2007Dec/28 報道もどき、娯楽もどき．．．の巻。杉村公認問題などどうでもいいジャンクネタである

　なにしろテレビをほとんどみないので、新聞のテレビ欄にもあまり用事がなく、たいていは「さーっ」と目を走らせておしまいである。だが、ときどきそれなりに目を通すこともあって、興味を惹く番組をみつけることもあるけれど、まぁどうでもいいやということのほうが多い。
　昨夜、なにげにそんなテレビ欄に目を這わせてみたらこんなのがあった（どれでも同じだとは思うが、「東京新聞」12月27日朝刊から引用する）。

「ニュースリアルタイム　どうなく杉村太蔵氏…揺れる北海道出馬問題」（日本テレビ16時53分〜）
「ニュース　Ｊチャンネル　どうなる杉村太蔵議員“公認”問題で急展開」（テレビ朝日16時53分〜）
　…………………。

　まぁ、時間帯からいってワイドショウの類の延長なのだろうが、よくもまぁ、こんなくだらないことをニュース番組の見出しにするにゃぁと思ってアタマがクラクラしてしまった。ホントにこの国のテレビニュースってのはバッカバカしいのが多いですにゃ。

　杉村氏といえば、このテのメディアが“小泉チルドレン”などという宣伝惹句をつけてやった新人議員のひとりだが、どうやらつぎの選挙で自民党の公認がとれない模様らしい。任期中にあって、いったいぜんたいどのような功績を挙げたのかも不明（一部報道では国会でほとんど発言していないという実績が伝えられている）な１年生議員の公認問題など、ハッキリいえばとうの本人とその直近以外にはどうでもいいジャンクネタであろう。そんなものを、いやしくも“ニュース番組”の見出しにもってくるセンスとは、よほどオツムがどうかしているとしか思えない。

　杉村氏なんてのは、ようはあのコイズミスネオに騙されたのか単に自分で舞い上がっただけなのかはとにかくとして、単なる数合わせのために担ぎ上げられたはいいけれど、ひとたび情勢が変わるや“不要品”のごとく棄てられ……というか梯子を外されるだけの存在にすぎないのではないか？　まぁ、つぎで落選することを見越して、あるいはタレントとして売り出すための布石かもしれないけれど、そんなものに“報道”の時間を割いた裏で日の目をみないままになった情報はどれだけあるのだろう。そのなかにはこんなことの何万倍も重要な案件だってあったかもしれないのだ。

　似たような例は大阪府知事選挙にもみられる。タレント弁護士の出馬は本人の勝手ではあるが、そのタレントの発言やら動きやらをこぞって報じる一方で、その公約すらきちんと伝えられない候補者あるいは政党がある。そんな風潮はいまにはじまったことではないが、いくらかは疑問を抱いてもいいのではないだろうか。
　もっとも、きわめつけにくだらない内容だとはいえ、「そんなもん放送すんな！」とオレが言ってしまえばマンガにもならない矛盾発言になってしまうので、受け手側としてはそういうのを避けるようにして自分がみたい番組なりを選ぶしかない（もちろん感心させられる番組だっていくかでもある）。が、放送法では番組編集にあたって報道番組を組むことを義務づけられているが、報道番組の皮を被った娯楽番組、それも下劣な部類のエンタテイメントもどきに御執心な実態をみるにつけ、いっそのことそんなきまりなど撤廃するほうがなんぼかマシなのではないかとすら思ってしまうのであった。


＊補足：
　とはいえ、この杉村ネタについて、切り口によってはもちろんニュース性がないとはいわない。コイズミスネオの愚劣さを再検証するひとつの話題にはなろう。きわめて瑣末ながら。