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猫池罵詈雑言雑記帳
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 参院選挙。
 自民党への投票者のうち6割以上が「他よりまし」と回答したという。
 これを伝えたのは「ヨミウリ」。大見出しに自民勝因のとして「他よりまし」が63%したうえで、見出しの「サブ」として「『改憲議論の期待』70%」などとつけている。
 同社としては不思議なことだ。この見出し、本当ならば逆にしたかったのではないのかと思うからだ。
 いくつかの解釈ができるようのも思えるが、同じく違和感を覚えた同紙“ウォッチャー”は少なくないかもしれない。

 それはそれとして、数という形のうえでは不毛とも思える結果に終わった参院選だが、得たものはあった。
 野党共闘である。
 この共闘が、単に対選挙、対自民創価(自創について、個人的に「カルトロギー」という造語を差し上げよう)という一時しのぎ以上の意味があったと考えるからだ。

 いうまでもなく、共闘した4党には共通する政策もあれば、正反対の思想もある。そうした違いの部分からの対立だって生じてくる可能性は否定できない。だが、ここに至るまで、彼らは徹底的に、「ヒザをつきあわせて」話し合い、交流を重ねてきたハズだ。この話し合いこそが大切で、そこで考え方の違いが浮き彫りになった点もあるかもしれないが、これまで十全なつき合いを裂けてきたがゆえの誤解や無知が解けたのではあるまいか? 必要な情報を得られなければ誤解して当然である。今回の共闘は、その無知なる誤解を、共闘野党が相互に解きあったという点で、大きな進歩を得たと思う。

 この“成果”は、都議選に生かされつつある。まだ日本は死に体ではない。

(東京へ送るニュース原稿の)送信には電話と電報を併用したが、事前検閲こそなかったものの、原稿の内容が送信後間もなく共和国(引用者注:北朝鮮のこと)当局によってチェックされていることは明らかだった。ある当局者は「あなた方が送った原稿の内容は全部わかっています」と私に語ったし、(中略)
 別の当局者は「私たちはあなたが私たちにとってプラスになるような、よい記事を書いてくれることを期待します」とはっきり希望を表明した。(中略)「北朝鮮は失望」との見出しで小さく掲載されたが、これを韓国のある民間放送がニュース時間に引用したことから、彼(筆者と同行した他社記者)は案内員に「こういう記事は困る」とかなり厳しいクレームをつけられたようだ。(『ルポ・朝鮮最近史』江口浩・現代史出版会1973年。263~264ページ)

 引用したのは、著者が「第1回南北赤十字本会談」などの取材で訪れたさいの1972年の北朝鮮当局による報道に関するセンスを示したくだりである。
 ここで語られている「共和国」を「アベ政権」に差し替えても、なんら違和感はないだろう。現代ニッポンのザマ、そのまんまといえるかもしれない(もっとも、外国報道機関や記者に対してはここまで正直になれないのだろうが・笑)。

 著者は、北朝鮮における報道規制に関し、こうも記している。

共和国では、ひとにぎりの幹部を除く圧倒的多数の大衆が政府の完璧な情報管理によって、いわば下界から隔離されているともいえる。ところが、注目に値するのは、共和国の大衆がそのことを不満に思っている兆候は(ママ)ないことである。情報に対する飢餓感はほとんど感じられない。(256ページ)

「なるほどね。ホントに北朝鮮ってのはしょうもないな」
 とだけ思うのはおめでたい善良民であろう。程度の差こそ(少なくとも思想犯で銃殺刑にされるような…という点で。だが、形を変えた思想犯はある)あれ、アベニッポンもまったく一緒。「63%」のなかのどれだけのひとが北朝鮮の大衆と化しているのか(確信的支持者はいちおう含まないし、さしあたり批判するつもりもない)。多くの日本人が考えているほど、平壌市民は自らを不幸だと感じていないかもしれない。
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 弁護士の白川勝彦氏は、氏HPのコラムでつぎのように語った。

