2012Mar/27 どちらからの謀略か？．．．の巻。北朝鮮の“衛星”打ち上げに潜む真の狙いとは？

　北朝鮮よる“衛星”打ち上げ騒動。さまざまに推論や問題点が挙げられているなか、ひときわ怒りを覚えたのはアメリカ合州国から押し売りされたミサイル迎撃システムとやらがどこまで役に立つかわからないという“識者”だか識者もどきだかのテレビコメントであった。よくもまぁしかつめらしくそんなものをタレ流しできるもんだと思うが、今日の話はそっちの方面についてではない。

　一連の騒動。北朝鮮当局としてもアメリカ合州国からの“支援”が約束された直後でのアクションであり、そんなタイミングでわざわざ……というのが第１報をみての感想であった。アメリカ合州国を含む諸外国からの批難が挙がることは必定である。北当局の特殊な背景を考えても、あまりにも無計画かつ無謀にすぎる。
　その後の報道では、米朝会談の段階でアメリカ合州国側が動向を掴んでいたことが明らかになったが、ここには、かつて朝鮮戦争にさいしてのアメリカ合州国のやり口と重なるところがあろう。当時をして、正確に北の動きを把握していたアメリカ合州国である。それをあえて北側に開戦させたそのセンス。相手側を煽っておいて先に手を出させる。あるいは動向をキャッチしていながらあえて手を出させる。これはかつてわが国に対したそれを含むアメリカ合州国の常套戦術のひとつだが、今回もまた同様の作戦がとられた可能性もあるのではないだろうか。

　狙いは韓国の総選挙（４月11日）とその後に控えている大統領選挙（12月）である（そういえば、北当局からの発射予告は総選挙の翌日12〜16日となっている。運がいいのかわるいのか、ちょうどそのころは韓国にいるのだが……）。簡単にいえば、アメリカ合州国にとっては、与党セリヌ（元ハンナラ）党が勝たなければ困るからだ。まずは総選挙で与党勢力を確固たるものにする。それを受けて磐石な体制で大統領選に臨ませる……。
　その最大の狙いが先に発効した韓米ＦＴＡの強化であり、もっといえば経済的侵略の推進である。これはいうまでもなくわが国に突きつけられているＴＰＰにも深く関連するが、一連の侵略政策を滞りなく押し進めるためにも、韓国で政権交代あるいは与野党の拮抗はあっては困るのである。あくまで従米政権が維持させたいしそう仕向けなければならない。これがアメリカ合州国の狙いではなのか。
　その手立てのひとつとして、北朝鮮に脅しをかけさせる。ヤクザの親分が「お前ちょっと暴れてこいや」と手下に命令するのと同じ論理だが、そうしておいてそこに米軍問題をちらつかせるのである。「ほうら、韓米（日米）同盟がなきゃ困るでしょう？」というワケだ。そうなれば当然のごとく一方的な経済的要求を飲むこと迫られる。“同盟”を維持したければオタクの経済を差し出せ。しかし、北朝鮮からの挑発効果によって（一時的にせよ）右傾化させられた大衆は、そんな目論みに気づこうが気づくまいが、まんまと戦略に乗せられる結果となる。かくしてアメリカ合州国による侵略が着実に進むことになる。もとより、それ以前に買弁的な連中（どっかの腐れドジョウとか）が率先して侵略に協力しているワケではあるのだが……。

　ここでは韓国がとしたけれど、遠からず解散総選挙が取り沙汰されているわが国だって状況はまったくかわらない。
　さしあたりここに記したのはシロウトの推理ゲームにすぎないが、過去を振り返れば類似の状況はいくらでもある。北朝鮮がらみでいえば衛星やら不審船やら。そこにアメリカ合州国の暗躍があるというのは、はたしてたわごとで片づけられるだろうか。