いくつかの世論調査や対参院選情勢調査の類によれば、自民の劣勢はますます濃厚との見方になってきたようだ。内閣支持率では支持25%前後に対して不支持は50%を軒並み超え、投票に向けての動向をみても民主が自民をリードするなど、その足元はもはや崩壊寸前といってもよさそうな気配をみせている。
前回は、自民のお粗末CMについても触れてみたが、そんなものをタレ流したところで、国民の多くはすでにその正体を見抜きつつあるのであろう。やっとこさ……ではあるが、自民がいかに策を弄しようとも次々と裏目に出ているようである。年金をダシにした件のCMなどは、「つい最近まで『すべての人に年金を払えというのか』と激怒していたくせに、支持率が下がると『すべての人にお支払いする』と正反対のことを言い出している」(齋藤文男九州大名誉教授@「日刊ゲンダイ」07年7月14日)であり、「自民党のテレビCMは、ちょっとおかしいのではないだろうか。安倍首相が「自民党は年金を全額お支払いします」というようなことをいっている。もともと年金は全額支払わなければならないのた。当たり前のことだ。それが自公“合体”政権の管理不行届きのためにおかしくなってしまったから、今回の問題になったのだ。それに自民党が全額支払える筈がない」(白川勝彦氏「最後の選挙サンデー!」)である。ていどの差こそあれ、国民の多くは現時点では政権に対して大いに不信を抱いているとみていいのではないだろうか。
前回は、自民のお粗末CMについても触れてみたが、そんなものをタレ流したところで、国民の多くはすでにその正体を見抜きつつあるのであろう。やっとこさ……ではあるが、自民がいかに策を弄しようとも次々と裏目に出ているようである。年金をダシにした件のCMなどは、「つい最近まで『すべての人に年金を払えというのか』と激怒していたくせに、支持率が下がると『すべての人にお支払いする』と正反対のことを言い出している」(齋藤文男九州大名誉教授@「日刊ゲンダイ」07年7月14日)であり、「自民党のテレビCMは、ちょっとおかしいのではないだろうか。安倍首相が「自民党は年金を全額お支払いします」というようなことをいっている。もともと年金は全額支払わなければならないのた。当たり前のことだ。それが自公“合体”政権の管理不行届きのためにおかしくなってしまったから、今回の問題になったのだ。それに自民党が全額支払える筈がない」(白川勝彦氏「最後の選挙サンデー!」)である。ていどの差こそあれ、国民の多くは現時点では政権に対して大いに不信を抱いているとみていいのではないだろうか。
さらに19日は政府広報を利用した公職選挙法違反を疑わせる“宣伝行為”が発覚、民主党が東京地検に告発をした。これは公平であるべき政府広報が年金問題を利用して自民党の宣伝とされたと疑われているものだが、たしかにそう捉えられてもおかしくない内容であり経緯をたどっている(前出の白川氏のコラム「貴方は問題のチラシを見たか?」参照。また件のチラシはココからどうぞ)。あの手この手でお得意のその場しのぎを謀る自民だが、やることなすことがことごとく裏目に出てみえる。背景には部内の批判勢力を粛正したがゆえに正常な舵がきれなくなったということが大局としてあるのではないかと想像するけれど、これこそが定向進化の果てなのかもしれない。
というさんさんたるありさまの自民なのだが、こうした国民の受け皿という点で十分といえないのもまたわが国の実状であろう。最大の対抗馬はさしあたり民主だが、それは単に自民でないということがもっとも有力な支持動機ではないか? 一部に注目すべき政治家がいることは自分自身も認識しているし、保守政党ということで自民よりは遥かにマシではあるけれど、その内部には自民顔負けのタカ派(靖国派)勢力を抱え、割合こそいくらかは少ないものの改憲を是をする議員は多い(したがって参院選でいえば選挙区はとにかく、比例区での支持をためらわせるだけの実績がある)。以前からなんどか記しているとおり、これでは自民主流に対する派閥の一種としか思えないではないか。まぁ、そんなところにも目をつぶらざるを得ないかもしれない……というのが哀れなる日本の実状なのかもしれないが。
で、共産である。よほどの共産党嫌いは別として、「好きではないが意見はマトモ」のようにも捉えられる面もあり、少ない議席のなかよくがんばっているともみられている部分がなきにしにもあらずなのに拘わらず勢力がちっとも伸びない政党だ。伸びない理由はいろいろ言われていて、同感できるものも少なくないが、少なくとも同党が主張する「たしかな野党」という点にウソはないし、もう少しは認められてもいいのではないかとも思っている(そのほうが政治の場での均衡や平等性が期待できるのではないか?)。
