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猫池罵詈雑言雑記帳
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 バカの集まり……。あえて「どこ・だれ」には触れないでおこう。だが、思考とは別の部分でそう感じざるをえない昨今だ。

 俳優の高岡蒼甫氏が投じたある疑問は、とうの高岡氏にとっても手がつけられない方向に発展したようだ。氏の発言については「愛情なき日本のテレビ界?の巻」で触れたが、いまでもそのとおりだと考えている。それに加えて、その後になって高岡氏自らがこの“騒動”から距離を置くに至ったのは予想どおりという言葉以上のものでも以下のものでもない。「日本の事を呟くと右だ左とかそういう話になって、今は普通の会話をしようとしてもそうはいかなくなっていってる」というブログ上での氏の発言は一連の展開を的確に言い表わしていると思うが、同時に語られた「自分は自分で頑張りますので、皆さんも各々で頑張ってください。応援しています」というコメントからは氏自身が直面したある種の絶望をかぎとることも可能であろう。あるいは誤解もあるかもしれないけれど、もういちいち相手にするのにもイヤ気がさしたというのが本音なのではあるまいか。もっとハッキリ記せば、「バカどもの低レベルな息抜きなどにつきあうつもりはない」ということかもしれない。つまりは呆れ返った挙げ句にサジを投げたのだ。

 事態はさらに進展し、なんでもフジテレビ社屋前で“「韓流やめろ」デモ”が実施されたという。それを報じるヘッドラインの類も高岡発言と関連づけ、それも高岡氏が「韓国ドラマ偏重」に対し疑問を呈していると解釈するかのような文字が並ぶ。だが、事実はけっしてそうではない。
 フジテレビ前に集まったひとびとは、ようは単に韓国ドラマや韓国に関するもろもろを快く思っていない層なのであろう。それはそれで自由というものだ。だが、あえて繰り返せば、高岡氏はけっして韓国ドラマやその放映そのものに対し苦情の類を表明してはいない。むしろ自主制作のドラマが激減し、そのゴマカシのように韓国からの輸入モノ頼になっているのはどういうワケかとマスコミに対して疑問を呈しているのではないか。したがって、主役は日本のテレビ局による自主制作ドラマの激減であり、「韓国ドラマ偏重」ではないことになる。タマタマ韓国モノだっただけの話で、テレビ局側の商売の都合によっては、中国モノだろうがインドモノだろうがアメリカモノだろうがなんでもよかったのだ。よほど日本語(母語)が覚束ないのでないかぎり、そんなものは高岡氏の発言を読めば明らかではないか。
 ところがあの展開。むろん“デモ”にまで打って出たのはわずかな割合であろうけれど、ネット上では相変わらず“ネット痴漢”らによる無責任かつ乱暴な落書き(もちろん例外はある)が跋扈する有様だ。肝心のモトの発言の意味さえ理解できない連中の遠ぼえといおうかじつは単なるガス抜きの類。そんなのにくらべれば「皆さんも各々で頑張ってください」という高岡氏からの“エール”は十二分におとなの発言である。

 断っておくが、韓国ドラマや韓国が好きだろうが嫌いだろうが、そんなものは個人の自由である。それに、あくまでエンタテイメントである以上は、特定のテレビ局がなにを放映しようが勝手というものであろう(報道やノンフィクションといった事実に基づく番組はまた別問題だが、ここではそこまで触れない)。おそらく槍玉に挙げられた(?)フジテレビとしては、単に安価な投資で数字が取れるといった類の事情から韓国ドラマの放映に力を入れているにすぎないと思うが、これは同時にオレがあまり快く思っていない「なにかといえば警察モノ」という現象にも通ずる。あるいは中身スッカスカの「バラエティ番組」のオンパレード。二足三文の横並び。だが、突き放してしまえば、気に入らなければテレビをつけなければいいだけの話ではないか(オレ自身は実際にそうしている。また、BSのコマーシャルがうるさくて叶わないので、よほどみたいドラマの類があればDVDを入手するようにしている。フトコロにはよくないが……。ただ、公共放送であるNHKに対しては必ずしも「みなければいい」とは言い切れない面もあるので念のため)。そうやって実際に数字が落ちれば、テレビ局側だって考え直さざるを得ないからだ。しかし、そうしたテレビ局側の安易ともとれる施策が、同時に自らの制作・発信能力を失わせているという見方もできよう。高岡発言はまさにそうした点についての言及だったのではないのか。

 さて、テレビ云々についてはいずれまた触れたい。閑話休題ではないが、“バカ”の意味について触れておこう。< BR>
「日本の警察、「原発やめろデモ」は3人逮捕、「朝鮮人は半島に帰れ」無届デモは静観」


 J-CASTニュースは7日19時42分、「お台場騒然、『韓流やめろ』コール フジ批判デモに子供含め500人」という見出しでこのニュースを報じた。の集会とデモは無届けだったが、警察は静観。前日、3人を逮捕した「原発いらないデモ」とはまったく違う対応をした。(日刊ベリタ編集部)
──リンク記事

 リンク記事によれば、件のフジテレビ前での騒ぎについては冷めた反応もかなりあるようだ。韓国嫌いは結構だが、「半島に帰れ」などと騒ぐことに対しては、「アンタたちが嫌いな一部韓国人が、たとえば竹島問題などでわが国を誹謗するのと大差ありませんなぁ……」ととりあえず言っておこう。しかしここでの問題はそんなことではなく、そうした無届けデモ、それも国籍・民族差別を含む騒乱が放置された一方で、届け出など所定の手続きを踏んだうえで、いままさに自国における大きな懸案についてのデモが国家権力によって弾圧されたという事実である。じつはこれこそがお台場で騒いでいたひとびとを含め危険視しなければならない自国の実態なのだが、ああしたハネ返りの類にそれを説いてもムダということかもしれない。

 そんなくだらない騒ぎのなか、民主党政権が公約を無視して消費税倍増政策に打って出ている。カネをため込んだ一部大企業(財界)には目をつぶり、庶民にのみ負担を強いるという逆行政策なのだが、意外なほどにこの暴虐についての世論は静かなものだ。あるいは自民党政権下でさえ保留されてきた米の先物取引上場(「主食を投機に投げ込む 米の「先物取引」は中止を」)。さらにいえば、一部メディアや庶民が菅政権叩きに溜飲を下げているのはいいとして(?)、たとえばコイズミスネオだの中曽根親子だのといった原発推進権力者に対する批判、あるいはテメェらが支持したことに対する反省の類がほとんどみえてこないという現状。「自分の敵が 誰だかわかってない アホな奴らが」(藤本卓也「相棒Part5 それにしても」)とはこのことだ。
 そこに根ざすのは流行やムードに左右されるままの大衆といった構図かもしれないが、どうせ騒ぐならそうした自分たちの生活や将来に関わることに目を向けてみろよといいたい。それをひとりの役者からの発言に乗じて放言を楽しむなど、まさに愚の骨頂。そういうのを卑怯ものともいわないだろうか?

■おまけ:
   ここからは蛇足だが。コイズミスネオのような政治家や経団連を牛耳っているような一部財界人などからみれば、そうした大衆はまさに「アホ」であり、これほど扱いやすい“家畜”もいないということかもしれない。言い換えれば、かつて竹中平蔵大センセがのたまったようにほどほどのシアワセを身分相応に与えてやればそれで十分といった類なのであろうなぁ……。もとよりタチの悪いたとえだとは承知しているけれど、かくいうオレを含めて「アホ」に甘んじていていいのかと思うワケだ。  
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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