忍者ブログ
| Admin | Write | Comment |
猫池罵詈雑言雑記帳
2024/04. 10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30 
[91]  [90]  [89]  [88]  [87]  [86]  [84]  [83]  [82]  [81]  [80
 ちょうど世論調査の結果が報じられたのでその件について触れようと思ったが、こちらは明日以降に回し、佐世保で起きた銃乱射殺人事件について所感を記してみたい。

 まず、こんなことを書くと誤解を受けかねないけれど、この種の事件に関してさほどの興味はない。とんでもない事件だし、犠牲者や遺族、あるいは双方の周辺にいるひとびとのことを慮るとなんともやるせない気分にはなってくるとはいえ、テレビやら新聞やらでしかつめらしく報じられているニュースの類をそのためにみようとは思わないのである。銃規制を含む背後にある問題については関心を持っているが、これは現段階でのそのテの報道をみてもどうしようもないことだからなおさらだ。


 しかし、報道ということにさいして別の意味で興味……というか“義憤”を覚えずにはいられなかった。
 この報に最初に接したのはネットニュース上だった。たしかYahoo!JAPAN上でのヘッドラインからだったのではないかと思うが、ヨミウリや共同は避け、最初に「毎日新聞」の配信に目をとおした。事件当夜の夜半前だったこともあってほんの概要が報じられているだけで、ほかも大差はなかったハズである。ところが、殺害された女性が「外国人との間でトラブルを抱えていたようだ」といったくだりにひっかかりを覚えた。もちろん、その時点ではなにがなんだかわかりようのない状況ではあったけれど、素直に読めば、実際にそういうことがあり、あるいは警察がその方向で容疑者にあたっているのではないかと思っても不思議ではない。だが、実際は外国人でもなんでもない日本人の犯行であることが翌日には明らかになった。あるいは毎日が配信したような事実があったのかもしれないが、それにしたってあれはいったいなにを伝えたかったのだろうか。

 一方、オレは知らなかったのだが、ジャーナリスト崩れのニュース系タレント=鳥越俊太郎氏がテレビのニュースショウで「米兵が機関銃で乱射したというケースもあり得る」と宣っていたらしい(テレビ朝日系「報道ステーション」「佐世保市銃乱射事件に想う」・白川勝彦氏サイト参照)。これはどういうことか? まだなんら明らかになっていない状況であったハズのなか、スタジオにいてなんらかの確証でもあっての発言だったのだろうか。そうではあるまい。口からでまかせの井戸端会議的ヨタ話の類であり、そんなものを放送に乗せてしまったというところではなかったのか? 

「東京新聞」のコラム「週刊誌を読む」は、12月17日づけで「遺族傷つける過熱報道」と題して、マスメディアによる“集団的過熱取材”について疑問を呈している。
 一例として取り上げているのは香川で起きた一家3人殺害事件だ。各メディアは思い込み的おっかけといってもいい先入観満載の報道合戦を展開していたらしいが(例によって、オレはそんな報道もどきには興味がないし時間のムダなのでほとんど目にしていない)、なかには遺族を半ば容疑者扱いするような発言や実況中継の類が多々あったという。多勢に無勢。メディアによる集団暴力事件である。えん罪発生の背景にはこういう連中も手を貸しているといえるだろう。
 このブログをはじめる以前、別館の「つれなのふりや」上でドン.キホーテで起きた放火事件について触れたことがある(「ドン・キホーテ放火殺人事件に思う」)。この事件では当初から容疑者とされてきた人物による犯行であったが、メディアによる報道合戦の過熱ぶりは同じである。ドン.キホーテの件では「松本サリン事件」などにも触れたが、ようはまったく進歩がないのであった。

 事実はいずれ明らかにされるだろう。しかし、一旦でもえん罪の罠にかけられた犠牲者にとって、そのダメージは図り知れないものがあるのではないか。それが司法によるものにせよ、メディアによるものにせよだ。同じていどの熱心さがあれば、もっと報道すべきことも追求できるだろうに。

「近代麻雀」(竹書房)の連載マンガ「むこうぶち」(天獅子悦也)07年4月15日号の回では、健康番組のやらせ事件をもじり、でっちあげのブームを使ってひと儲けを企んできた連中を“やられ役”にしていた。悪役の筆頭はブームで株を売り抜けている株屋である。その株屋がコンテンパンにやられた場面で、トップ屋が取材にやってくる。
 その場面のやりとり……。

株屋「(略)なんだキミは! 正義の味方づらする気か!」
トップ屋「正義の味方はしませんが大衆の味方でしてねえ。大衆には善か悪かは関係ない!(中略)私だってアンタと同類のブームの仕掛け屋だ。大衆をどう煽れば儲けになるかはよく知っている」

 まっ、これはマンガのなかのつくり話ではあるけれど、一連の“報道”の姿勢を窺っていると、現実との間は五十歩百歩のようでもある。もっとも大衆の味方かどうかは疑問ですがね。

PR
  • カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
  • プロフィール
HN:
猫池
HP:
性別:
男性
職業:
レジャーライター
自己紹介:
 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
 なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
  • リンクと姉妹サイト(BBS)ほか
  • ブログ内検索
  • バーコード
  • アクセス解析
Copyright © Blog a_Tocsin All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog
Graphics By R-C free web graphics  Template by Kaie
忍者ブログ [PR]