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猫池罵詈雑言雑記帳
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「総選挙で民主党と断固戦わなければならない。選挙に勝ってはじめて“天命”を果たしたことになる!」
 アソーサンの威勢のいいあいさつである。

 自民党の茶番劇は、なんらヒネリのないまま麻生太郎氏が幹事長に選出された。総数527票に対して351票を獲得、はなからわかりきっていたこととはいえ、「右向け右(左はない)」のメダカないしイワシ的体質がこんなところにも顕われているのが面白い。とりわけ総数141の各都道府県連票の95%が集中するあたり、あの茶番の正体がますますわかるというものだ。
 それにしても。あれだけ大騒ぎしておいて、なんと少ない分母であることか。なぜかといえば党所属の国会議員数が386人で、それに各都道府県連が3票ずつという内訳だからなのだが、しょせんはそんな有権者の限られた選挙ということである。こんなものはワードかなにかでお手軽かつ廉価につくった内部広報(むかしならガリ板刷り)でもあればコト足りるし、ましてやテレビをはじめとするマスメディアが候補者の政策やらをタレ流してもまったく意味がないというものであろう。アメリカ合州国大統領選がらみの報道も多いが、みせられる側にまったく手が出せない選挙という点では、まだこの外国のトップ選びのほうが重要度が高い。

 このアソーサン。お気の毒なことに、当選したはいいけれどあまり明るい話題はないようだ。露出の多さから、一時の支持率は上がっても、そう長続きできないのではないかという声も多いし、なによりも期待されている(?)のがあのつい本音をもらしてしまう癖であろう。
 ちょうど今日から1週間の日程で韓国取材にでかけてくるのだが、あの隣国に対して歴史認識の幼稚さ加減を披露した男の表舞台への登場。日帝時代の「創氏改名」について侵略を受けた側が「苗字をくれと言ったのがそもそものはじまり」などと抜かす始末で、旅行中になにか議論でもふっかけられたらどうしようかなという気もする(今回のルートは忠清北道から江原道にかけての炭坑地帯と東海岸がメイン。どうもイヤな予感もするが、なにか文句を言われたら「アソー ヌン パボ クリゴ ケー!」でキマリである)。そんな“失言”の数々、どこかにまとめてあったら便利だなと思ったら、毎度おなじみ「しんぶん赤旗」がやってくれていたのでリンクしておきましょう。

「新総裁 麻生氏 発言録」

 スゴいですネ。
「婦人に参政権与えたのは失敗/創氏改名は朝鮮の人が望んだ/豪雨、岡崎だったからいい」(リンク記事見出し)
 こうした“失言”からみえてくるのは、あの男がまごうことなき右翼であり、まさに自民党総裁に相応しい人物であるということであろう。名づけて妄言右翼である(念のため。右翼的思想者のなかにも尊敬あるいは注目すべき人物もいる。そういうひとびとは、こんな妄言男の露出についてどう考えているのだろうかと思う)。

 しかし、こうした妄言があの男の本質を垣間見させているとはいえ、そんな人物を筆頭に据えた自民党の愚かしさというのは、じつは、冒頭に引用した“あいさつ”のなかにこそ顕われている。
「総選挙勝利が天命」
 よろしい。では、その総選挙に勝利することによってなにをしたいのか? 政治家や政党にとって、選挙に勝つことはたしかに重要である。ましてや政権転落の危機がまことしなやかに語られているさなかだ。だから近く実施されるハズの総選挙勝利を目下最大の目標にするという党内の事情はわかる。だが、国民が求めているのはそんな覇権争い云々ではない。膠着状態に陥った経済状況の打破。奴隷的労働条件に対する国策の発動。デタラメすら発覚してなお改まることのない年金問題の解決。天下の悪法として批判をあびる後期高齢者医療制度問題。公立病院をはじめとする医療施設の改廃問題。消費税増税問題。食の安全……これらはいずれも国民が幸せに生活を送れるかどうかという重要なテーマであり、右翼好みの表現をあえてすれば、自国に対して誇りが持てるかどうかをわける指標でもあろう(しかもすべての負の要因が自民党政権下で蔓延したという事実)。そしてアメリカ合州国盲従政策からの転換──ひとつには新自由主義の否定、さらに巨大軍需産業からの脱却。関連して共謀罪もあぶない。繰り返すが、周辺諸国との関係も、こんな幼稚なオッサンがトップに座っていたらどうなるかわかったものではない。

 ようは、ちっとも国民の視線を持ち合わせておらず、国民のための政策を実行するというセンスがないのだ。より生活しやすい環境が実現できるのであれば、自民党だろうが民主党だろうが共産党だろうが関係ないというのが、つきつめれば大衆の心理であるハズだ(*注)。そんなことを考えることもおそらくはせず、とにかく選挙に勝って覇権を維持することしかアタマにない哀れな自民党。こうなるともはやアソーがどうのとかいう以前の問題であろう。合掌。



*注
 まァ、各政党の熱烈な支持者はもちろんいる。また、挙げた3党のなかでみると、流動的な層のなかには共産党嫌いというのが根強くいるのだが、しかし「共産主義」には否定的であっても、「主張している政策はわかるよ」というのはよく耳にする話である。「共産党という名前を変えればいいではないか」ともよく聞く。名前でイメージがよくないが、主張は理解できるということであろう。したがって、大雑把にはこの見方には誤りはないと考えている。もちろん、あれこれ問題はあるけれども……。
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