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猫池罵詈雑言雑記帳
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 昨日の記事に若干の補足をしておくと、派遣をはじめとするもっぱら企業側にとってのみ有利な雇用制度が可能になったことによって利益を得た側がその後のフォローを税金に任せるかのようにシラを切り通していることに怒りを覚えざるをえない。やれ「景気悪化」だのと言い訳をつけてみせても、一方的な儲けを可能にした八百長的制度についての反省もなければ、それによってあずかった“恩恵”について触れることもないのだ。卑怯。思い上がり。恥を知れとはこのことであろう。

 ひとつ。そういうと「経営者側にもいろいろと事情がある」として、現実の経営の厳しさを指摘する声もあがってくる。知人の経営者から話を訊くに、オレのような企業経営のシロウトが口を挟むのがおろかしいほどに楽観できない状況にあることが窺えてくる。おもに“中小企業”の経営者であればなおのことで、十全な賃金を払いたくともそれが必ずしも叶わない状態がみられることも事実だ。だが、じつは冒頭で触れたような“恩恵”にあずかった側の中心にあってかつもっともオイシイ思いをしてきた核心は一部の大企業にあり、じつはそこで厳しい現状を語ってくれた層の企業ではない(相互に例外はあるかもしれないにせよ)。低賃金労働に支えられ過剰ともいえる利益を得てきた大企業もまた「景気悪化」の影響を受けていることまでは否定しないとはいえ、いまだ一部の企業ではそれなり以上の株主配当が続けられていたり、莫大な内部留保などによって経営本体の体力を十二分に温存している実態もある。仮に経済情勢などによって雇用の維持が困難だとしても、国(コイズミ政権)によって仕立て上げられた制度を活用して得られた利益もあるハズで、いまなおそうした制度の維持を訴えている事実などを勘案するに、であれば尻拭いばかりを税金にさせるなと言いたいわけである。使い捨て雇用がまかりとおるなど、とても企業としての社会的責任を果たしているとはいえないし、恥であることを知るべきだとあらためて思う。

■巨大公共事業が維持される?
「やはりあの国の経済を支えているは戦争なんだなぁ……」
 このところのアメリカ合州国がらみの動きをみていてそう思う。「戦争が支えている」というのが適当でなければ、「戦争なしには経済を維持しえない」と言い換えてもいいかもしれない。いうまでもなくイエメンをめぐる情勢である。
 事件の詳細については「いまさら」なので割愛するが、昨年クリスマスに起きた旅客機爆破未遂事件の報道に接してまず感じられたのは、事件そのものに漂うある種のいかがわしさであった。空港での保安検査をスリ抜けられたという事実を含め、どうにもできすぎてはいまいかと思ったのである。その後に報道されたいくつかの検証によれば、たしかにスリ抜けそのものは可能だったらしいが、あれは本当に「失敗」だったのだろうかという疑念がぬぐいきれないのである。逮捕された容疑者そのものは、すでにテロリスト関係のリストに入れられていたといわれているが、ああも“都合よく”旅客機に乗り込めた事実を含めてだ。

 はたして、事件直後からイエメンをめぐる米軍の軍事活動の活発化が伝えられた。あくまで暴力で相手をやり込めようという鬼畜国家ならではの素早い対応だが、これはイラクやアフガニスタンに続くつぎの標的をでっちあげたということではないのか。いうまでもなくイラクやアフガニスタンでは戦況が膠着化してひさしい。オバマ政権はイラクからの撤退を予定している一方で、アフガニスタンについてはつぎの一手が打てない状況にあるようにみえる。こうした状況をふまえ、本音のある部分では戦争など維持し切れないということがあるかもしれない反面、別の標的、すなわちフレッシュな戦場をこしらえて膠着状態から抜け出したいという力が働いているということはないのだろうかと思うのだ。
 あるいはまた、空港における保安検査強化の一環として、全身透視装置の導入と運用とがにわかにクローズアップされている。とうに開発され一部で納品されていながら使いようがなかったシステムにとって格好のセールス材料がプレゼントされた形と解釈することも可能であろう。この機械については、プライバシー侵害という問題のほか、レントゲンを上回る放射線を用いることなどから健康的被害が取り沙汰されているが、ようは旅客全員を一律にテロリスト扱いするということにほかならない(件の容疑者がテロリスト名簿に載せられていたように、すでに100万人を超える名簿が作成されているといわれている。そのうえでの措置であることに注目されたい。また、装置を扱う側の被爆はどうなのか?)。そうしたシステムが拡大される可能性があるのである。メーカーの株価がどうなったか。興味のある方は調べてみてもいいかもしれない。

 だが、そうした“保安”をもってしても、問題の根幹は解決しないだろう。肝心なのは、暴力の行使をもってやまないテロリストの存在と同時に、なぜアメリカ合州国が少なからず憎まれているのかという部分にある。テロリストらの行動が、一般社会の多くの部分で受け入れられないのと同様、圧倒的な暴力をもって解決を謀ってきた米国流のやり方は、もはや根本から見直されるべきなのだ。ところが、そうした暴力を抜きにしては国が立ち行かないのがアメリカ合州国であり(この事実は、オバマ大統領がまとめた卒論上でも示唆されているが)、いままた新たな公共事業の場としてのイエメンを再開拓しようというのではないのか。

 年末にふと気紛れで買った「マルコムX」のDVD。マルコムがテロによって殺害されるラストとかぶり、いまだ暴力でしかものごとを解決しようとしない連中がいるといった旨の語りが挿入される。しかしあえて加えれば、暴力でものごとを解決するという力とともに、暴力によって潤おう勢力があるということかもしれない。しかも、潤おう連中そのものは、けっして自らが手を汚すことがないのだから、これ以上に卑怯で八百長的で狡猾なカネモウケの手段はないともいえる。


*補足:
 なお、アメリカ合州国に対する側、たとえばアルカイダについても究極には同じことがいえるのではないかと考えている。彼らが、もし本当の意味での抵抗(レジスタンス)を目的としているのであれば、テロなどではなく(あえていえば「テロ」だとしても)社会の多数に受け入れられうる手段を取らなければ、結局は相手側の思うツボではないのか。それともまったくセンスが異なるのか、あるいは狙いが別のところにあるのか……。
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