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猫池罵詈雑言雑記帳
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 たとえば、街。
 たまたま訪問したり通り過ぎたりした街で、たまたまあるできごとやひとと出会う。そこになにがしかの感想を持つ。そして言うのだ。「あの街はよかった」あるいは「あの街はどうしようもない」。
 この“街”を国と言い換えてもいいし、場所などではなくひとに置き換えたって構わない。ようはたまたまの巡り合わせでしかないのにさもそれがすべてであるかのように語ることの愚であり、たった一面を捉えてそれそのものを普遍化してしまうという単純馬鹿。こうしたことは、たとえば仲間うちなどで一杯やりながら楽しんだりするネタとしては他愛がないし、一面であろうとなんだろうと本当に感じたことなのだろうからあえて否定しようとは思わない。だが、それだってときと場所と語る人物の立場などによる。

 あの石原のおとっつあんが、「公設派遣村」とそこに集まったひとをめぐって罵倒を繰り広げているという。ニュースそのものは目にしたひとが多いと思うので、最初に結論を述べておけば、たとえ“元”だとしてもとてももの書きだとは信じられない乱暴な見方だというほかはなく、冒頭に記した“単純馬鹿”とはこういう態度のことを指す。このブログで、多分に遠慮を込めたうえで連想されたことわざの文言をぼやかしたことがあるが、えてあらためて明言するならば「バカは死ななきゃ治らない」と思わざるをえない。「死」云々はたとえであるので噛み砕いた言い方に直せば「根っからのバカなのではないかと思う」ということである(いうまでもないが、いかに筋金入りの“愚か者”であろうとも生きる権利もあれば幸せになる権利もある)。

 報道によれば、国と東京都とで設置した「公設派遣村」について、「国に頼まれて(仕方なく)やっている」といった具合に放言、鳩山由紀夫首相が視察したことに対して「あのていどの行事に総理大臣が出かけて行くべきじゃない」と切り捨てたという(「私は行きせん」とも語ったというが、ホンネは「行きません」じゃなく「行けない」のではないか? なにかが恐ろしくて)。首相云々については、どうやらこの件についてもっとほかにやりようがあるだろうという思惑が、解釈の仕方によってはないわけでもなさそうだが、なんにしてもこの男が現代の就職状況がなみなみならぬ危機に陥っていることを理解しているとは思えないからこそさもありなんな発言だと捉えざるをえないのである。
 入所者をさして「仕事をあっせんしたら“それは嫌だ”と言い、とにかく生活保護をもらえれば結構だというひともずいぶんいる。甘えた話だと思います」とも語っているが、これこそがまさに“近視眼的な見方”といっていいだろう。おそらく、一面では事実が含まれているかもしれないとはいえ、「仕事をあっせんしたらそれは嫌だ」「生活保護がもらえれば結構」というひとびとばかりだと単純化した見方しかできないところにこの男やそれを持ち上げる一部メディアの性質がよく顕われているのである。いわゆる「特殊を一般化する」という“手法”だ。実態はそんな単純なことではなく、それでさえ職として得られない、あるいはたとえ得られたとしても単なる一時しのぎでしなかいということであり、おぼっちゃん育ちのこの男にとっては、そうした事実を受け入れる感受性がまったくないのであろう(それに、仮にご本人が失職し食うや食わずの状況に陥ったとして、どんな仕事でもやるといえるのだろうか? 豪遊三昧かつご高齢のアナタが、明日から重い鉄骨を担いで高層ビルの建設現場で働けますか? しかし、そんな男が居座っているあの巨大な都庁は、まさにそうして重労働をこなしてきたひとびとによってできあがったのである!)。これは単なる選り好みということ以外にも考えなければならない問題なのである。

「求職活動費」として2万円が支給されたのちに所在不明になっている“入所者”がいることがおつっつあんの琴線に触れ、その煽りを食う形で施設の打切りが表明されている。たしかに554人の入所者のうち204人が所在不明というのは見逃せない実態かもしれない。204人すべてがそうとはいえないにせよ、なかにはまんまと2万円をせしめただけの輩もいるのであろう。だが、それをもって打切りというのは、これまた「特殊を一般化」した所業としかいえないのではないか。そもそもが554人(仮に204人を差し引くとしても350人にのぼる)からして氷山の一角であり、憲法によって生存権が認められているハズの先進国にあって、明日がさっぱりみえてこない層がかなりの広範にのぼっているという見方ができるからだ。そうした実態に目を向けようとせず、怒りに任せるかのどごとく(これ幸いとばかりに)一方的に施策を打切る。その指揮者とはいったいなにものなのか……(*注)。

 そういえば、おとっつあんの豪遊僻は相変わらずであり、さきのオリンピック騒動では、4回の出張で1億3046万円を出費していたことが明らかになっている。10人前後のおつきを伴った出張は1泊12万円(規定上限額の3・7倍)の5つ星スイート宿泊に飛行機はファーストクラス、現地でのクルマ代4270万円、雇った現地ガイドに対し14時間の勤務で22万円もの大判振るまいをしたというのだから仰天してしまう。しかも日程のなかには“ついでの観光”が少なからず含まれていたのだ。まさに「カネに糸目をつけない」浪費ぶりである(コレに匹敵する“大物”として思い浮かぶのはかつて中央アフリカ帝国を牛耳ったボカサとザイール大統領だったモブツあたりか。彼らに比べればおおよそ“小物”の元小説家にしかすぎないが・笑)。そんな贅沢三昧の男が、2万円でさえ大金かもしれないひとびとを一方的に罵倒する……。言い換えれば「アンタにだけは言われたくない」といったところであろう。そんなことだからこそ、現場の視察など恐ろしくてできるわけがないのではないのか。

 嗚呼、恥じれよ東京!


*注:
 所在不明になったひとのなかには、ひょっとすると直後に職を得られたという例もないわけでもないだろうが、それよりもいまひとつ想像するのは、役所そのものがすでに信用できないと思っているひとが少なからずいるのではないかということである。目の前に差し出されたカネだけは信用しても、役所とその施設については、たとえそこに善意があろうとも信用したくないだけの経験や思い込みが蓄積してしまったひとだっていてもおかしくはないかと思うからである。施設の現場で一所懸命に勤務しているひとにとってはたまらない話ではあろうけれど……。
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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