これは選挙後、大きな問題となるであろう。いや、問題にしなければならない(怒)。
永田町徒然草・“元自民党リベラル派・生き残り組”の最後の訴え。

 この総括が「選挙後」ではなく、「終戦後」にならなければいいが……。

 なにが起こったのか?
 それはそのひとつ前にアップされたコラムに記されている。

最近のマスコミの偏向には驚かないが、今日のNHKの『ニュースウオッチ9』をみて、本当に驚いた。参議院選挙に関する報道が、一切ないのだ。『ニュースウオッチ9』としては、今日が今週最後の放送である。私は長い間政治に携わってきたが、NHKのこんな堕落ぶりを見たことがない。こんな公共放送とやらに、無理やりおカネを取られる日本国民は、本当に哀れである(嗚呼)。
永田町徒然草・NHKが死んだ !!


 白川氏が嘆いたその3時間ほど前、タマタマNHKの夕方のニュース番組を見た。ただのひとつも参院選の話題がなかった。たとえ(告示以前にある)知事選の候補云々という先走った話が出たとしても、参院選の話はなにもない。これだけを見ていると、日本という国が国政選挙の真っ最中だということがウソであるかのように思える(案外、本当に選挙期間中だというのを知らないひとが少なくないかもしれん。信頼できる形で世論調査でもして、そこに「ふだんどこでニュースを知っていますか?」という項目でも設けてみたら面白いのではないか? ひょっとすると、アベ一派は、そこに自らの「成果」を実感できるかもしれないぞ)。

 しかしまさかNHKのある意味で看板報道番組である『ニュースウオッチ9』がまったく同じザマだということまでには想像が及ばなかった。キチガイ沙汰とはこういうことを指していうのではあるまいか?


 残念なことに、オレが言うところの“善良なひとびと”のなかには、その意味を理解できないムキも多々あるのかもしれない。だからこそ、あんなおそろしい政権が居座り続けているのだ。昨夜のアップで、個人的な感想として「クレージー」という言葉を使ったが、それにくわえて「ストゥーピッド」という言葉を持って悲嘆にくれたくもなってくる(本当はこういう言葉は使わないほうがいいのだが)。

 だが、逆読みをすれば、これはアベシンゾーという男の矮小ぶり、その自信のなさを体現しているとも解釈できる。ヤツ自身も怖くて仕方がないのだ。言論で勝負する知性も度胸もなく、あるのは祖父から引き継いだ権力だけ。だからせめて権力を行使して言論(正論・事実)で追い込まれることを裂けなければならない……。
 このザマによくにているのが北朝鮮の金王朝であろう。伝えられるところによれば、金日成の孫である金正恩は身の危険にさいなまれ、そのストレスから過食症に陥っているともいう。彼が襲われている“恐怖”は、信頼できるハズの側近(助言者でもあったに違いない)粛清といった形でも現れているが、昨今において、アベシンゾーとキムジョンウンとの親和性がますます際立ってきたように思えてならない。その結末が極度の“ハードランディング”かもしれないという点とともにだ。


●補足:
 アベ一派のジョンウンぶりの証言が人気キャスターから飛び出したことが、一部で話題になっている。
安倍政権下で激増するメディアへの抗議 池上彰VS原寿雄 dot.


