各社による世論調査が発表された。それによれば、福田内閣の支持率は軒並み急落状況にあるようだ。たとえば、共同通信社が実施した電話世論調査(15・16日)で、福田内閣の支持率が前回調査に比べて11・7ポイント下落(35・3%)、不支持率は11ポイントアップの47・6%だったという。
「なんだ、この期に及んで3分の1強もの“支持回答”があるのか」と毎度の毎度の感想を抱かされなくもないが、不支持回答が半数近くにのぼったことは評価してもよさそうだ。もっとも、「支持する」と答えたなかでなんらかの期待をもって理由に挙げたのはほぼ半数(支持35・3%中50・5%)にすぎず、「ほかに適当な人がいない」という毎度のことながらの減点法の評価が大勢を占めている(46・6%)のだからすでに死に体にあるという見方ができるだろう。
「なんだ、この期に及んで3分の1強もの“支持回答”があるのか」と毎度の毎度の感想を抱かされなくもないが、不支持回答が半数近くにのぼったことは評価してもよさそうだ。もっとも、「支持する」と答えたなかでなんらかの期待をもって理由に挙げたのはほぼ半数(支持35・3%中50・5%)にすぎず、「ほかに適当な人がいない」という毎度のことながらの減点法の評価が大勢を占めている(46・6%)のだからすでに死に体にあるという見方ができるだろう。
調査項目は12点。このうち、件の年金問題については「公約違反に当らない」という福田首相のコメントについての回答を求めており、57・6%が「公約違反に当たる」と答えている(「当たらない」は34・3%)。少ない……。しかし、これはコトを公約違反云々に置き換えたがゆえの数字であり、仮に不備・失政の放置そのものに対する問いであった場合どうなっただろうか。おそらく政権に対する批判的回答がかなりの割合に昇るのではないかと思うのだが。
テロ特措法関連の設問は3点あった。ひとつは法案そのものに対する賛否で、これは賛成38・8%に対して反対が46・7%を示している。ところが、参院で否決されたさいに件の3分の2条項をもって衆院での再議決による成立について問うと賛成が41・2%(反対43・6%)にものぼってしまうのだ。そして、「成立させるべきではない」と答えたその理由を挙げさせているが、「給油活動」そのものを不要と答えたのは36・8%にすぎず、参院の否決を尊重すべしという考えとほぼ同数に留まっている(35・1%。「再議決の手続きは使わない方がよいから」という選択肢もあって、これにも19・6%の回答があったという)。
こうした回答をみて疑問に感じるのは、それぞれ反対にせよ賛成にせよ、案件そのものに対する理解度はどうなのだろうかということだ。年金問題について、オレは公約違反にあたると考えているが、しかしこの設問ではその点でしか内閣への評価を回答できず不十分だし、回答者の年金問題そのものに対する考えがハッキリとはみえてこないのである。果たして、どれだけのひとがこの問題の愚かしさを自分自身にふりかかっていることとして理解しているのだろうか。前回にも触れたとおり公約違反云々だけに収斂すべきではなく、重要案件の投げ捨てそのものに対する考えを問うべきであろう。
一方、テロ特措法では賛否についていくらか動向が窺えてくるものの、これが仮に法の施行に関してどれだけの税金が使われたのかがあからさまにされたとしたらどのように影響するのだろうかと思う。むろん、この問題の根幹はそんなところではないが、その賛否に関わらず細かに理由を知りたいところだ。
現政権がなぜここまで海外派兵に固執しているのか? 逆にそれを阻止することの理由と意味はなんなのか? そして、そうしたことは日ごろからきちんと報道されてきているのか? なんとなくだが、そこに根無し草的な動向を予測せずにはいられないのである。
世論調査にはいつもあれこれ考えさせられるものだが、その読み取り方にも悩ましい部分がある。
*おまけ:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071216-00000044-mai-pol
リンク記事は「毎日新聞」の配信で、海上自衛隊が海上配備型迎撃ミサイル(SM3)による初の迎撃実験に臨むというものである。実験は実施され、その模様が昼間のNHKニュースで映像つきで流されていた。アクション映画さながらの“迫力映像”であったが、これはもちろんフィクションではない。しかし、そこにはなんら批判的視点はなく、単に「自衛隊がこういう実験をしました」という追認があるだけであった。アメリカ合州国側の都合にすぎない戦争訓練をだ。膨大な税金を投入して。
戦争訓練映像は今回だけではない。一連の防衛省疑獄報道にさいしても、なにやらSFチックな放射爆撃訓練の模様を流していた。映像だけをみれば、この国が戦時下にあるかのようであった。そうした放映が増えているような気がするのはオレだけだろうか?