7月20日、「My News Japan」がこの共産党機関紙についての取材ルポを掲載、意外なほどの反響を得ている。「トヨタは労働者を“部品”と同じように扱う トヨタ取材歴17年『赤旗』記者に聞く」と題された記事は、同紙のトヨタでの労働問題やいくつかの企業での擬装請負い問題の取材・記事を取り上げ、「一政党の機関紙であり、日本記者クラブにも加盟していない赤旗が、なぜ他紙が後追いせざるをえないようなスクープを連発できるのか」という当然の疑問への答を探っているものだ。個人的にもジャーナリズムのひとつとして同紙を評価しているので、たいへん興味深く読ませてもらったが、「広告収入に依存せず」、だからこそ数々の問題点を洗い出せるという姿勢は、まったくもって正論というものである(本多勝一氏はかなり以前からこの点を主張してきたが)。そしてスクープに対する姿勢。「企業や行政の人事とかを1日かそこら早く抜くスクープにはほとんど意味がない。どうせわかることをスクープと称しているのは恥ずかしい。本当のスクープとは、隠したままでいると社会全体が損害を被る問題を暴き出すことです」(同記事・奥原紀晴編集局長)というくだりはまさにジャーナリズムの基本であり大原則であるといえるだろう。
というような内容なのだが、いまひとつ面白いなと思ったのは、同サイトの「読者の声」である。簡単なコメントが書き込めるようになっているものだが、記事に対する批判的な意見(なかには誹謗中傷の類もみられるが)が散見されるなか、同記事に対しては同意あるいはほぼ同意といってよさそうな書き込みが大半なのである。今回のブログを記すまで数時間おきにチェックしているが、いまのところ荒らされる気配もなく“まったりと”コメントが進められているのが、じつは少しばかり意外でもあった(度を超した中傷などを編集部が削除している可能性もあるが)。まぁ、素直にみれば、「共産については不満もあるが、ジャーナリズムとしての『赤旗』は評価せざるをえない」というところであろうか。
そんな評価がある一方で、世論調査などではいまだ頭角を顕わす気配がみられないのはどうしたことか。同党はこの点を真剣に考え直す必要があろう。
たとえば、共産に対してはその選挙戦略に対して批判や疑問が挟まれることがだいぶ目立ってきた。共産単独ではとても勝てない選挙に独自候補を出す。場合によっては野党の共闘によって与党を落とせる可能性のある選挙でも独自路線が強い・・・など。さきの東京都知事選でもそういう声は少なくなかった(が、この点については若干の疑問がないわけではないが、浅野不支持という点は理解できる)。今回の選挙にあたっても同様の声が散見されるが、オレ自身としても、仮にある選挙区に共闘できる候補者がいるのであれば、探して手を挙げてでも与党落としに力を注ぐべきではないかと考える部分がある。「貸しをつくる」という言い方はよくないけれど、たとえば沖縄選挙区で展開しているような形をもっと拡げられないのかと思うのである。そのうえで党独自として比例区に全力を尽くすやり方だってあるのだ(もちろん共闘相手がいないとか、党独自で勝てると判断する選挙区は独自でゆけばいいだろう)。おそらく、こんなことを感じている有権者は共産支持層を含めてけっして少なくないのではないかと思うし、逆に独自色の強さが敬遠される要因にもなっているようにも感じられる。
さらに、今回の「My News Japan」の記事を活かす手立ても考えるべきである。念のため「しんぶん赤旗」のサイトもチェックしてみたが、取り上げられたことの短い紹介記事があってサイトへのリンクはあるものの、「My News Japan」側からの来訪者を想定した部分があるようにはみえなかった。オレが編集長だったら、一部画面をつくりかえてでも「わが党はこんなこともやっています」と、さきに記したような疑問に答えるべく派手目な宣伝をやらかすところだが、同党はよほどの不器用なのかな……という気さえするのである(オレ的には通常のヘッドラインだけでも十分に参考になるが、ひょっとするとこうした声を認識していながらも耳を貸さないほどじつは硬直した組織なのだろうかという疑いを持つこともできる。支持の種は批判のなかにもあると思うのだが……)。
