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猫池罵詈雑言雑記帳
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 朝鮮半島が緊張状態に陥っている。
 ちょうど22〜28日の日程で韓国にでかけていたため、現地でその報道に接することになったが、北朝鮮のあまりの狼藉ぶりに呆れ返ったとはいえ、じつはさほど驚いたわけではなかった。というのは、出発直前になってまさに22日から韓国とアメリカ合州国との合同軍事演習が実施されるという報道があり、この1年の北朝鮮当局の動向などから、ひょっとするとなにかをやらかすかもしれないと想像していたからである。もっと噛み砕いて言うと、「なんでこんな(オレが渡韓する)ときにそんなもの(韓米軍事演習)なんかやるんだよっ!」と思ったのが正直なところで、そんなものは直接に関係のない第3国人の身勝手さかもしれないけれど、これが韓国単独の演習でないところにこそ大きな問題があるとはいえるだろう。

 断っておくが、北朝鮮のしでかしたことはいかなる事情があろうとも容認できるものではない。これは大前提だ。明確な休戦協定違反であるばかりか、なんら警告もなしに民間人の頭上に爆弾を降らせたのである。韓国は強固に北朝鮮を非難する権利があるし、よくぞ反撃をあそこまでで留まってくれたと思う。戦争ではなしに交渉への可能性を残すことにもつながるからだ。
 だが、問題は韓国と中国、北朝鮮に囲まれた黄海をめぐる状況である。そもそもが、そんなところに米国の軍隊がはるばるやってきて軍事行動をまかり通らせているところに、まず過ちがあるとはいえまいか?
 軍事協定だか同盟だかしらないが、そんなものは正体をさらせばアメリカ合州国の一方的都合による傀儡協定の一種であろう。少なくとも、黄海を自国の海に持つ韓中朝のうちの2国、中国と北朝鮮にとっては、自国のノド元にまで世界一の軍事大国の実戦部隊が迫っているわけであり、抗議や非難をする権利は十分にあるハズだ。当ブログでなんどか記したように、一方の側の中国や北朝鮮がアメリカ合州国のノドクビに匕首を突きつけているワケではないのである。一方的にアメリカの側だけが“合法的”手続きをいちおうは踏みながらも(いうまでもなくそんな“法”が世界的に通用するハズもないのだが)軍隊を派遣しているというのが黄海ということだ。これが仮にアメリカを含む形で交戦状態となったとすれば、見方によっては北朝鮮がまんまとワナにハメられた(*注)とすることも可能かもしれない。事件の主役はアメリカにこそある。

 さて、今日のところはここからが本題。
 たまたま現地でNHKをみることができたので日本語の報道を注視したところ、これがまたどうしてここまでバカまるだしになれるのかというぐらいのアメリカ合州国隷属報道であるのにアタマがクラクラしてしまった。拓殖大学の某だかなんだか知らないが、なんでも米軍。わが国の将来はことごとく米軍が掌握しているのだといわんがぐらいのコメントを発しており(そういう考えを持つのは自由であるが)、それをなんら反証もなされないまま一方的にタレ流していたのが当夜のNHKニュースだったからだ。北朝鮮のアクションと同じで、こんなものは意外でもなんでもないが(愚かしさという点を含んでことだ)、「これがわが祖国の公共放送の報道番組かよ……」と心底哀しくなったものである。なんつうか、核抑止力ならぬ米抑止力なんてなお題目でも挙げたいかのごとしのザマ。それ以前にすべき方策がいくらでもあろうに、外交はおろか内政についても自らの責任や誇りの類を放棄したバカどもの哀れな姿といったところか。自国の切り売りをしながら、彼らはいったい米軍とアメリカ合州国政府になにを期待しているのだろう……?

*注:
 真珠湾攻撃のときとの類似を認めることも可能かもしれない。追い詰めた相手から先に手を出させ、それを口実に総攻撃するというのは、“建国”以前からのアメリカの常套手段であるがゆえ。だからといって当時の日本や現在の北朝鮮を擁護できるという意味ではもちちろんないが……。

 ちなみに、韓国でみた範疇では、そう大きな騒動にまでは発展していなかったようだ。テレビ報道では、KBSとほか2〜3局が(NHKのその類と同様に)同じ映像を延々と繰り返しながらこの報道を続けていたが、そのほかはほぼ日常のママであったように見受けられた。一部では北朝鮮国旗を焼くなどのデモもあったというが、繁華街などの警戒が異状になっているなどの状態はみられなかった。個人的に対話したひとは、新聞を開きながら怒りを露にしてはいたけれど、だからといって戦争などに発展することを望んでいるわけではない。一部メディアを除けば、総じて冷静だという印象を持った。
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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