テレビニュースでは相変わらずのインフルエンザパニックである。大阪に患者がでただの、東京でも現われただのと、トップニュースのネタはほぼこれ一色であろう。そして、きまり文句のように「落ち着いて行動を」といったありがたい「アドバイス」が添えられる。そのクセ、たとえば22日正午だったかのNHKでは、首都圏での患者発生を伝えるなかで、そのひとが発覚までに出歩いていた(らしい)経路を紹介して、視聴者の不安を煽っているのだ。何時ごろどこどこ駅でどこゆきの電車の何両目に乗り……云々。該当する視聴者がどれほどいたかどうかはわからないが、みたひとはそりゃぁ不安であろう。相手の正体がいまひとつわからず、それへの対処が混乱しているという点において。
日々派手にタレ流されるテレビニュースにしても、落ち着いて見直せばたとえ発症したとしても通常のインフルエンザと変わらないレベルの「流感」であることがわかるハズだし、それならば年中行事よろしく体験していることである。ところが、患者がひとり発覚したといっては騒ぎを煽り立て、まるで“死の病”が目の前に迫りつつあるようなモノイイで迫る。はたして、効果のほどもわからないマスクが売れに売れ、薬局などに行列ができていることが画面を通して伝えられる始末だ。しかし、これだってよくよくみれば、手洗いとうがいの励行が基本ですということになり、これならばふつうの風邪となんらかわりないではないか。ことさら煽るように伝えるメディアもメディアだが、そうして右往左往するひとびとは、はたして自分のアマタでモノを考えているのかどうか、甚だアヤシイと言わざるをえない(たとえ効果がアヤシイと思っていても、マスクでもしておきたいという気持ちはわかるけれど)。
学校の閉鎖もある。例年のインフルエンザでも、学級閉鎖はあるし、とりあえずはなにか手を打たなければということなのかもしれない。しかし、いまは流行以前の段階であり、仮に大流行が起こるとしても、その戸口に立ったか立たないかの情況ではないのか? とすれば、いつまで閉鎖をすることを見通しとして考えているのかという疑問が湧く。まさか延々と閉鎖を続けるわけにもいくまいが、しかしあまりにも手早く閉鎖が相次いでいることからすると、案外そういうつもりなのかもしれない。なぜか。きっと正しい知識をもとに自己で判断することを放棄してしまってるのであろう。そう考えると、いまの騒ぎは判断力を喪失したひとびとが、無知に無知を塗り重ねられ、闇雲にうろたえているということになりはしないだろうか。
あれこれ報道があるなか、「おそろしい」という点でひとつ興味を惹いたのはつぎの記事である。
※http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-22/2009052215_01_1.html
リンクしたのは「新型インフルでパンク状態」と題された「しんぶん赤旗」の22日配信記事だ。
これによれば、赤字を口実にした病院閉鎖(銚子市の例もこれにあたる)や病床削減を政府が進めてきた結果、今年3月末の段階で、589の感染症指定医療機関の病床数は1万0606。2006年10月時点の683感染症指定医療機関の1万3967病床と比べ、このおよそ3年半の間に3361病床を減らされているという。しかも、このほど自創政権がぶちあげて強行した15兆円の補正予算には、病床確保への予算がないというのである。
これはおそるべき事実である。新型インフルエンザが取り沙汰されるようになったのは昨日や今日の話ではない。専門分野ではかなり以前から注意されてきたし、大衆に対してもここ数年は繰り返し取り上げられてきた問題ではないか。新型インフルエンザの世界的大流行は遠からず必ず起こる。その対策を、ところが国が逆行されていたわけである。そうしておいて、マスクがどうの、空港検疫がどうのと騒ぎ立てる。あんな空港検疫などが気休めでしかないことは、少しでもオツムを働かせれば容易にわかる(まったくムダとまでは言わないが)。わが国だけが世界的大流行から逃れられるハズもなく、とすればいかに防ぐかということよりも、個々の発病や集団での流行に対して有効な対処を施せるような体制を整えるというのが、国がすべきことではないのか。それがこのていたらくとは、この国を動かす連中がいかに愚かでマヌケであるかよくわかるというものだ。
愚かな政府と愚劣なるマスメディアに踊らされた無辜のひとびと。どうも昨今の騒ぎの根っ子にはそういう病因があるような気がしてならない。
*補足:
繰り返すようだけれど、小さな子どもやお年寄り、あるいはなにかしらほかに病気を抱えているひとや妊婦などにとっては、これがたとえふつうのインフルエンザていどの症状しか起こさないとしても、十二分に気をつける必要はあろうし、本人や周囲はことさら心配であろう(ウチも例外ではない)。だが、そんなわれわれの国の政府やメディアのレベルっていうのがこのていどだということを認識すべきではないだろうか。
ひとつシロウトアタマで懸念しているのはトリイフルエンザである。現在、ワクチン製造がどのような状態なのかはわからないが、もし、いまのブタインフルエンザに目を奪われ、対策をそちらにばかりシフトしたところに、トリインフルエンザが襲いかかったらどうなるか? ましてや、いまの騒ぎが過剰であることを肌で感じてしまった直後かもしれないのだ。薬剤も病床も乏しいなかでの“強毒性インフルエンザ”の大流行。ゆえにいまなすべきことは、もっと地に足をつけた対策であり学習なのである。
