2008Jun/10 しぶとい．．．の巻。沖縄県議選の結果は“自民惨敗”なのか？

　８日に投開票された沖縄県議選。あいにくというか、あるいは狙ってそういう日程になったのかはわからないが、翌日が新聞休刊日だったために“自民惨敗”の報はいまひとつ盛り上がりをみせなかったようだ（秋葉原で起きた通り魔殺人事件と重なったということもあるが）。
　選挙結果について、じつはさほど言いたいことはない。いつものごとく、こんなにまで自・公が議席を確保できるという実態を目の当たりにしてクビをかしげるばかりだ。 　

“自民惨敗”の内容はというと、定数48に対して自民16、公明３、与党系無所属３で与党勢力が27から22議席に減らしている（うち自民は▲４）。野党側では、共産５、社民５、民主４、社会大衆２、そうぞう１、諸派・無所属12という内訳である。
　与野党の過半数割れは16年ぶりだそうで、そういう意味では“惨敗”という見方もできるけれど、正直なところ自・公で19もの議席を確保することに驚きを禁じ得ない。いかに地方選とはいえ国政の状態が影響しないわけはなく、その点についてはあれこれ報道されているが、現政権に対する不信感からすれば、自・公はもっと数を減らさなければならなかったハズだ。これが選挙制度のマジックなのか、現にこれだけの結果を出せるだけの支持を得ているのか、あるいは野党側にある理由を含めて与党を選ばざるをえない理由でもあるのかどうかはわからない。まぁ、ひとさまが票を投じることに対して個別に文句をつけるつもりはないけれど、現政権のもとでオイシイ思いをしている層がそれなり以上にあるのか、それとも“性懲りのないひとびと”によって支えられているといったところなのかもしれない。

　それにしても、あのハマコーを使った厚顔無恥なＣＭ（リンク先の動画をご覧になって気分が悪くなっても責任は持てませんが）を打ったはいいけれど、「自民党はおじいちゃん、おばあちゃんを大切にする政党」みたいなことをいくら宣っても、善良なる有権者にとっては怒りかいいところシラケた気分にしかならないだろう（だからこの結果がわからないのだ）。しかも役者がアレでは……、いよいよ人材がなくなったか自民党よ（笑）。
　新聞などでは、後期高齢者医療制度が与党敗北の主因に挙げられているムキがある。しかし、原因はもっと深いところにあることは、多くのひとが気づいているに違いない。マスメディアがはたして不支持の理由を矮小化しようとしているのかどうかはわからないが、件のＣＭをみるに、本丸そのものがそのていどの認識である可能性はある。それはそれでおめでたいことではあるが。

　しかし面白いことにはなってきた。米軍普天間飛行場の移設問題である。
　仲井真弘多沖縄県知事は条件つきながら移設容認の立場だが、当選した48人中の過半数を超える議員（「毎日新聞」によれば26人）が反対の意を表しているともいわれ、今後の展開に影響することは間違いなさそうだ。もちろん、選挙において争点のひとつであったからなおさらだろう。沖縄県政は要注目である。


＊ところで・・・：
　こんな状態のなか政権に居座り続けることの愚。お隣・韓国ではアメリカ合州国産牛肉の輸入再開をめぐって内閣が総辞職するという展開になってきたが、対米という点でも、内政という点でも、どうにも恥ずかしくなってこないだろうか。日本の状態が。伝えられるところによれば、就任したばかりの李明博大統領の支持率は10％台。まぁ、あまり単純化しすぎるのは控えたいけれど、日韓の民主化の度合いを見比べるひとつのできごとにはなりそうだ。