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猫池罵詈雑言雑記帳
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タンクッ

 7日間の韓国取材から帰国。
 今回は仁川空港に着いた足で済州島に飛び、さらに莞島経由で“本土”に渡って全羅南道のいくつかの町を歩いてきた。なかでも半島最南端にあたるタンクッ(土末:ttangkkeut。画像は港にある石碑で、「韓半島最南端」の文字がみられる)は極めつきの田舎町で、さすがに独特の旅情を感じることができた。
 南部ではTシャツに薄手のシャツを羽織るていどで十分なほどの気候だったが、ソウルあたりまで北上すれば秋の気配が濃厚で、「紅葉を楽しみに」日本から訪れている観光客の姿もちらほらみられた。紅葉ならば日本のそこここで色づいているのにと思うけれど、それがドラマなどの影響なのかどうかといった考察はとにかくとして、異国で秋の情景を感じとるのもけっして悪いことではないだろう。

仁川

 さて、いつも思うことなのだが、韓国の玄関となる仁川国際空港の賑わいといったらどうか。飛行機を降りて入国審査から税関までのプロセスはとりたててどうということのない国際空港の風景だ。しかし、税関の扉が開いたとたんに全身が浴びる熱気。たとえ疲れていようとも、「ぁあ、韓国に着いたな!」と一気に気力の充実を覚えるのだ(画像は仁川空港内で催されていた音楽イベント)。
 訪れたことのあるひとはわかるだろうけれど、殺風景な空間からたった1枚の扉を隔てて都会らしい賑わいが待ち受けているのである。そのコンコースを歩いてみれば、食堂や喫茶店、コンビニやファストフード店。舞台つきのイベント広場もあるし、空港というよりは巨大なショッピングモールのなかに転送されたかのような錯覚すら覚える。ゲートを出るとソウル市街をはじめとして各地に向かうバスが頻発し、全通こそまだ2年ほど待たねばならないが空港鉄道もアクセスしていて、はじめて訪れたときもなんら迷うことなく目的地に達することができた。賑やかでわかりやすい空港なのである。

 ところが、そうして外国から祖国に戻って、成田空港で感じざるをえない空疎な気分ときたらどうだろうか。このところ断続している韓国取材旅行ではもっぱら第1ターミナル発着であるうえ、その時間帯もごく限られているため、あるいは誤解の類があるかもしれないが、ここが先進国・日本の代表的玄関口とは思えない静けさであり、ひんやりとしたゴーストタウンのようなのである。今回は、ちょっとした所用もあって友人がマイカーで迎えにきてくれていたのだが、閑散としたロビーでなんともあっけのない再会に気が抜けてしまいそうだったものだ。
 なにしろひとの往来に乏しいのだ。入国審査から税関を出るまでは仁川とさほどの差があるわけではない(ただし成田では外国人は指紋の採取を強要される。逆に、仁川の税関はあまりにも簡略にすぎるような印象もある)。だが、そこから出て無事に祖国に帰り着いたとたんに出会うなんとも寂しげな空間。案内所や銀行の窓口などが細々と開いているけれど、飲食店の類はさらに歩いた鉄道乗り場周辺までいかないとなく、そことてふだんはいかにも深閑としたものだ。暗くて、冷たい。

「いやぁ、単に駐車場に入ろうってだけで、3人がかりで検問だよ。トランクまで開けられて」
 苦笑まじりに友人は語ったが、鉄道に乗ってやってくると、改札口を通った先で身分証明書の提示を求められる(あれは強制だろうか?)。どうせ出国にさいしてはパスポートの提示が義務なのだから、そこでみせるぐらいは構わないけれど、これは出迎えや所用で空港を訪れようとしても、鉄道を利用するかぎりは要求されるので、免許証など写真つきの書類を持ってなかったりするとイヤな気分にさせられそうではある(これまでの訪問はすべて鉄道利用なのでわからないが、路線バスなどを使うと身分証の提示は求められるのだろうか? どなたかご教示いただければ幸いです)。
 そうした警備についての根拠はあるていど理解できる。そもそもが空港建設の経緯からしてのちのちに問題を残すことを前提としていたとしか思えないからだ。それに加えておそらくは“テロ対策”とやらもからんでいるのであろう。身分証の提示がそうした事態に対してどれほどの効果があるのかはわからないが、それによって不測の事態が防げるというのであればあながち不要とはいえないかもしれない。よろこんで協力しようではないか。だが、“国際的テロ”の可能性という点では同列であるハズの仁川での警備と比較してどうか。しかも韓国は同胞隣国との戦争が終結していない休戦国家だ。さまざまな面でわが国との環境は異なるが、それはけっして楽観できるという意味ではないだろう。
 もちろん、備えあればなんとやらという見方を否定するつもりはないのだが、成田で続けられているあの日常の意味を、そろそろ考え直してみてもいいのではないだろうか。

 交通機関のターミナルというのは、公共的空間としての意味合いを強く持っている。乗り降りはもちろんだが、飲食などの休憩やひととの待ち合わせがあり、買い物などの日常があり、ビジネスの商談の舞台でもあり、催しがあり……、ターミナルとしての重要度が高まるほどにその機能が多岐にわたってくるのである。鉄道でみてみれば、東京駅や上野駅、品川、渋谷、新宿、池袋、秋葉原……。いくらでもある。乗り物とひととが動き、経済が動き、生活や文化が動く。そうしたターミナルとしてごくあたりまえの姿を持っているのが仁川空港であり、極限まで排除しているのが成田空港だというのはあながち極論ではないのではないか。つまり、正常なのは仁川のほうであり、成田は異質なのだ。その異質な国際空港が、こともあろうかわが国の代表的玄関口なのである。嗚呼、なんたることか!


*補足:
 ただし、世界的にみて成田が例外側にあるのかどうかについては、自分自身のこれからの取材を要する。なにしろあまり飛行機に乗るほうではないので体験に乏しいからだ。だが、無事に帰国してホっとしているところにあの空間では……。行ったことはないけれど、偏見的イメージとしては旧ソ連あたりの空港に近いものがありはしないか。つまりは、ひとりの旅行者として素朴にそんなことを感じているのである。

※おしらせ:コメント欄の代替的にリンクしてある掲示板が、アクセスしようとすると「403」で遮断される現象が断続しています。原因は不明ですが、そのような場合には時間をあけるなどして再アクセスしていただきますようお願い申し上げます。なにぶんご迷惑をおかけしてすみません。
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