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猫池罵詈雑言雑記帳
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 ネットのヘッドラインをみていたら、ちょっと笑えるできごとが伝えられていた。

「自民党に報道チェック部隊、抗議や申し立ても (読売新聞)」(リンク切れご容赦)

 リンク記事は「ヨミウリオンライン」が配信した7月17日のヘッドラインである。

(前略)菅内閣の支持率が著しく低迷しているのにもかかわらず、自民党の支持率が思うように伸びない原因の一つに報道機関の自民批判の影響があると見ているためだが、“八つ当たり”気味の対応には党内から疑問の声も出ている。(中略)メディアチェックの導入は、石原幹事長が主導した。衆院の当選回数別の懇談会で、若手から「なぜ党の支持率が上がらないのか考えるべきだ」との意見が提起された際、石原氏は「自民党を批判するテレビのコメンテーターが悪い」と、テレビ報道に強い不満を示したという。
──リンク記事

 文中にある「メディアチェック」とは、同記事にある「報道機関の論調を調べ、内容に問題があれば対抗措置を講じる」自民党内の機関をさす。

 まっ、国家権力として行使するのでなく、あくまで一政党内の“策”としてであれば、なにをやろうと勝手かもしれないが、それにしてもお粗末である。そもそもが、ここで批判している「テレビ報道」をはじめとするマスメディアによって過剰に助けられてきたのがほかならぬ自民党ではなかったか? これまでどれだけの“協力”を受けてきたか、少しでも反芻してみたらどうかのかと思うが、それがこのていたらくとはほとんど小学生レベルのお子さまぶりである。音頭をとる石原某氏などはなおさらで、そもそもが石原一族などそうしたマスメディアがつくりあげた虚構のうえに鎮座する砂の楼閣とはいえまいか? いわば一族の“ メシのタネ”に対し足を向けてふんぞり反っているようなものだ。そういう輩に対しては、これはもう笑ってやるしかリアクションができない。自民党なぞさっさと解散するなり“石原新党”をつくるなどして「お笑い党」として売り出したらいかがか。

 が、一方で「メディアチェック」とやらに対しては注視する必要がある。これこそが戦前から引継がれている自民党の体質(民主党の大半も同じだが)を顕わす発想だといえるからだ。
 目下、菅政権が末期段階にあることは否定のしようがなく、その支持率もジリ貧になっている。そうしたなか、政党別支持率ではわずかに自民党が民主党を上回っているという調査結果もあるが、いずれにしても両党ともとうてい政権政党として信任されるレベルに達しているとはいえないだろう。だが、仮に近々に解散・総選挙が実施された場合に、その結果がどうなるかを考えると、空恐ろしい話になってくる。つまり、いずれも実質的な支持率ではとても信任されているとはいえない民主あるいは自民が第1党になることはみえており、昨今の菅政権と政権に対する評価からすると、自民党が政権党に返り咲く可能性はけっして低いとはいえないワケだ(それどころか、大連立による翼賛化すら現実性を帯びてきた)。
 そうなったときにこうした「メディアチェック」といったセンスが国家権力として行使される。体制批判はますます封印され、それどころかなんらかの統制すら可能にする動きすら出てくるかもしれない。ただでさえ“右向け右”が主流に居座るマスメディア(そもそもが、テレビなんぞは保守の総本山といっても過言ではないだろう)だが、締めつけやコントロールをより具体的にしうる施策を打ってくるその体質を覗かせたのが今回の発言や動きなのではないだろうか。

 だが、じつはこれこそが国家権力の正体である。たとえばつぎのリンク記事。

「エネ庁が原発報道監視」


 政府が新聞やインターネットを監視し、原子力発電に関する言論を収集していたことが分かりました。経済産業省の外局である資源エネルギー庁が「不適切・不正確な情報への対応」を口実にメディアを監視していたのです。(中略)記事を収集する対象は、「朝日」や「読売」など全国紙や「日刊工業」など専門紙、福井や青森、福島など原発立地県の地方紙など約30紙です。
──リンク記事

 どういうわけかさほど話題にのぼっていないようではあるが、こんなところでも国家権力による言論監視が実施されているという事実はどうか。タテマエにある「不正確な情報への対応」はまだしも、「不適切な情報」を一方的かつ曖昧なままに規定しているあたりは極めて重要である。
「不正確」ということでは、すでに国家や業者側の情報や対応そのものがそれにあたることが暴露されている真っ最中ではあるが、こうしてごく一部の層にとっての不都合な情報が規制されているワケだ。これもまた、自民党や民主党が培ってきたニッポンの民主主義ということだろう。国家はその国民のセンスを映す鏡である。
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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