからである。
またぞろ、「惨敗アベ真理教」を救済するかのように、つまりそのピンチにあたって「忖度」(とうの尊師は読めるのだろうか?)したかのように北朝鮮がミサイルをぶっ放した。
“脅威”としてけっして無視はできないと思うし、あの金王朝を(武力以外の手段で)ぶっつぶさなければならないと考えてはいるけれど、それでも(差し迫った)「敵」とまでは考えていない(あの政権を「味方」や「友人」などともこれっぽっちも思ってはいないが)。この件はいずれ改めたいと思うが、「敵」というくくりでは、アベ真理教のほうがよほどの「敵」であり、日本国民にとって間近に差し迫った「脅威」なのである。
ところで都民ファースト。「東京」ではなく「都民」としたところにはまだしも好感が持てる。しかし、くれぐれも「都民ファシス党」に化けませんように……。
●追記
「都民ファースト」について、興味深い記事があった。
※「都民ファースト」は情報公開の党か? 都議選・インターネット映像メディアIWJの取材申し込みに答えず(日刊ベリタ)
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