11月7日、サッカーアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝を観戦(東京・国立競技場)。アルイテハド(サウジアラビア)と浦項スティーラーズ(韓国)との対戦である。
じつは、6月の渡韓時にたまたまテレビで浦項の試合をみて、その攻撃的サッカーにすっかり魅せられてしまい、ぜひじっくりと観戦してみたいと思っていたところに日本での試合、それもアジアクラブのトップを決するという大一番に巡り会ったのである。試合は両者ともに拮抗した実力をみせ、0ー0のまま後半に突入、浦項が得意とする力の攻めを巧みに阻まれる展開となったものの、後半12分に盧炳俊の直接FKで先制。21分には金亨鎰のヘディングシュートで追加点を挙げるなど、2ー1で初の栄冠を掴んだ。
さて、試合そのものは十二分に楽しめたサッカー観戦であったが、会場演出のひどさには眉を潜めざるをえなかった。まず両チーム紹介などを記したプログラム(チラシ)の配布がない。大会パンフレットの販売はあったが、なぜないのだろう。また、薄暗いコンコースが寂しい。歩いてゆくと、ときおりポツポツと飲食物の販売ブースがあるが、全体に閑散とした印象があった。浦項の決勝への道のりを紹介した展示コーナーも真っ暗。唯一の救い(?)は、浦項市が地元の紹介ブースを設けていたことだろうか。
なんとも盛り上げに乏しい会場だったが、もっともしょうもなかったのがアナウンスである。ほとんどマトモに聞こえない。Jリーグなど試合で流される芝居がかったアナウンスは、じつはけっこう好きだったりするのだが、そんな気分的な盛り上がりとも無縁で、はたしてこれが同じ日本での試合、それもアジアの頂点を決める大イベントなのだろうかとクビをかしげてしまったものだ。しかも、不思議なことにまず英語でアナウンスされ、続いて日本語で流されるのである。それでおしまい。対戦チームの母語であるアラビア語や韓国語はなく、しかも日本での試合で観客の大半は日本語を解するひとびと(在日韓国人を含む)なのにも関わらず主役が英語であり、続く日本語アナウンスはその“訳”を申し訳ていどに流すかのごとしなのであった。
バカか!?
悪いけれど、本気でそう思わざるをえなかった。ACLと謳われるとおり、これはアジアの大会である。アジアの国と地域のいったいどこに英語を母語とするところがあるのか(どういうわけかオーストラリアがアジアに位置づけられるなどサッカー独自の区分けはあるが、言う間でもなくオーストラリアはアジアではありはしない)。つまり、アジアの頂点を争う大会の主要なアナウンスが大会および参加チームとはまったく関係のない言語でなされているということではないか。
なるほど。あるていどの無理をして“共通語”の類を選ぶとすれば、日本語よりは英語のほうがふさわしいかもしれない。アラビア語や韓国語だけでも同様だ。したがって、これがワールドカップのような世界大会であれば英語のアナウンスだって納得できる。だが、それでもおかしいのである。なぜ決勝戦の主役である両チームの母国の言語であるアラビア語と韓国語がないのか。ごくごく常識的な目でみれば、まず会場国の言語である日本語があって、(便宜上ホームチームとされた)アラビア語があり、韓国語があるべきだ。どうしても“共通語”と錯覚されている英語が欲しいのであれば、そのつぎの4番目が適当というものであろう。理解不能の極みであった。かつ、あんなボソボソとした音響(席にもよったかもしれないが、日本語でさえ十分に聞き取れなかった)である。かつて、川淵三郎(日本サッカー協会名誉会長)はJEF市原・千葉(当時)の試合を元のホーム会場であった市原で観戦したさいに会場のお粗末ぶりにふれ、「カネを払ってみるスタジアムではない」といった旨の発言をしていたが、お粗末の種類こそ違え、カネをとってみせる演出ではないとしみじみ思ったものだ(*補足1)。
その川淵氏。試合後に「日本で決勝をやったから(観客が)2万5千人も入ったわけで、第3国(同士?)の決勝は日本以外(の開催)では難しい。日本ばかりというのも問題だが、観客動員が難しい国ではやりたくない」と宣ったそうな。ファンとしては地元で開催してくれるのはうれしいけれど、相変わらずの傲慢ぶりを発揮してますな(*補足2)。高飛車なことを抜かす前に、もっと国際的センスを見直すべきではないかと思うが、そうしたセンスがあんな演出しかつくりえなかったんだろうなァ……。
試合そのものには満足できただけに残念である。
*補足1:
スポンサーの関係か、自動車メーカーの踊り子がハーフタイムになにやら演じていた。とうの彼女たちには悪いけれど、試合や観客にとってどういうメリットのある出しものなのかがさっぱり伝わってこなかった。商売としての意味は理解できなくもないが、韓国やアラブの民俗芸能などのほうが、よほど国際試合らしい演出なのになぁと思ったものだ。
*補足2:
ウワサによれば、いわゆるタダ券が1万枚以上配布されていたというから、有料入場者がどれほどだったのかと思う(むろん、会場を仕立て上げるという意味で、サクラ的動員を否定しようとは思わないが)。会場を見渡すと、熱心な応援者や観戦者が大半だったけれど、なかにはちっとも試合をみておらず、いったい彼らはなにをしにここにやってきたのかという連中の姿もあった。まっ、勝手ではあるにせよ、あまり気分はよろしくありませんにゃ。
*おまけ:
そういや、あの団子のおとっつぁんが、またしてもオリンピック招致に立候補したいと宣ったそうですにゃぁ。性懲りもなく。さすがに内部でも醒めた目でみられているフシもあるようだけれど、しみじみと小学生でも知ってることわざ(だっけ?)が思い浮かびMASITA(笑)。しかし“更正”の機会があってもいい。ここはひとつ、かつて志していた文筆業を見直してみたらいかがだろうか。別段、高尚な純文学をおやりなさいとはいわない。おススメしたいのは国際スパイものなどの活劇である。ちょっと前にオリンピック招致に絡む陰謀がどうのと真顔で語っているのをみて、このヒトなら中高生向けの楽しい娯楽小説が期待できるのではないかと直感したからだ。せっかくのご才能を、政治だのオリンピックだので潰してしまってはもったいないではないか?
