東北新幹線の新青森開業が、明日4日に迫った。
東京〜青森間が最速で3時間20分。おのおのの市街中心とのアクセスを含めると、空路の1時間20分にも対抗しうるレベルに迫っており、わが国の鉄道がまた一歩前進したとみることも可能であろう。
東京〜青森間が最速で3時間20分。おのおのの市街中心とのアクセスを含めると、空路の1時間20分にも対抗しうるレベルに迫っており、わが国の鉄道がまた一歩前進したとみることも可能であろう。
だが、この新幹線開業はすなわち東北本線北部の廃止である。法のもと、新幹線の新たな開業に伴い並行在来線の運営がJRから分離されることになっており、信越本線の横川〜篠ノ井間や鹿児島本線の八代〜川内間などがつぎつぎと切り捨てられてきた。今回の措置により、在来線の東北本線は盛岡以北が失われ、国鉄以来続いてきた全国一体の鉄道網がまたひとつなくなることになるわけだ。
4日以降、盛岡以北の在来東北本線は、盛岡〜目時間がIGRいわて銀河鉄道、目時〜青森間が青い森鉄道によって運営されることになり、鉄路そのものはいちおうは残されることになる。最新の時刻表をみると、JR東日本時代のダイヤをほぼ踏襲しており(寝台列車を除く優等列車は全廃されるが)、地域の足としてまずは確保されるようだ。だが、その陰で運賃は一気に37%も値上げされる。3日現在、八戸〜青森間は1620円だが、一夜をまたいだ4日からの運賃は2220円。JR東日本東北本線だった時代と比較すれば、盛岡〜青森間は3570円から5330円とじつに50%近くもの値上げをされている計算になってしまう(一方で、直線を増やしルート短縮をはかったため、新幹線利用だと「運賃」は若干安くなる。ただしべらぼうな特急料金を払うことが前提だが)。
それだけではない。運営に参画させられる形の地域自治体の負担はいかばかりのものだろうか。在来線沿線に大きな産業があるというのならまだしも、駅から離れていれば新幹線延伸による経済効果を期待することなどできはしない。十分な税収が見込めないなか、しわよせが地域住民にかかってくるのが目にみえているではないか(原子力開発の便所となることで活路を見い出そうという動きも一部ではあるが)。
思うのだが、いまやJRの本州3社は日本を代表する上場巨大企業である。そんな企業が、“国策”よろしく儲かる路線を手にする一方で、在来線を切り捨てていいということがあろうか? “赤字”国鉄を引継いだ当初はいざしらず、儲かるブツだけをとって赤字だからと一方の路線を切り捨てるなどムシがよすぎるのだ。しかも切り捨てられるのは、鉄道という公共交通機関にとって最重要ともいえる地域交通の要の“本線”である。現状の被切捨て路線を含め、はたして健全な運営など続けられるのだろうかとも不安になってくる。繰り返すが、いまやJR東日本は体力も実力も兼ね備えた一流企業なのである。したがって、その責任というものがあるのではないか?
このことは、法そのものを見直すべき段階にきていることを示唆していると考えているが、本来ならば国なり、JRであればJR7社をつかさどる持ち株会社のような組織をつくり、そこに新規開業の新幹線を持たせるべきであろう。東北新幹線でいえば、JR東日本はその本体から委託されて実務を請負うというわけだ。もちろん並行在来線は現状のまま経営を続けるが、優等列車などの減収ぶんに関しては国あるいはJR7社による新幹線事業から補填できる仕組みにしたっていい。
くわえて、今後の切り捨てが予定されている津軽線や函館本線、北陸本線および信越本線、長崎本線などの沿線自治体は、並行在来線の引き受けを拒否してみたらどうだろう。もちろんそれは交渉のスタートにすぎないが、まんまと“国策企業”にばかりオイシイ思いをさせて、自らが赤字をかぶる必要はない。JRそのものがつくったワケでもない地域の足を、テメェのモウケだけのために切り捨てさせるなというわけだ。それどころか、逆に新幹線こそ沿線自治体の持ち物とさせ、路線利用料をJRから存分に徴収するというテもある。
新幹線の新規開業そのものは評価したいし、わが国の鉄道の未来にとって明るい材料だということも否定はしない。しかし、鉄道会社の責任というものも大いに評価すべきなのだ。都市間交通だけでなく、地域の足、ひいては生活や人生を支えているのだという誇りを、どうかJR各社は忘れないでいてほしいと思う。
4日以降、盛岡以北の在来東北本線は、盛岡〜目時間がIGRいわて銀河鉄道、目時〜青森間が青い森鉄道によって運営されることになり、鉄路そのものはいちおうは残されることになる。最新の時刻表をみると、JR東日本時代のダイヤをほぼ踏襲しており(寝台列車を除く優等列車は全廃されるが)、地域の足としてまずは確保されるようだ。だが、その陰で運賃は一気に37%も値上げされる。3日現在、八戸〜青森間は1620円だが、一夜をまたいだ4日からの運賃は2220円。JR東日本東北本線だった時代と比較すれば、盛岡〜青森間は3570円から5330円とじつに50%近くもの値上げをされている計算になってしまう(一方で、直線を増やしルート短縮をはかったため、新幹線利用だと「運賃」は若干安くなる。ただしべらぼうな特急料金を払うことが前提だが)。
それだけではない。運営に参画させられる形の地域自治体の負担はいかばかりのものだろうか。在来線沿線に大きな産業があるというのならまだしも、駅から離れていれば新幹線延伸による経済効果を期待することなどできはしない。十分な税収が見込めないなか、しわよせが地域住民にかかってくるのが目にみえているではないか(原子力開発の便所となることで活路を見い出そうという動きも一部ではあるが)。
思うのだが、いまやJRの本州3社は日本を代表する上場巨大企業である。そんな企業が、“国策”よろしく儲かる路線を手にする一方で、在来線を切り捨てていいということがあろうか? “赤字”国鉄を引継いだ当初はいざしらず、儲かるブツだけをとって赤字だからと一方の路線を切り捨てるなどムシがよすぎるのだ。しかも切り捨てられるのは、鉄道という公共交通機関にとって最重要ともいえる地域交通の要の“本線”である。現状の被切捨て路線を含め、はたして健全な運営など続けられるのだろうかとも不安になってくる。繰り返すが、いまやJR東日本は体力も実力も兼ね備えた一流企業なのである。したがって、その責任というものがあるのではないか?
このことは、法そのものを見直すべき段階にきていることを示唆していると考えているが、本来ならば国なり、JRであればJR7社をつかさどる持ち株会社のような組織をつくり、そこに新規開業の新幹線を持たせるべきであろう。東北新幹線でいえば、JR東日本はその本体から委託されて実務を請負うというわけだ。もちろん並行在来線は現状のまま経営を続けるが、優等列車などの減収ぶんに関しては国あるいはJR7社による新幹線事業から補填できる仕組みにしたっていい。
くわえて、今後の切り捨てが予定されている津軽線や函館本線、北陸本線および信越本線、長崎本線などの沿線自治体は、並行在来線の引き受けを拒否してみたらどうだろう。もちろんそれは交渉のスタートにすぎないが、まんまと“国策企業”にばかりオイシイ思いをさせて、自らが赤字をかぶる必要はない。JRそのものがつくったワケでもない地域の足を、テメェのモウケだけのために切り捨てさせるなというわけだ。それどころか、逆に新幹線こそ沿線自治体の持ち物とさせ、路線利用料をJRから存分に徴収するというテもある。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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