>池上 その傾向は年々強まっています。最近までは権力を持つ側は「メディアに圧力をかけてはいけない」というのが共通認識でした。政治家も、メディアから批判されたからといって、いちいち文句を言ってくることはなかった。「権力は抑制的であるべきだ」と考えられていたからです。だから、たまに権力欲のある政治家がメディアに介入する発言をすると、大騒ぎになった。ところが、安倍政権になってからは、自民党はおもなニュース番組をすべて録画して、細かい部分まで毎日のように抗議し、訂正を求め、注文をつけてくる。すると、テレビ局は「面倒くさい」となる。対応が大変で、次第に「文句を言われない表現にしようか」となってしまうのです。
(中略)
>第1次安倍政権(06~07年)の時に、メディアへの抗議が増えたんです。ところが、安倍さんが辞めた後にパタリとなくなりました。福田政権、麻生政権、民主党政権の時は抗議が大量にくるようなことはなかった。それが第2次安倍政権(12年~)になって復活しました。

 これでわかった。アベ一派やその類似品を叩くには、このアベ政権程度の“熱意”が必要なのだ。あれだけ政権におもねってっていてなお文句を言われるというのだから、こちら側も、それこそ「重箱の隅まで」掃討する意識で臨まなければ勝利はない。ちょうどドイツがナチスを徹底的に批判しつづけている事実などは、その見本になるかもしれないが、形や正当性は大いに違えど、じつはアベ政権自身がその見本を示していたのだ(本当はそんなマネなどしては品位というものを汚すのだが・笑)。

 それにしても。アベ政権ってのはまるで、朝鮮王朝時代や日本統治期の権力者や地主、知識層らを徹底的に「これでもか!」と差別し、駆逐していった北朝鮮金王朝のごときではないか(たびたびこんなたとえに使うのも失礼か思わないでもないが)。しかし、ことアベ一派とその裾野、頂点(アベを叩けば解決する話でもない)に対してもそれぐらいの抵抗が必要なのだとも受け取れるわけだ。
6日アップの「カネの使い方の巻」が、つい本業多忙の狭間で舌足らずになってしまったので、ちょっとだけ補足しておきたい。

アベとその一派は、ようはこの額と割合とを青天井にしたいのではあるまいか? GDB比3割を超えるといわれる北朝鮮はともかくだが、戦争の当事者でもないクセに、もっともっとカネ(税金)をつぎ込みたくて仕方がないのだ。

 と記したが、これがようはカネの使い方について言いたいことなのである。
 政治とはなんぞやというところにも行き着いてしまいそうだが、ようはアベやその一派が与党にあっては、軍事費だのバクチだのに大切なカネがつぎこまれこそすれ、国民の生活や将来に直接的に関わってくる社会保障や内需拡大(「草の根的実体経済の活性化」という言い方ではどうだろう?)には金輪際向けられることが期待できないのではないのか? 政治というのは、限られたカネ(血税)をどのように配分し、国民や国家として役立てていくのかというその1点こそが大切に思うのだが、いまの自民党のオツムを占めているのは「楽して儲けりゃいい」程度のセンスであり、いわんや国民への税の還元(還付金とかそんなまやかしのことじゃないYO)などこれっぽっちも考える力が失われてしまったのであろう。言い換えれば、きちんとしたカネの使い方ができ、実務を担う官僚らの仕事ぶりを監視し評価できる政治家や政党こそが必要とされると思うのだが、おうおうにしてマスゾエみたいなのがお出ましになるように、カネを払った側も案外無頓着なのがニッポンの現状なのかもしれない。

 軍事費にせよ、(軍事関連も含まれる)重工業にせよ、その懐に流れ込んだカネが、いったいぜんたいどうなっているかは、つい先ごろの「パナマ文書」とやらで垣間見る機会を得たハズだ(気がつけば尻切れトンボの如しのニッポンマスコミであるが)。つまり、そこに入ったカネは社会に還元されることなく、単に溜め込まれるだけか、あるいはバクチという実体のない用途につぎ込まれるのが実体だ。そういうのを「死に金」というのではないかと思う。一部の妄想家が唱える「トリクルダウン」とやらなまやかしであることは、もう十二分に証明されたハズだ。

 バクチ経済関連だって一緒である。バクチにつぎ込まれた挙句にケムリのごとく消え去った年金が5兆円だか10兆円だかにのぼるとウワサされている。真の意味での投資はいい。むしろ大切だ。だが、そのじつ「投資」の看板を掲げながら実際には単なるバクチに終始し、ほとんどなにも生み出すことのないままにカネが右往左往しているのである。まるで黄泉をさまよっているかのようだ。あるいは、資本主義の「桃源郷」とはそんな世界だったのか……?
(かつてアルバニアで起きたねずみ講事件を笑い飛ばすことはできない?)