で、ついでにオマケをつけると、衆院選の期日が10月20日になる可能性が(たぶん政府がメディアを使って)示唆されたが、もしインフルエンザ対策に本気で取組むつもりがあるならば、できるだけ早期に解散総選挙にうってでるべきである。遅くなればなるほど、通常のインフルエンザを含め、その流行への対処が国として困難になってゆくだろうからだ。まだ軽症のいまのうちに、来るべき体制を整えるべきであろう。こんなところにも、わが国政府のマヌケぶりが顕われているのである。
学校の閉鎖もある。例年のインフルエンザでも、学級閉鎖はあるし、とりあえずはなにか手を打たなければということなのかもしれない。しかし、いまは流行以前の段階であり、仮に大流行が起こるとしても、その戸口に立ったか立たないかの情況ではないのか? とすれば、いつまで閉鎖をすることを見通しとして考えているのかという疑問が湧く。まさか延々と閉鎖を続けるわけにもいくまいが、しかしあまりにも手早く閉鎖が相次いでいることからすると、案外そういうつもりなのかもしれない。なぜか。きっと正しい知識をもとに自己で判断することを放棄してしまってるのであろう。そう考えると、いまの騒ぎは判断力を喪失したひとびとが、無知に無知を塗り重ねられ、闇雲にうろたえているということになりはしないだろうか。
あれこれ報道があるなか、「おそろしい」という点でひとつ興味を惹いたのはつぎの記事である。
※http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-05-22/2009052215_01_1.html
リンクしたのは「新型インフルでパンク状態」と題された「しんぶん赤旗」の22日配信記事だ。
これによれば、赤字を口実にした病院閉鎖(銚子市の例もこれにあたる)や病床削減を政府が進めてきた結果、今年3月末の段階で、589の感染症指定医療機関の病床数は1万0606。2006年10月時点の683感染症指定医療機関の1万3967病床と比べ、このおよそ3年半の間に3361病床を減らされているという。しかも、このほど自創政権がぶちあげて強行した15兆円の補正予算には、病床確保への予算がないというのである。
これはおそるべき事実である。新型インフルエンザが取り沙汰されるようになったのは昨日や今日の話ではない。専門分野ではかなり以前から注意されてきたし、大衆に対してもここ数年は繰り返し取り上げられてきた問題ではないか。新型インフルエンザの世界的大流行は遠からず必ず起こる。その対策を、ところが国が逆行されていたわけである。そうしておいて、マスクがどうの、空港検疫がどうのと騒ぎ立てる。あんな空港検疫などが気休めでしかないことは、少しでもオツムを働かせれば容易にわかる(まったくムダとまでは言わないが)。わが国だけが世界的大流行から逃れられるハズもなく、とすればいかに防ぐかということよりも、個々の発病や集団での流行に対して有効な対処を施せるような体制を整えるというのが、国がすべきことではないのか。それがこのていたらくとは、この国を動かす連中がいかに愚かでマヌケであるかよくわかるというものだ。
愚かな政府と愚劣なるマスメディアに踊らされた無辜のひとびと。どうも昨今の騒ぎの根っ子にはそういう病因があるような気がしてならない。
*補足:
繰り返すようだけれど、小さな子どもやお年寄り、あるいはなにかしらほかに病気を抱えているひとや妊婦などにとっては、これがたとえふつうのインフルエンザていどの症状しか起こさないとしても、十二分に気をつける必要はあろうし、本人や周囲はことさら心配であろう(ウチも例外ではない)。だが、そんなわれわれの国の政府やメディアのレベルっていうのがこのていどだということを認識すべきではないだろうか。
ひとつシロウトアタマで懸念しているのはトリイフルエンザである。現在、ワクチン製造がどのような状態なのかはわからないが、もし、いまのブタインフルエンザに目を奪われ、対策をそちらにばかりシフトしたところに、トリインフルエンザが襲いかかったらどうなるか? ましてや、いまの騒ぎが過剰であることを肌で感じてしまった直後かもしれないのだ。薬剤も病床も乏しいなかでの“強毒性インフルエンザ”の大流行。ゆえにいまなすべきことは、もっと地に足をつけた対策であり学習なのである。
で、ついでにオマケをつけると、衆院選の期日が10月20日になる可能性が(たぶん政府がメディアを使って)示唆されたが、もしインフルエンザ対策に本気で取組むつもりがあるならば、できるだけ早期に解散総選挙にうってでるべきである。遅くなればなるほど、通常のインフルエンザを含め、その流行への対処が国として困難になってゆくだろうからだ。まだ軽症のいまのうちに、来るべき体制を整えるべきであろう。こんなところにも、わが国政府のマヌケぶりが顕われているのである。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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