予定どおり、先週は韓国を回ってきた。今回は江原道のドラマ撮影地を主体に取材してきたが、その途上で平昌郡(横溪)にも立寄っている。
横溪周辺は龍平リゾートなど開発された山岳観光地の拠点のひとつであり、標高1000メートル内外の高原の空気が非常に爽やかであった。太白山脈の山並が東海岸を前に険しい地形をみせ、韓国内でもひときわ自然環境が保存されている地域ともいえるだろう。
渡韓中、テレビニュースではダーバンで開かれていたオリンピック会議で持ち切りだったが、はたせるかな、韓国としては念願の平昌招致が決定した。地元でおよそ9割とも伝えられる賛成者をバックにしてでの成就である。オリンピックを開くということの意義についてはあえて異論を挿もうとは思わないが、一方ではその運営についての疑問符が山ほど浮かぶ。開催によって1歩進む面はあるにせよ、同時に2歩下がっているようなことはありはしまいか? 今回決定した平昌開催がどのような“波及効果”をもたらすのか。いろいろと考えたいところはあるが、ソウル大会以来の“壮挙”の展開を、まずは見守ってみたいと考えている。
いまいとつ韓国で転換を向かえたのがEUとの間で発効したFTAであろう。こちらのほうはテレビニュースでもやや控えめの報道だったが、それでもCMを含むプロパガンダ的映像が繰り返し流されていた。
そのなかでは、欧州産葡萄酒が10%内外値下げされただの、同じく食肉(製品を含む)やチーズなどがわずかながら安くなったというニュースのほか、スマートフォンをはじめとする韓国工業製品を欧州のひとびとが笑顔で手にしているといったアニメーションなどが目立った。ざっとみた印象では、一部工業製品輸出産業が潤おう一方で、農産物のうち不要不急かそれに近い分野の輸入が有利になったというところだろうか。この問題は、なによりもそれに絶対必需品である「農水産物」が含まれるところにあるように思うが、TPPを含めてそのなりゆきが非常に気になるところではある。今後、国内産業と流通、消費はどのように変化してゆくのだろうか……。
閑話休題。
帰国してざっとニュースをあさっていたところ、10日になってつぎのような「お知らせ」を発見した。
※「「しんぶん赤旗」日刊紙の9月からの購読料改定のお願い」
日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の値上げ告知である。これが紙面だけでなくネット配信にまで公開されているところも興味を惹くが、同党本体を含めかなり厳しい状況にあるということかもしれない。
記事によれば、ここ10年間で同紙の読者はおよそ8万人(部?)減(36万→24万余)。赤字については月あたり2億円を超えているというのだから深刻である。国会を中心に、その議席もまた減らし続けている同党の実状を垣間見させる現状といえるだろう。
同紙については、一般の新聞にはない独自の調査報道という点で評価しているほか、一般紙でタブーとされるスポンサー筋(おもに大企業)に対するそれができるメディアとして重要な存在だと考えている。政党機関紙ならではの欠点も多いにせよ、そうした面を差し引いてもなお注目できうる「新聞」であり、だからこそ当サイトでもなんどか記事へのリンクや引用をしてきた次第だ。
日本共産党についても同様で、個人的な考えを記せば、支持そのものには限界があるけれど、打ち出す政策のなかには同意できるものが少なくないということになる。根幹の部分で自民党と大差がなく、その能力についても問題を抱える民主党。最大野党は類似の自民党であり、そのほか特定の個人崇拝系宗教母体の政党が自民党のキャスティングボードに食い込み、その他もろもろの“カストリ政党”の多くもまた、根本の部分で自民党とそう大きな違いを持つワケではないというわが国の現状。そんななかで、唯一ともいえる本質的対案者になりうる勢力としての役割が共産党にはあると考える。言い換えると、ある割合までは、ああいう政治勢力が必要なのだ。でなければ、この国の政治はますます翼賛化が進んでしまう(先ごろ、菅首相が原発問題を争点にしないといった旨の発言としていたが、民主・自民を含む各政党内にも主流と相対する考えの持ち主はいるせよ大半は右向け右かあるいは風見鶏である。そもそもが争点として成り立つワケはないではないか・笑)。
かように重要視せざるをえない勢力なのだが、その力が年を追うごとに衰えているのは大方の有権者がご存じのとおり。それを「時代」として捉えることもできるかもしれないし、あるいはアメリカ合州国および財界主導による「二大政党制」キャンペーンやそれに関わる施策などに押しつぶされたとみることも可能だろう。だが、それにつけても不可思議なのは、そうした劣勢にあって、総責任者たる志位和夫委員長の責任を問う声や動きがこれっぽちも同党から窺えてこないということである。前任の不破哲三氏のさいにはあるていどの勢力を確保してきたなか、現任になってからの衰退は同党支持者でなくとも注目せざるをえないが、同党をみるにつけ「座して動かず」という印象しか持ち得ないのもまた事実である。国政選挙の後などには、いちおうそれらしいアピール(言い訳?)をネットでも発しているけれど、ここのところ立続けに進む衰退ぶりはなんにしても異常だ。
目下、民主党政権のトップである菅直人首相の“更迭”問題が延々と取り沙汰されている。それとは別に実態ある政治を動かすことが重要なのは言うまでもないが、それにしたって不適格なトップを戴いたままでいいのかということになると、その重要性を鑑みてもやはり問題である。たとえば白川勝彦氏は、「永田町徒然草」11日のアップで以下のように語っている。
※「いまのわが国の現状」