まぁ、現状があまりにもアンバランスな国会なので気合いの入った野党として同党を弁護というか叱咤激励したくなりMASITAという話なのだが、ほかの小さな政党や個人を含めて応援したい候補者は何人かいる。なかには、この候補者が自分の選挙区だったらという例もある。そうしたひとびとを探し出すというのも、選挙にあって大切なことかもしれない。
*おまけ:
アカギちゃんが「知らなかった」とかなんとか言い訳しているのをみていたら、勝新をふと思いだした。勝新は同じ開き直るのでも、もっとシャレていて「神様からもらった」とか、そんなセンスがあったにゃぁ。まっ、勝新は極めて人間味に溢れたステキなひとだったが、くらべるまでもなくアカギちゃんでは人間としての器が違いすぎて勝新に失礼というものだ...と自分で思い浮かべておいて反省してしまった次第。それにしてもこんなことを「知らなかった」でとおせると錯覚している大臣とそんなていどの男を要職に座らせたおぼっちゃんの不見識ときたらどうか。ようはなにをどう言い繕ってもダメなのだ。言い訳すればするほどドツボにはまるだけ。かつての自民なら知恵ものがなんらかの手を打つなりしてカタをつけたところなんだろうけれど、もはやそんな能力も残されていないということなのかもしれない。そして「はいそうですか」式になすべき追求をする発想すら窺えない大半のマスメディア。自民のつぎに棄てられるのはどなたでしょうかねぇ。合掌。
というさんさんたるありさまの自民なのだが、こうした国民の受け皿という点で十分といえないのもまたわが国の実状であろう。最大の対抗馬はさしあたり民主だが、それは単に自民でないということがもっとも有力な支持動機ではないか? 一部に注目すべき政治家がいることは自分自身も認識しているし、保守政党ということで自民よりは遥かにマシではあるけれど、その内部には自民顔負けのタカ派(靖国派)勢力を抱え、割合こそいくらかは少ないものの改憲を是をする議員は多い(したがって参院選でいえば選挙区はとにかく、比例区での支持をためらわせるだけの実績がある)。以前からなんどか記しているとおり、これでは自民主流に対する派閥の一種としか思えないではないか。まぁ、そんなところにも目をつぶらざるを得ないかもしれない……というのが哀れなる日本の実状なのかもしれないが。
で、共産である。よほどの共産党嫌いは別として、「好きではないが意見はマトモ」のようにも捉えられる面もあり、少ない議席のなかよくがんばっているともみられている部分がなきにしにもあらずなのに拘わらず勢力がちっとも伸びない政党だ。伸びない理由はいろいろ言われていて、同感できるものも少なくないが、少なくとも同党が主張する「たしかな野党」という点にウソはないし、もう少しは認められてもいいのではないかとも思っている(そのほうが政治の場での均衡や平等性が期待できるのではないか?)。
7月20日、「My News Japan」がこの共産党機関紙についての取材ルポを掲載、意外なほどの反響を得ている。「トヨタは労働者を“部品”と同じように扱う トヨタ取材歴17年『赤旗』記者に聞く」と題された記事は、同紙のトヨタでの労働問題やいくつかの企業での擬装請負い問題の取材・記事を取り上げ、「一政党の機関紙であり、日本記者クラブにも加盟していない赤旗が、なぜ他紙が後追いせざるをえないようなスクープを連発できるのか」という当然の疑問への答を探っているものだ。個人的にもジャーナリズムのひとつとして同紙を評価しているので、たいへん興味深く読ませてもらったが、「広告収入に依存せず」、だからこそ数々の問題点を洗い出せるという姿勢は、まったくもって正論というものである(本多勝一氏はかなり以前からこの点を主張してきたが)。そしてスクープに対する姿勢。「企業や行政の人事とかを1日かそこら早く抜くスクープにはほとんど意味がない。どうせわかることをスクープと称しているのは恥ずかしい。本当のスクープとは、隠したままでいると社会全体が損害を被る問題を暴き出すことです」(同記事・奥原紀晴編集局長)というくだりはまさにジャーナリズムの基本であり大原則であるといえるだろう。