 閑話休題。
 以前の繰り返しになるが、自民党はいまや危険なイデオロギー政党そのものである。そこでタッグを組む創価公明党もほぼ同義であろう。そして肝心な経済政策は失敗した。錬金術頼みのあのくだらないアホノミクスとやらも、どうやら化けの皮がはがれた(はがれたことを理解してない層が案外広いのには仰天するほかはないが・笑)。そのうえで「カネがないない」言いながら、カネを軍事費やらバクチやらにさらつぎ込もうっていうのがアベ政権なのである。
 あくまでオレ個人の感想だが、そんなものを支持するなんて、クレージーというほかはない。イデオロギー的な合致や直接的な経済的恩恵があるというのであればいざ知らず……。


※おまけ:
 イデオロギー政党ということでは、日本共産党もそのものを貫いてきた感はあるが、少なくともここにきてその殻を破ったとみる。そのひとつは同党が呼びかけた野党共闘にも表われているが、ここにきて自衛隊を認める発言(もちろん、自国の安全保障とからめてだ。そこにはアメリカ合州国の下請けは含まれていないハズで、アベ一派と比較して極めて健全な感覚だといえる)や天皇制保持発言が飛び出すなど、保守層にも受け入れられそうな姿勢を示している点に興味を覚える。オレ自身は、自民党を右翼反動とする一方で、共産党はまごうことなき保守政党だと以前も当ブログに記したことがあるので、いまさら驚きはしないが。
前回のアップの末尾に、以下のように記した。

>いったんそうなってしまえば、元通りにするには“ハードランディング”が必要になるだろう。大英のEU離脱を撤回するよりも遥かに困難を強いられることになるのだ。

 ここでいう「そうなってしまえば」というのは、いうまでもなくアベとその一派が目論むニッポンという国家のことである。“ハードランディング”の前に「相当危険な」をつけてもよかったが、意味は違えど、先の15年戦争の敗戦はそれに通ずるところがあるかもしれない。

 さて、そういう見方をしている人は存外少ないわけでもなさそうで、つぎのネット記事に遭遇することができた。

安倍政権下での改憲はどうなる?実現すると日本にどのような影響があるのか? JIJICO?/ 2016年7月3日

 詳しくはリンク記事をお読みいただきたいが、この記事の末尾にはまさにこうあるのだ。

先日のイギリスがEU離脱を決めた国民投票のように,事の重大性があまり理解されないまま憲法改正が進み,内容がよくわからないけどとりあえず賛成,として改正がなされてしまうのは望ましくありません。
あとで「そういうつもりではなかった」と思ったとしても,取り返しがつかないかもしれないのです。(リンク記事)

 この記事は、「安倍政権が考える憲法改正の内容,特に緊急事態条項について,法律家の立場から分析を加えた」(リンク記事)ものだ。なにも“サヨク”的論評ではなく、オレの目にはかなりニュートラルな立ち位置が読み取れるが、選挙前にどうしても言っておきたかったことが明快に述べられているのでやや長くなるが引用させてもらうことにした。