これらの映像をみた側が、事実は事実としてどのように解釈したのかはわからないし、現に自衛隊で行なわれている訓練の実態をみることの意味はある。だが、どうにもイヤ〜な気分がしたのも事実だ。すなわち、これは馴らしではないのか? わが国に現実に配備されている兵器の威力をテレビに映し出し、その現状を自然と追認させる。かくのごとく軍事力を持つのが実態なのだから、現憲法との間に起こされた矛盾について、それを現状にあわせるのが自然だというふうにすべく世論誘導ではないのか。今日のニュースでは、いちおうは、それにあわせるようにしてアナウンサーが憲法解釈云々について書かれた原稿を読み上げていたけれど、なんとこれが実戦に使われることを想定してのことであった。すなわち、そうした最新兵器を持つことそのものに対しては問題なしとしているのである。憲法云々に触れたことそれすらが単なるアリバイづくりであろうが、そんな報道姿勢からも世論誘導のニオイがプンプン漂ってくる。
テロ特措法関連の設問は3点あった。ひとつは法案そのものに対する賛否で、これは賛成38・8%に対して反対が46・7%を示している。ところが、参院で否決されたさいに件の3分の2条項をもって衆院での再議決による成立について問うと賛成が41・2%(反対43・6%)にものぼってしまうのだ。そして、「成立させるべきではない」と答えたその理由を挙げさせているが、「給油活動」そのものを不要と答えたのは36・8%にすぎず、参院の否決を尊重すべしという考えとほぼ同数に留まっている(35・1%。「再議決の手続きは使わない方がよいから」という選択肢もあって、これにも19・6%の回答があったという)。
こうした回答をみて疑問に感じるのは、それぞれ反対にせよ賛成にせよ、案件そのものに対する理解度はどうなのだろうかということだ。年金問題について、オレは公約違反にあたると考えているが、しかしこの設問ではその点でしか内閣への評価を回答できず不十分だし、回答者の年金問題そのものに対する考えがハッキリとはみえてこないのである。果たして、どれだけのひとがこの問題の愚かしさを自分自身にふりかかっていることとして理解しているのだろうか。前回にも触れたとおり公約違反云々だけに収斂すべきではなく、重要案件の投げ捨てそのものに対する考えを問うべきであろう。
一方、テロ特措法では賛否についていくらか動向が窺えてくるものの、これが仮に法の施行に関してどれだけの税金が使われたのかがあからさまにされたとしたらどのように影響するのだろうかと思う。むろん、この問題の根幹はそんなところではないが、その賛否に関わらず細かに理由を知りたいところだ。
現政権がなぜここまで海外派兵に固執しているのか? 逆にそれを阻止することの理由と意味はなんなのか? そして、そうしたことは日ごろからきちんと報道されてきているのか? なんとなくだが、そこに根無し草的な動向を予測せずにはいられないのである。
世論調査にはいつもあれこれ考えさせられるものだが、その読み取り方にも悩ましい部分がある。
*おまけ:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071216-00000044-mai-pol
リンク記事は「毎日新聞」の配信で、海上自衛隊が海上配備型迎撃ミサイル(SM3)による初の迎撃実験に臨むというものである。実験は実施され、その模様が昼間のNHKニュースで映像つきで流されていた。アクション映画さながらの“迫力映像”であったが、これはもちろんフィクションではない。しかし、そこにはなんら批判的視点はなく、単に「自衛隊がこういう実験をしました」という追認があるだけであった。アメリカ合州国側の都合にすぎない戦争訓練をだ。膨大な税金を投入して。
戦争訓練映像は今回だけではない。一連の防衛省疑獄報道にさいしても、なにやらSFチックな放射爆撃訓練の模様を流していた。映像だけをみれば、この国が戦時下にあるかのようであった。そうした放映が増えているような気がするのはオレだけだろうか?
これらの映像をみた側が、事実は事実としてどのように解釈したのかはわからないし、現に自衛隊で行なわれている訓練の実態をみることの意味はある。だが、どうにもイヤ〜な気分がしたのも事実だ。すなわち、これは馴らしではないのか? わが国に現実に配備されている兵器の威力をテレビに映し出し、その現状を自然と追認させる。かくのごとく軍事力を持つのが実態なのだから、現憲法との間に起こされた矛盾について、それを現状にあわせるのが自然だというふうにすべく世論誘導ではないのか。今日のニュースでは、いちおうは、それにあわせるようにしてアナウンサーが憲法解釈云々について書かれた原稿を読み上げていたけれど、なんとこれが実戦に使われることを想定してのことであった。すなわち、そうした最新兵器を持つことそのものに対しては問題なしとしているのである。憲法云々に触れたことそれすらが単なるアリバイづくりであろうが、そんな報道姿勢からも世論誘導のニオイがプンプン漂ってくる。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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