テレビを中心とするマスメディアの提灯持ちぶりは前回にも記したが、その症状はますます悪化の一途を辿っているようである。ほんの数年前、メディアを利用した戦術にまんまと乗せられてコイズミスネオ政権に圧倒的権力を与えた日本国民。それを受け継いだアベのおぼっちゃんの政権逃亡劇から1年弱、こんどは「アナタとは違う」の棄てゼリフを残して木偶のフクちゃんが退席を表明。ここにきて有権者の多くはいくらか目覚めたらしく、内閣および現政権に対する支持率の低さが慢性化しつつあったが、それに水をぶっかけて嘲るようなメディアの狂奔である。試みにここで1点だけ抽出してみると、つぎのような“トップ記事”(本文作成中時点)にお目にかかれる。
※http://www.asahi.com/politics/update/0912/TKY200809120132.html
※http://www.asahi.com/politics/update/0912/TKY200809120132.html
いわく、コイズミスネオが“スーパー右翼”小池百合子元防衛相への支持を表明。だからどうしたという内輪話にすぎず、こんなものを限られたスペースのなかわざわざ“報道”することの真意を問いただしたいところだが、同件の記事は共同通信も配信し、「東京新聞」を含むいくつかのメディアが利用している。プロ野球の世界ではオリンピックの成績が不本意だったからというほとんどそれだけの理由で監督を務めた星野仙一氏が袋だたきにあっており、つぎはやれ王(貞治監督)だのだれだのといまだに騒ぎだてられているけれど、スネオ報道はこんな野球のドタバタ騒ぎを煽って報じるのと同レベルの与太記事というものであろう。
そもそもが、いかに自民党が宣伝し、メディアがお祭りにしたてあげたところで、それをみせられる側の大半には肝心の総裁選に参加する権利すらないのである。ただひたすら一方的に特定政党のトップ選びをタレ流しにみせられるだけなのだ(しかも、予想される総選挙の結果からみて、総裁が首相にならない可能性だっていままで以上に高い)。競馬ならまだしも馬券のひとつでも買えるというものだが、いうまでもなく総裁選のなりゆきが国民に与える影響というのは競馬どころの騒ぎではない。
しかし、実際問題として、少しでもきちんとした見方のできるひとにとっては、こんなメディアの暴走などハナからわかりきっていたことであろう。そういう意味ではここでしつこく取り上げるのもどうかと思わないでもないけれど、こんな宣伝(しかも本来ならば巨額の宣伝費が必要なところを率先してタダでやってくれるのだからたまらない)に乗せられてなんとなく自民を支持する国民の知性こそを疑うべきかもしれないということをあえて強調しておきたい(逆にいえば、それ相応の考えを持って支持することは尊重すべきである)。
もっとも、冷ややかにみられている面もけっして少なくはなさそうではある。しかし、たとえば以下のリンク記事はどうか?
※http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080912-00000914-san-pol
こういうのを単なるガス抜きという。せっかく“若者”の声を取り上げていながら、肝心なところに視点が据えられていないのである。報じられている声は事実であろう。だが、若者が総裁選騒ぎを冷ややかにみているとすれば、それは記事に触れられているような「(麻生太郎幹事長は)オタクを強調し過ぎてそろそろ鼻につく」(リンク記事)などというレベルに本質があるわけではない。ましてや、『謝野馨経済財政担当相。「名字も名前も読めない」という女子高生』(同)なんていうのは、ひょっとしてギャグのつもりなのだろうか。もっとほかの声はなかったのだろか? こんな“風俗記事”に納得させられるとしたら、これもまた知性を疑ってしかるべきである(ついでにいえば、「日本を変えられるかも」という点で、大きく日本を変えてしまった中枢にあのコイズミスネオがいた。変えるは変えるで必要なことだが、その中身こそが問題ということである)。
■慣例と疑問
話は変わって。
昨日、9月11日はアメリカ合州国で航空機を使ったテロ事件が起きた日である。ところで、このテロ事件をみなさんはどのように呼んでいるでしょうか? 主だった名称はふたつ。「同時テロ」と「同時多発テロ」であろう。事件当初、わが国の大半のメディアは後者を使って報道合戦を繰り広げ、こちらが使われる場面が多かったが、はたしてあれが「多発」といえるのかどうかについては当初から疑問を持ってきた。「多発」というのが何件からなのかなどという議論をするつもりはないけれど、あの場合は「同時」はそれ相応に実態を顕わしてはいても、「多発」とするには違和感がある。
今朝、「東京新聞」に目を通していたら、こちらは「同時テロ」を採用していたので、ではほかはどうなのかと記事を無作為に抽出して調べてみたのが以下である(順不同)。
・朝日「同時多発テロ」
・東京「同時テロ」
・毎日「同時多発テロ」
・時事「同時テロ」
・共同「同時テロ」
・産経「同時テロ」
・読売「同時テロ」
・NHK「同時多発テロ」
・外務省「同時多発テロ」
・国交省「同時多発テロ」
これはまぁ、どちらで呼ぼうと報道の本質的な部分には関係ないとは思うけれど、なにかにつけて疑問を持つという意味で、なんらかの指標になるかもしれないということで取り上げてみた次第。
*補足:
毎度持ち上げるようでいささか気が引けるが、「首都圏ネットワーク」(NHK総合・首都圏ローカル)はまだしも地に足がついた報道を続けている。たとえば銚子市立病院(千葉県)の閉鎖問題を数回に分けてルポ、考えられる国政の影響なども交え、丹念に現状と問題点とを追っていた。市民の肉声をソースに、しかも1回ぽっきりではなく続報をシリーズ化するあたりにジャーナリストの良心を感じるのである。同時間帯に民放はどうか? 総裁選がどうの朝青龍がどうのと大騒ぎであり、そこに社会面の雑報(交通事故がどうしたとか)が散発的にバラまかれているのだった。BGMを多用した過剰な演出とともに。
ついでにほめておけば、9月1日の「防災の日」にさいして、「首都圏〜」ではその前週に週の特集として防災をテーマにしていた。これも当日ぽっきりの間に合わせではなく、その報道の意味をこなした報道だといえる。
そもそもが、いかに自民党が宣伝し、メディアがお祭りにしたてあげたところで、それをみせられる側の大半には肝心の総裁選に参加する権利すらないのである。ただひたすら一方的に特定政党のトップ選びをタレ流しにみせられるだけなのだ(しかも、予想される総選挙の結果からみて、総裁が首相にならない可能性だっていままで以上に高い)。競馬ならまだしも馬券のひとつでも買えるというものだが、いうまでもなく総裁選のなりゆきが国民に与える影響というのは競馬どころの騒ぎではない。
しかし、実際問題として、少しでもきちんとした見方のできるひとにとっては、こんなメディアの暴走などハナからわかりきっていたことであろう。そういう意味ではここでしつこく取り上げるのもどうかと思わないでもないけれど、こんな宣伝(しかも本来ならば巨額の宣伝費が必要なところを率先してタダでやってくれるのだからたまらない)に乗せられてなんとなく自民を支持する国民の知性こそを疑うべきかもしれないということをあえて強調しておきたい(逆にいえば、それ相応の考えを持って支持することは尊重すべきである)。
もっとも、冷ややかにみられている面もけっして少なくはなさそうではある。しかし、たとえば以下のリンク記事はどうか?
※http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080912-00000914-san-pol
こういうのを単なるガス抜きという。せっかく“若者”の声を取り上げていながら、肝心なところに視点が据えられていないのである。報じられている声は事実であろう。だが、若者が総裁選騒ぎを冷ややかにみているとすれば、それは記事に触れられているような「(麻生太郎幹事長は)オタクを強調し過ぎてそろそろ鼻につく」(リンク記事)などというレベルに本質があるわけではない。ましてや、『謝野馨経済財政担当相。「名字も名前も読めない」という女子高生』(同)なんていうのは、ひょっとしてギャグのつもりなのだろうか。もっとほかの声はなかったのだろか? こんな“風俗記事”に納得させられるとしたら、これもまた知性を疑ってしかるべきである(ついでにいえば、「日本を変えられるかも」という点で、大きく日本を変えてしまった中枢にあのコイズミスネオがいた。変えるは変えるで必要なことだが、その中身こそが問題ということである)。
■慣例と疑問
話は変わって。
昨日、9月11日はアメリカ合州国で航空機を使ったテロ事件が起きた日である。ところで、このテロ事件をみなさんはどのように呼んでいるでしょうか? 主だった名称はふたつ。「同時テロ」と「同時多発テロ」であろう。事件当初、わが国の大半のメディアは後者を使って報道合戦を繰り広げ、こちらが使われる場面が多かったが、はたしてあれが「多発」といえるのかどうかについては当初から疑問を持ってきた。「多発」というのが何件からなのかなどという議論をするつもりはないけれど、あの場合は「同時」はそれ相応に実態を顕わしてはいても、「多発」とするには違和感がある。
今朝、「東京新聞」に目を通していたら、こちらは「同時テロ」を採用していたので、ではほかはどうなのかと記事を無作為に抽出して調べてみたのが以下である(順不同)。
・朝日「同時多発テロ」
・東京「同時テロ」
・毎日「同時多発テロ」
・時事「同時テロ」
・共同「同時テロ」
・産経「同時テロ」
・読売「同時テロ」
・NHK「同時多発テロ」
・外務省「同時多発テロ」
・国交省「同時多発テロ」
これはまぁ、どちらで呼ぼうと報道の本質的な部分には関係ないとは思うけれど、なにかにつけて疑問を持つという意味で、なんらかの指標になるかもしれないということで取り上げてみた次第。
*補足:
毎度持ち上げるようでいささか気が引けるが、「首都圏ネットワーク」(NHK総合・首都圏ローカル)はまだしも地に足がついた報道を続けている。たとえば銚子市立病院(千葉県)の閉鎖問題を数回に分けてルポ、考えられる国政の影響なども交え、丹念に現状と問題点とを追っていた。市民の肉声をソースに、しかも1回ぽっきりではなく続報をシリーズ化するあたりにジャーナリストの良心を感じるのである。同時間帯に民放はどうか? 総裁選がどうの朝青龍がどうのと大騒ぎであり、そこに社会面の雑報(交通事故がどうしたとか)が散発的にバラまかれているのだった。BGMを多用した過剰な演出とともに。
ついでにほめておけば、9月1日の「防災の日」にさいして、「首都圏〜」ではその前週に週の特集として防災をテーマにしていた。これも当日ぽっきりの間に合わせではなく、その報道の意味をこなした報道だといえる。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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