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猫池罵詈雑言雑記帳
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 俳優・高岡蒼甫氏が韓国ドラマだらけの日本のテレビ局について疑問を呈し、ネット上を中心に話題を呼んでいるようだ。

「正直、お世話になった事も多々あるけど8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしばしば。しーばしーば。うちら日本人は日本の伝統番組求めてますけど。 取り合えず韓国ネタ出て来たら消してます^^ ぐっばい」
──高岡氏Twitter


 個人的にはTwitterには手を染めていない(というかじつは興味がない)ので、上の引用はいくつかのネット記事からものもである。この発言がファンや“にわかファン”、ネット痴漢(オレの造語)らからのフォローのコメントが殺到、さらに疑問相手のテレビ局らにも波及し、その後になって氏が所属事務所との契約解除(自主的かどうかは不明)が伝えられている。さきに、原発について疑問を呈した俳優が類似の状況になっているという話もあり、いかに半ば公人とはいえ、芸能界というムラ社会の閉鎖性をあらためて目の当たりにする思いがしないでもない(信条にかみつくパワーハラスメントという図式は、学校における「君が代」問題にも通ずるものがある)。

 さて、この高岡氏の発言にあるもの、じつはオレの考えにも近しい部分があるようだ。オレのことでいえば韓国にはさまざまな意味で興味があるし、韓国ドラマや映画もそれなりに楽しんでいる。その延長線上で仕事にもなっているわけだが、一部テレビ局がなにかといえば韓国ドラマだらけという現象には、おそらくは高岡氏と似た目線でかつてより疑問を抱いてきたからだ。

 ここでの疑問は、韓国ドラマそのものにではなく日本のテレビ局に対するものである。すなわち、自主制作ドラマの衰退。あったとしても、なにかといえば刑事モノなどサスペンスばかり。もちろんなかにはいいなと思えるものもあって、たとえば「相棒」や渡瀬恒彦主演の西村京太郎サスペンスあたりはときどき楽しんでいるけれど、それにしたってあまりにも右向け右で乱造しすぎなのではあるまいか? その傍らでわずかながらそれ以外のドラマがかろうじてつくられては消えてゆくという現状(それも演技と呼べるシロモノでないタレントが主演だったりすれば、とうていみようって気も起きないよ……)。そして新聞のテレビ欄を席巻する二足三文のバカおっと、“バラエティ番組”の類。
 自分自身が驚いたこととして、地上波とBSがある1日に放映した韓国ドラマを数えてみたところ、その数が15本を越えたということがある。その一方で、ある地上波チャンネルでは週の数日にわたって本放映の日本ドラマがただの1本もなかったのだ(念のため、高岡氏が挙げたチャンネルとは異なる)。つまりは“バラエティ”ばっか。そこではニュース番組すら“バラエティ”化してしまっている。そして、わずかな本放映ドラマにはパトカーのサイレンが鳴り響き、おそらくはなんら現場取材もしていないいい加減な警察シーンが花盛りなのである(役者や演出家、脚本家などが、そうした環境のなかきちんと育つのだろうかという気もする。とある御大的脚本家は、後進が「さっぱり育っていない」と個人的に断言したものだが)。そんなだから、ただでさえみないテレビから余計に距離を置くことになってしまう。それとも、日本人ってのはよほどのドラマ嫌いなのだろうか。韓国ではテレビドラマが大いに好まれているという話だが。

 韓国ドラマそのものについていえば、いいものもあればハッキリ言って駄作の類だってある。あるいは日韓のセンスの違いから、日本の視聴者にどこまで受け入れられるかわからないような作品だって見受けられる。たとえば、あくまで個人的な所感になるけれど、スタジオ内に設えられた豪華な居間セットの団欒シーンばかりが延々と続くような作品(インドアドラマと勝手に呼んでいる)などは、役者にたいした動きや演技が要求されているとも思えず退屈な画面ばかりだったりで、「コレのいったいどこがテレビドラマとして面白いのか?」ぐらいに思うこともある。が、あるとき韓国の都市間長距離バスに乗っていたら、それまで携帯電話をいじくっていたオッサンが、そのテのドラマがはじまるや真剣な顔つきで運転席横の画面に見入っていたりして、みるひとにとってはやはり面白いんだろうなぁと思ったものだったが……。

