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猫池罵詈雑言雑記帳
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 アメリカ合州国の中間選挙が目前にある。わが国のマスメディアでも触れられない日がないほどに情勢が伝えられているが、どうやら与党・民主党が劣勢にあるらしい。

 与党が苦戦している背景には、改善しない雇用情勢など経済面の問題や、相変わらず継続されている戦争に関するものもあるようだが、無視できない要因としてはオバマ政権が打ち出した保険制度の改革や中小企業支援策に対する反発があることは否定できないだろう。一部では、“茶会”なる超保守派による市民運動系の動きもあり、彼らが向ける批判の矛先が後者にあるといわれるからだ。しかし、大資本に対する支援(税の拠出)が大手を振ってきた国である。少なくとも、この点に関するオバマ政権の試みそのものを批難することをみるにつけ、その“市民運動”の正体が垣間見えてくるような気がしないでもない。

 さて、2〜3日前の報道によれば、与党・民主党への支持率(投票を考えている有権者)はおよそ45%、最大対抗馬・共和党への支持率は49%ほどだという。有権者数(分母)の大きな国である。わずか4%前後とはいえ、その実数はいかほどかと思うが、しかしこれがつぎのような推論につながると、にわかに疑問が沸き出してくる。すなわち、
「上下院とも大差での共和党の勝利が予想される」
 である。

 たった4%ほどの差で「大差」? ここでいう「大差」とは、もちろん獲得議席数についてである。
 これはつまりあの国の選挙が州単位で構成される小選挙区制度をとっており、その結果、たとえば半数に迫る49.9%の票を得ようとも抹殺される仕組みになっているからにほからならない。この場合、仮に候補者がふたりであれば、勝つのは50.1%の側になるが、その差はたった0.2%。反映されることのない49.9%の実数とはいかほどのものになろうか。言い変えれば、これが小選挙区制度の正体であり、少数どころか多数の声もまた議会に届かないという反民主的選挙制度になりかねないということなのである。蛇足(?)をすれば、わが国でこの制度を推進したひとりが、かの小沢一郎氏だ。
 あるいはまた、報道された数字では、たった6%とはいえ、民主でも共和でもない層があることを窺わせている。もちろん、どちらかに入れるつもりで態度を決めかねていたり、調査に対しあえて回答しなかったムキもあろうけれど、いわゆる“2大政党”ではない第3の勢力を支持するひとびとが、実数としてはそれなりの規模にのぼる可能性だってある。しかし、この選挙制度にあって、そうした層の声が反映される可能性はほとんどゼロに等しい。したがって、彼らがとるべき道は、1:あくまで支持政党なり勢力を推す、2:妥協して2大政党のどちらかに票を投じる、3:棄権ないしは無視、あるいはあきらめ──といったところになるわけだ。これをわが国にあてはめれば、民主党幻想の一端が窺えてくるかもしれない(1年ともたなかったが)が、ようは2大政党制度だの小選挙区制度だのがいかに民主主義と相反するかということのひとつの根拠になるのではないだろうか。

 その1点においても、アメリカ合州国の中間選挙は格好の教材となるかもしれない。
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自己紹介:
 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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