というような内容なのだが、いまひとつ面白いなと思ったのは、同サイトの「読者の声」である。簡単なコメントが書き込めるようになっているものだが、記事に対する批判的な意見(なかには誹謗中傷の類もみられるが)が散見されるなか、同記事に対しては同意あるいはほぼ同意といってよさそうな書き込みが大半なのである。今回のブログを記すまで数時間おきにチェックしているが、いまのところ荒らされる気配もなく“まったりと”コメントが進められているのが、じつは少しばかり意外でもあった(度を超した中傷などを編集部が削除している可能性もあるが)。まぁ、素直にみれば、「共産については不満もあるが、ジャーナリズムとしての『赤旗』は評価せざるをえない」というところであろうか。
そんな評価がある一方で、世論調査などではいまだ頭角を顕わす気配がみられないのはどうしたことか。同党はこの点を真剣に考え直す必要があろう。
たとえば、共産に対してはその選挙戦略に対して批判や疑問が挟まれることがだいぶ目立ってきた。共産単独ではとても勝てない選挙に独自候補を出す。場合によっては野党の共闘によって与党を落とせる可能性のある選挙でも独自路線が強い・・・など。さきの東京都知事選でもそういう声は少なくなかった(が、この点については若干の疑問がないわけではないが、浅野不支持という点は理解できる)。今回の選挙にあたっても同様の声が散見されるが、オレ自身としても、仮にある選挙区に共闘できる候補者がいるのであれば、探して手を挙げてでも与党落としに力を注ぐべきではないかと考える部分がある。「貸しをつくる」という言い方はよくないけれど、たとえば沖縄選挙区で展開しているような形をもっと拡げられないのかと思うのである。そのうえで党独自として比例区に全力を尽くすやり方だってあるのだ(もちろん共闘相手がいないとか、党独自で勝てると判断する選挙区は独自でゆけばいいだろう)。おそらく、こんなことを感じている有権者は共産支持層を含めてけっして少なくないのではないかと思うし、逆に独自色の強さが敬遠される要因にもなっているようにも感じられる。
さらに、今回の「My News Japan」の記事を活かす手立ても考えるべきである。念のため「しんぶん赤旗」のサイトもチェックしてみたが、取り上げられたことの短い紹介記事があってサイトへのリンクはあるものの、「My News Japan」側からの来訪者を想定した部分があるようにはみえなかった。オレが編集長だったら、一部画面をつくりかえてでも「わが党はこんなこともやっています」と、さきに記したような疑問に答えるべく派手目な宣伝をやらかすところだが、同党はよほどの不器用なのかな……という気さえするのである(オレ的には通常のヘッドラインだけでも十分に参考になるが、ひょっとするとこうした声を認識していながらも耳を貸さないほどじつは硬直した組織なのだろうかという疑いを持つこともできる。支持の種は批判のなかにもあると思うのだが……)。
まぁ、現状があまりにもアンバランスな国会なので気合いの入った野党として同党を弁護というか叱咤激励したくなりMASITAという話なのだが、ほかの小さな政党や個人を含めて応援したい候補者は何人かいる。なかには、この候補者が自分の選挙区だったらという例もある。そうしたひとびとを探し出すというのも、選挙にあって大切なことかもしれない。
*おまけ:
アカギちゃんが「知らなかった」とかなんとか言い訳しているのをみていたら、勝新をふと思いだした。勝新は同じ開き直るのでも、もっとシャレていて「神様からもらった」とか、そんなセンスがあったにゃぁ。まっ、勝新は極めて人間味に溢れたステキなひとだったが、くらべるまでもなくアカギちゃんでは人間としての器が違いすぎて勝新に失礼というものだ...と自分で思い浮かべておいて反省してしまった次第。それにしてもこんなことを「知らなかった」でとおせると錯覚している大臣とそんなていどの男を要職に座らせたおぼっちゃんの不見識ときたらどうか。ようはなにをどう言い繕ってもダメなのだ。言い訳すればするほどドツボにはまるだけ。かつての自民なら知恵ものがなんらかの手を打つなりしてカタをつけたところなんだろうけれど、もはやそんな能力も残されていないということなのかもしれない。そして「はいそうですか」式になすべき追求をする発想すら窺えない大半のマスメディア。自民のつぎに棄てられるのはどなたでしょうかねぇ。合掌。
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ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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