あの大災害と一政党の内部事情とを同卓に語ることができるかどうかはともかく、これが正常な感覚というものではないのか。いや、述べたように、翼賛化を防ぐ意味でいえば、実は案外重要な問題ともいえるのである。しかるに「座して動かず」。これでは風とおしの悪い独裁集団ぐらいに思われてもなんら仕方がない。一党独裁の政権下にある中華人民共和国をみるそれのように。もちろん、件の菅首相を含め、トップを代えればはそれで片づくという問題ではないが、それにしたって不可思議な体質だと言わざるをえない。はたして同党は、その重大な責任を自覚しているといえるのだろうか。このままでは破滅に向けてまっしぐらではないかと思うのだが……。
いまいとつ韓国で転換を向かえたのがEUとの間で発効したFTAであろう。こちらのほうはテレビニュースでもやや控えめの報道だったが、それでもCMを含むプロパガンダ的映像が繰り返し流されていた。
そのなかでは、欧州産葡萄酒が10%内外値下げされただの、同じく食肉(製品を含む)やチーズなどがわずかながら安くなったというニュースのほか、スマートフォンをはじめとする韓国工業製品を欧州のひとびとが笑顔で手にしているといったアニメーションなどが目立った。ざっとみた印象では、一部工業製品輸出産業が潤おう一方で、農産物のうち不要不急かそれに近い分野の輸入が有利になったというところだろうか。この問題は、なによりもそれに絶対必需品である「農水産物」が含まれるところにあるように思うが、TPPを含めてそのなりゆきが非常に気になるところではある。今後、国内産業と流通、消費はどのように変化してゆくのだろうか……。
閑話休題。
帰国してざっとニュースをあさっていたところ、10日になってつぎのような「お知らせ」を発見した。
※「「しんぶん赤旗」日刊紙の9月からの購読料改定のお願い」
日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の値上げ告知である。これが紙面だけでなくネット配信にまで公開されているところも興味を惹くが、同党本体を含めかなり厳しい状況にあるということかもしれない。
記事によれば、ここ10年間で同紙の読者はおよそ8万人(部?)減(36万→24万余)。赤字については月あたり2億円を超えているというのだから深刻である。国会を中心に、その議席もまた減らし続けている同党の実状を垣間見させる現状といえるだろう。
同紙については、一般の新聞にはない独自の調査報道という点で評価しているほか、一般紙でタブーとされるスポンサー筋(おもに大企業)に対するそれができるメディアとして重要な存在だと考えている。政党機関紙ならではの欠点も多いにせよ、そうした面を差し引いてもなお注目できうる「新聞」であり、だからこそ当サイトでもなんどか記事へのリンクや引用をしてきた次第だ。
日本共産党についても同様で、個人的な考えを記せば、支持そのものには限界があるけれど、打ち出す政策のなかには同意できるものが少なくないということになる。根幹の部分で自民党と大差がなく、その能力についても問題を抱える民主党。最大野党は類似の自民党であり、そのほか特定の個人崇拝系宗教母体の政党が自民党のキャスティングボードに食い込み、その他もろもろの“カストリ政党”の多くもまた、根本の部分で自民党とそう大きな違いを持つワケではないというわが国の現状。そんななかで、唯一ともいえる本質的対案者になりうる勢力としての役割が共産党にはあると考える。言い換えると、ある割合までは、ああいう政治勢力が必要なのだ。でなければ、この国の政治はますます翼賛化が進んでしまう(先ごろ、菅首相が原発問題を争点にしないといった旨の発言としていたが、民主・自民を含む各政党内にも主流と相対する考えの持ち主はいるせよ大半は右向け右かあるいは風見鶏である。そもそもが争点として成り立つワケはないではないか・笑)。
かように重要視せざるをえない勢力なのだが、その力が年を追うごとに衰えているのは大方の有権者がご存じのとおり。それを「時代」として捉えることもできるかもしれないし、あるいはアメリカ合州国および財界主導による「二大政党制」キャンペーンやそれに関わる施策などに押しつぶされたとみることも可能だろう。だが、それにつけても不可思議なのは、そうした劣勢にあって、総責任者たる志位和夫委員長の責任を問う声や動きがこれっぽちも同党から窺えてこないということである。前任の不破哲三氏のさいにはあるていどの勢力を確保してきたなか、現任になってからの衰退は同党支持者でなくとも注目せざるをえないが、同党をみるにつけ「座して動かず」という印象しか持ち得ないのもまた事実である。国政選挙の後などには、いちおうそれらしいアピール(言い訳?)をネットでも発しているけれど、ここのところ立続けに進む衰退ぶりはなんにしても異常だ。
目下、民主党政権のトップである菅直人首相の“更迭”問題が延々と取り沙汰されている。それとは別に実態ある政治を動かすことが重要なのは言うまでもないが、それにしたって不適格なトップを戴いたままでいいのかということになると、その重要性を鑑みてもやはり問題である。たとえば白川勝彦氏は、「永田町徒然草」11日のアップで以下のように語っている。
※「いまのわが国の現状」
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あの大災害と一政党の内部事情とを同卓に語ることができるかどうかはともかく、これが正常な感覚というものではないのか。いや、述べたように、翼賛化を防ぐ意味でいえば、実は案外重要な問題ともいえるのである。しかるに「座して動かず」。これでは風とおしの悪い独裁集団ぐらいに思われてもなんら仕方がない。一党独裁の政権下にある中華人民共和国をみるそれのように。もちろん、件の菅首相を含め、トップを代えればはそれで片づくという問題ではないが、それにしたって不可思議な体質だと言わざるをえない。はたして同党は、その重大な責任を自覚しているといえるのだろうか。このままでは破滅に向けてまっしぐらではないかと思うのだが……。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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