弁護士として絶対に述べておきたい点をあと1点だけ指摘しておきます。
それは,自民党の改憲草案が,現在の日本国憲法とは価値観や意味合いにおいて大きく異なるものであることです。
 日本国憲法も当然の前提としている立憲主義の下では,憲法は一般の法律と違って国民から国家権力に向けて提示された約束事であり,多数決や国家権力の思惑でも制限できない「基本的人権」を定めるものです。
 一般の法律は国民が守るべきものであるのに対し,憲法は国民が政府に対して「憲法に違反する法律を作ったり政治をしてはいけない」ことを守るよう求めるものなのです。
 これに対し,自民党草案は,基本的人権を制限できる可能性を認め,国民一人ひとりの自由よりも公益や国家秩序を優先するような体裁になっています。
 また,憲法において詳細に国民の義務を定めるなど,「国家が国民に向けた『秩序を維持し義務を果たすよう求める』もの」と読めるような内容だと筆者は理解します。
 これは,先ほど述べた,憲法=国家権力を制限し基本的人権を守る,というものではなく,国家権力が国民に対して権利を認め,守るべき義務を指示するものであって,立憲主義に基づく憲法の価値観とは正反対の内容になりえるもの,なのです。(引用ここまで)

 ここで弁護士(法律の専門家)が指摘している「立憲主義に基づく憲法の価値観とは正反対の内容になりえるもの」こそが、アベ自民党の宣う「憲法」とうやらの正体であるわけだが、残念ながら「立憲主義に基づく憲法」ではないと見破られているのである。

 国家は国民のものなのか? それとも国民が国家に隷属しているのか?
 やや乱暴かもしれないが、そういう選択肢がここにはありはしないだろうか?
 隷属したければそれでも結構だが、残念ながらそういう国家は、えてして隷属させている自国民を守りはしない。あえて具体名は挙げないが、例はいくらでもあるだろう。


 さて、このアベ改憲と切っても切れない関係にあるのが現憲法第9条である。
 この条項を破壊することによって、自衛隊を軍隊に改組し、権力者にとって必要とあらばいつでも交戦できるようにしたいわけだ。抵抗勢力の多くは、まさに戦争そのものに対する危機感を煽っているが、オレ自身の見方では、アベはそんな威勢の持ち主ではないし、いわんや、9条を破棄したところで即戦争を起こそうなどとは思っていないだろう(もっとも、アベはともかく、そういう点でアブナイ政治家はいるとみるているが)。ではなにがしたいのか?

 軍事費(現在は「防衛費」と呼ばれている)の青天井化。
 
 ここにひとつの狙いがあるのではないだろうか。
 2015年の日本の軍事費は409億ドル(米ドル・以下同)。アメリカ合州国の5960億ドルには遠く及ばないが(例の「おもいやり予算」とやらはどのようにカウントされているのか?)、北朝鮮との間で戦争が終結していない(休戦中)の韓国の364億ドルを上回っている。「対GDB比」では、日本は1.0%、アメリカ合州国は3.3%、韓国は2.6%である。ちなみに中国は1.9%(2150億ドル)で、アメリカ合州国につぐ第2位。

 アベとその一派は、ようはこの額と割合とを青天井にしたいのではあるまいか? GDB比3割を超えるといわれる北朝鮮はともかくだが、戦争の当事者でもないクセに、もっともっとカネ(税金)をつぎ込みたくて仕方がないのだ。なぜか?
 おそらく、彼らにとっては、軍需産業を太らせることが経済発展に欠かせないのであり、いまひとつは宗主国であるアメリカ合州国からのお盛んなセールス攻勢もあるに違いない(同時に自国の軍需関連産業からも?)。そのためには9条なんかないほうがいいのだというのがホンネのひとつなのではあるまいか?

 とはいえ、アメリカ合州国は、それどころでなく自国がからむ戦争の下請けさせるつもりに思えるし、それを承知のうえでの改憲騒ぎである可能性も低くはなさそうだ。どちらにせよ、いいようにあしらわれる運命にあるのが善良な国民ということに違いはないわけだが、なんともナメ切られた話ではないか……。
「それにしても、1週間前の日曜日だっていうのに、参院選のことをぜんぜんやらないわねぇ。都知事選はざんざんやってたけど」
 本日、年老いたわが母堂がふともらした。テレビ報道の話である。
 そうもらしているそばでは、ダッカにおけるテロが延々と取り上げられている。

