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猫池罵詈雑言雑記帳
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 汚染米ショックである。発ガン成分を含むカビ米や高濃度な農薬に汚染された米を流通させ、しかも食品として利用されていたという無差別大量殺人未遂事件である。儲かるからといういわば確信犯が流通に介在していたことも伝えられているなか、たとえ“善意の第三者”が含まれようとも、関係していた企業が370社を超えるという非常事態。しかかもその輸入・販売の元締めというのが農林水産省というのだから、デタラメの真骨頂というものではないか。
 これは食糧問題における国家の一大事であることは疑いようはないが、主犯格の国はもとより、その“長”の椅子に座る可能性を持つ自民党の5人の面々、あるいは一政党の茶番劇を嬉々として報じている連中(アレの狙いは総選挙対策にあるが)をみていると、ホントにこの国はヤバイのではないかという気になってくる。もはやコントロールのきかなくなった難破船状態だ(その目下の責任者としての立場にある大田誠一農水相ときたら、「人体に影響がないことは自信をもっていえる。だからあんまりじたばた騒いでいない」などと、自分自身がなによりさっぱり理解しないしできないしするつもりもないクセにぶち挙げるデタラメさ。だれだよ、こんな異常人格者を国会議員にしたのは?)。

 この汚染米事件については捜査途上であり、かつさまざまな視点から報じられているが、まず驚くべきは監督省庁である農水省がその流通を公認してきたことであろう。当然のこととして、今回発覚したような汚染米の流通は食品衛生法違反である。したがって、こうした食品が輸入された時点で摘発をし、そのまま出荷元に返送するというのが正常な取り引きであるハズなのに、「工業用糊加工品」として利用することなどという便宜的処置(グレーゾーンあるいは日本式エセケンチャナヨ=「まっ、いいっぺ精神」ともいう)をもってしてその販売を認可してきたわけである。その量、わかっているだけでおよそ1万7000トン。すべてが直結するとはまではいわないが、恐るべき量の殺人物質を国がお墨つきを与えてバラまいてきたということだ。
 しかも不思議なことといおうか、販売先の最大手である三笠フーズ(株)の事業内容を調べてみても、「工業用糊加工品」の製造や販売の形跡がみられないのだ。資本金1億円のこの会社の主な事業は食料品製造であり、それに関連して精穀や製粉があるだけで、しかも主要販売先も食品会社(弁当製造や寿司チェーン店など)だったり醸造メーカーだったりと、とても買ったとされる2594トンもの汚染米をタテマエどおりに捌ける事業内容には思えないのである(タテマエどおりの利用がまったくなかったかどうかまではわからないが)。はたして、三笠フーズほか数社を拠点(あるいは「スーパースプレッダー」)として膨大とも思える食品汚染が拡大した。

 では、こんな汚染物質を、その危険さがわかっていながら国家が国内にバラまいたのはなぜか? その主要因として挙げられるのがWTOから半ば強制的に押しつけられている「ミニマムアクセス米」の存在であろう。かつて、国内米の生産が激減したさいに米を輸入するしないで大騒ぎになったことがあるが、その後もどういうわけか必要もないのに国外から輸入が続けられているのである。年間77万トン。国内消費量の8パーセントを超えるともいわれるほどのシェアを持つが、一方では米価が下落し、国内での生産の存続が危ぶまれているともいわれていながら、断固として拒否できないわが日本政府。いや、むしろ形としては押しつけられてはいても、WTOの取り決めそのものは義務ではないので、率先して不要かつ余剰な米をせっせと輸入しているともいえる。その膨大な在庫(なにしろいらないモノを大量輸入してるのだから)を処理する過程のなかで利用不能在庫が発覚し、あれこれタテマエをでっちあげて捌いたというのがそもそもの発端といっていいだろう。まさに場当たり的家畜人行政といったところだが、全国民に対する裏切り行為を重ねていることが、いみじくも明らかになったわけである(しつこいようだが、そんな非常事態にさいしてもなんらリーダーシップがとれないのが現政権と自民の5人なのである。カカシにすらなれないありさまであり、まさに木偶としかいいようがない*注)。

 さて、この事件は食品衛生法違反などという“軽微”な罪状ではなく、立派な殺人未遂事件として立件できないものなのだろうかと本気で望んでいる。オウム真理教の教祖=麻原彰晃はあれだけの道理のない無差別殺人事件の元締めであったが、今回の事件はむしろそれを上回る兇悪事件ではないのか? 犯意はあったのである。「儲かるから(なにをやってもいい)」という犯意が。そしていかなる事情があろうともそんな殺人物質の流通を公認してきた農水省。危険物質であることは知っていたのだ。知っていたからこそ、「工業用糊加工品」などという便宜的免罪符を与えて、その結果がこうした大混乱を招いたのである。実際にこの流通が直接的に病気や死亡につながったなどという証明をするのは不可能に近い大事業かもしれないが、ここで厳重な処罰のひとつでも打てないようでは、類似の事件は今後もなくなることはないだろう。





*注:
 この5人のなかには防衛相経験者も含まれる。ここでさす“防衛”は軍事的な内容に限定されているのかどうかはわからない。しかし、こんな過剰輸入問題やそれに伴う汚染事件もまた防衛につながるとはいえないか? あえて有事フリークに合わせれば……ではあるが。

*補足:
 アブナイ食品ということで中国での実態がいろいろと明らかになっている。さきのギョウザ事件といい、悪いけれど、仕事だろうが遊びだろうが、あの国を訪問することすら避けたくなってこないでもないけれど、今回のような実態が明かされると、わが祖国も似たり寄ったりというところか……。ギョウザ事件の主犯はどうやら中国側にあることで捜査が続くようだが、そんな毒入食品が実際にひとの口に入れられるまで野放しにされていたということを考えると、“従犯”としてのわが国の食品行政(および流通)のデタラメぶりが要因のひとつとして無視できないことが窺えてくる。
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