 しかし、ドロンドロンのメロドラマにせよ、軽い感覚の恋愛ドラマにせよ、あるいは大河系時代劇にせよ、そうしたジャンルのテレビドラマがみたいからといって、肝心要の日本のテレビ局が作品をほとんどつくっていないのだからなにをかいわんやではあるまいか。ときおり力の入ったドラマがつくられることもあるにせよ、全体的な割合からみたらほとんどアリバイ的ですらある。そしてサスペンスオンパレード(内田康夫とか太田蘭三の推理小説は大好きだけどさ・笑)。しかし、日々殺人場面をみるよりは、ラブラブシーンでも楽しんでいるほうが、人間よほど温かくなれるというものだ。もううんざりである。
 もとより、おまわりドラマ以外の作品をみたいという欲求はまったくのスタンダードであり、その受け手がもはや韓国ドラマばかりになってしまったというのがわが国の現状なのではないか。それが積もり重なって、資本側としては安易にどんどん韓国モノを買い漁る(*補足)こととなり、それにともなって現場の体力が失われてゆく。そうした流れのなか、たとえば本格的メロドラマを新たにつくろうと発奮したとしても、できあがるものは韓国ドラマの亜流になってしまうかもしれない。そうした現状を憂えているのが、件の役者からの発言だったのではないかと思うのだ。

■補足
 韓国芸能がドラマや音楽などで人気を呼んでいるそものものは、けっして悪くないことだと考えている。こうした庶民的カルチャーを通じて、もっともっと両国の親交が深まればいいとも思う。だが、注目の度合いが高まるとともに、ある種の“力”を持つ資本が流入しているようにも窺え、その点が気になりはじめている。

「韓流ブームというのは本当なのですか?」
 つい最近、ある知人からそんなことを訊ねられた。どうやら、本当はブームでもなんでもないごくかぎられた人気が誇張されているのではないかと考えているようであった。それに対しては、「本当だ」と応えざるをえない。たしかに大嫌いというひともいれば、なんら関係なく日常をすごしているひとだって多いハズだが、それをいえば人気絶頂のAKBなんとかなんて、オレは興味もなければほとんどなにもしらないからねぇ(笑・あの“総選挙”という発想やバーチャルメンバー騒動などは大いに面白いと思ったが、ようはそれぐらい)。

 だが、そんななかで、たしかに誇張ではないのかという動きが窺えてきたのも素朴な感想で、ヘタをすると韓国芸能界とわが国の芸能界の“よくない部分”が主流と化してゆくのではないかとの危惧を抱くようにもなってきた。

 差し障りがあるので実名は控えさせていただくが、あくまで個人的な所感としてその人気に疑問を抱いている韓国人人気タレントがいる。いちおうキャリアのある役者だが、演技は並。容姿の好みはひとそれぞれとして、オーラの類がほとんど感じられない。それがこんどは歌を売り出すという報道に踵を接してその役者が歌っている歌を聞いたら、あまりのヘタクソぶりに卒倒しそうになってしまった。なんつうか、いかにもテキトーに歌を片づけてそのまま飲みに行っちゃったというような歌いっぷりなのだ。決めつけては悪いけれど、おおよそいちんとした訓練を受けた歌い手には思えない。
 この歌の件でいえば、その道のプロを含む複数の友人・知人が「そう思う」と応え、演技についても同様の感想を持っているのをあとで知った(反面、「歌、うまいですよ! それに生っ粋のエンタテイナーだと思いましたねっ!」と絶賛した知人=男性がいたことも証言しておく)。もとより、うまいヘタという感想はあくまで主観を含むのでそれぞれではあるけれど、その売り出し方をみるにつけ、ヘタをすると日本の“ジャリタレ”と同じ道を歩まされるかもしれないと心配ではある。本人の役者人生しかり、つくられるドラマしかり……。そしてやがてアゲゾコのオンパレード……。そこで暗躍するカネと力。こんなのはまぁ、ついでの話ではありますが。
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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