 つい先だって当ブログにリンクした弁護士・白川勝彦氏のコラムがアタマをよぎった。

>最近私は、「日本国民が可哀想だ」と思うようになってきた。選挙だというのに、主権者として正しい判断を下すために必要な情報が入ってこないのだ。政権与党とマスコミはグルになって、いま行われている参議院選挙から国民の目を逸らそうとする情報を、集中豪雨のように流している。これじゃ、自由な報道などない独裁国や選挙権がない国と同じじゃないか ─ 私には、そう思えて仕方がないのだ。

高島礼子の夫であるという高知某の覚醒剤事件など、いまこの時期に大騒ぎするほどの話題ではない筈だ。碑文谷公園の88歳女性の死体遺棄事件は誠に無残だが、これだって、限度というものがある筈だ。
永田町徒然草・北朝鮮・中国を嗤えない政治状況

 ダッカのテロに対しては怒りを禁じえないし、重大事件であることは否定しようがない(だいたいが、こんな罪もない市井のひとびとを虐殺してなんになるっていうのかと思う。同じことをアメリカ合州国は建国以前から止めたことがないが、若干の意味は違えど、ともに「卑怯」であることに違いはないだろう)。
 だが、テレビ放映を眺めていると、こうも感じてしまうのだ。

「彼らは“嬉々”としてはいまいか?」

 いささか不謹慎なのは承知のうえだが、オレにはどうも「奇禍として」という言葉が結びついてしまう(仮にこれがオレ個人の妄想でなければ、連中こそが「不謹慎」の極みになるが)。オウム真理教や白装束集団、北朝鮮、あるいは著名人への「表彰」の類……。某人気タレントのご父君云々だって根は一緒であろう。一部ゴシップ系報道には、清原~高知の先に、オオモノ芸能人が取りざたされているとささやかれているが、案外そんなのも選挙に間に合うように「懸命の努力が続けられていたりして(笑)。そんなこんなのいずれもが、これと同義に扱われているような気がするのはオレだけだろうか?。

 白川氏は、昨今のニッポン報道界のザマをさして、「北朝鮮と中国を笑いものにしている連中」を戒めた。これは、オレ自身も常日頃に思っていることとまったく同じだ。しかし、さらにつけくわえるならば、北朝鮮や中国を笑っている場合ではなく、むしろ彼ら以上に悲惨かつみっともないツラをさらしているのがわが祖国・ニッポンではあるまいか?

 なぜか?

 すでに知られているとおり、北朝鮮や中国には報道の自由が存在していない。まさに「ああはなりたくない」の見本である。日本はどうだろう? 憲法によって国民主権が守られ、報道や言論の自由が保障されている。ところが、にも関わらずの翼賛化。つまり、ハナっから自由がなく、政治参加すらマトモにできないという点で中国や北朝鮮の一般市民に罪はないといえるのに対し、ニッポンでは自らが率先して自由を放棄し、わっざわざ北朝鮮や中国のような窮屈な国に自国を仕立て上げんとしているのである。言い換えれば、ニッポンジンには罪があることになってしまう。

 ちなみにいえば、表題の「共和国」というのは「朝鮮民主主義人民共和国」のことである
 そうしたければ勝手にすればいいが、いったんそうなってしまえば、元通りにするには“ハードランディング”が必要になるだろう。大英のEU離脱を撤回するよりも遥かに困難を強いられることになるのだ。


●おまけ:
 クルマを走らせていたら、元アイドルへの投票を呼びかける自民党の選挙ポスターが目に入った。キャッチフレーズは「比例区は●●へ」。なんのかんのいっても、政権党である。なんだって堂々と「比例区は自民党へ」としないのだろう?
 どうもオレには、その元アイドルの顔写真には腐臭が漂っているように思えてならなかった。白川氏の弁を借りれば「可哀想だ」。それがたとえ自業自得であるにせよ。

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