なんとも盛り上げに乏しい会場だったが、もっともしょうもなかったのがアナウンスである。ほとんどマトモに聞こえない。Jリーグなど試合で流される芝居がかったアナウンスは、じつはけっこう好きだったりするのだが、そんな気分的な盛り上がりとも無縁で、はたしてこれが同じ日本での試合、それもアジアの頂点を決める大イベントなのだろうかとクビをかしげてしまったものだ。しかも、不思議なことにまず英語でアナウンスされ、続いて日本語で流されるのである。それでおしまい。対戦チームの母語であるアラビア語や韓国語はなく、しかも日本での試合で観客の大半は日本語を解するひとびと(在日韓国人を含む)なのにも関わらず主役が英語であり、続く日本語アナウンスはその“訳”を申し訳ていどに流すかのごとしなのであった。
バカか!?
悪いけれど、本気でそう思わざるをえなかった。ACLと謳われるとおり、これはアジアの大会である。アジアの国と地域のいったいどこに英語を母語とするところがあるのか(どういうわけかオーストラリアがアジアに位置づけられるなどサッカー独自の区分けはあるが、言う間でもなくオーストラリアはアジアではありはしない)。つまり、アジアの頂点を争う大会の主要なアナウンスが大会および参加チームとはまったく関係のない言語でなされているということではないか。
なるほど。あるていどの無理をして“共通語”の類を選ぶとすれば、日本語よりは英語のほうがふさわしいかもしれない。アラビア語や韓国語だけでも同様だ。したがって、これがワールドカップのような世界大会であれば英語のアナウンスだって納得できる。だが、それでもおかしいのである。なぜ決勝戦の主役である両チームの母国の言語であるアラビア語と韓国語がないのか。ごくごく常識的な目でみれば、まず会場国の言語である日本語があって、(便宜上ホームチームとされた)アラビア語があり、韓国語があるべきだ。どうしても“共通語”と錯覚されている英語が欲しいのであれば、そのつぎの4番目が適当というものであろう。理解不能の極みであった。かつ、あんなボソボソとした音響(席にもよったかもしれないが、日本語でさえ十分に聞き取れなかった)である。かつて、川淵三郎(日本サッカー協会名誉会長)はJEF市原・千葉(当時)の試合を元のホーム会場であった市原で観戦したさいに会場のお粗末ぶりにふれ、「カネを払ってみるスタジアムではない」といった旨の発言をしていたが、お粗末の種類こそ違え、カネをとってみせる演出ではないとしみじみ思ったものだ(*補足1)。
その川淵氏。試合後に「日本で決勝をやったから(観客が)2万5千人も入ったわけで、第3国(同士?)の決勝は日本以外(の開催)では難しい。日本ばかりというのも問題だが、観客動員が難しい国ではやりたくない」と宣ったそうな。ファンとしては地元で開催してくれるのはうれしいけれど、相変わらずの傲慢ぶりを発揮してますな(*補足2)。高飛車なことを抜かす前に、もっと国際的センスを見直すべきではないかと思うが、そうしたセンスがあんな演出しかつくりえなかったんだろうなァ……。
試合そのものには満足できただけに残念である。
*補足1:
スポンサーの関係か、自動車メーカーの踊り子がハーフタイムになにやら演じていた。とうの彼女たちには悪いけれど、試合や観客にとってどういうメリットのある出しものなのかがさっぱり伝わってこなかった。商売としての意味は理解できなくもないが、韓国やアラブの民俗芸能などのほうが、よほど国際試合らしい演出なのになぁと思ったものだ。
*補足2:
ウワサによれば、いわゆるタダ券が1万枚以上配布されていたというから、有料入場者がどれほどだったのかと思う(むろん、会場を仕立て上げるという意味で、サクラ的動員を否定しようとは思わないが)。会場を見渡すと、熱心な応援者や観戦者が大半だったけれど、なかにはちっとも試合をみておらず、いったい彼らはなにをしにここにやってきたのかという連中の姿もあった。まっ、勝手ではあるにせよ、あまり気分はよろしくありませんにゃ。
*おまけ:
そういや、あの団子のおとっつぁんが、またしてもオリンピック招致に立候補したいと宣ったそうですにゃぁ。性懲りもなく。さすがに内部でも醒めた目でみられているフシもあるようだけれど、しみじみと小学生でも知ってることわざ(だっけ?)が思い浮かびMASITA(笑)。しかし“更正”の機会があってもいい。ここはひとつ、かつて志していた文筆業を見直してみたらいかがだろうか。別段、高尚な純文学をおやりなさいとはいわない。おススメしたいのは国際スパイものなどの活劇である。ちょっと前にオリンピック招致に絡む陰謀がどうのと真顔で語っているのをみて、このヒトなら中高生向けの楽しい娯楽小説が期待できるのではないかと直感したからだ。せっかくのご才能を、政治だのオリンピックだので潰してしまってはもったいないではないか?
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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