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猫池罵詈雑言雑記帳
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 テレビニュースの類では、連日のトップが相変わらず原発問題。至極当然ではあるけれど、そうした震災にからむ“便乗”についての報道や考察がちょっと少ないのではないかと思うのだがどうだろうか。

 ここでいう“便乗”とは、大災害に乗じてしかつめらしい態度を装いながらある種の利益誘導をしているような動きや連中を指す。もちろん、急場の応急措置を含む災害対策といえる施策は必要だ。そうしたなかには、その施策の結果として事業者の売り上げにつながったり、(経費削減効果などにより)利益向上になる例もあるかもしれないが、そういうところにまで批判をするつもりはない。

 たとえば細かなところでは、鉄道会社のいくつかがエスカレーターの停止や構内設備および営業車両内の減灯、空調カットなどを実施たり、間引き運転といったダイヤ変更を試みたりしている。利用者としてみた場合、こうした施策のなかには「どうせ空いている(乗車率の低い)列車や時間帯、線区だから鉄道会社にとってむしろ好都合なんじゃないのか?」と思わせる例もあるし(*注1)、空調を切った密閉車両とはなんとも不健康きわまりなく、正直なところできれば乗りたくないと思うことも多い。個人的には駅のエスカレーターは(東京駅の地下ホームみたいなところを除いては)ふだんから使わないからいいけれど、しかし年輩者や障害者、身体の具合のよくない乗客にとってあれが停まっているというのはサービス低下どころか門前払いに近いといえるだろう。バリアフリーがなんぞと進められているなか、杓子定規の停止には疑問を抱かざるをえないし、かといって機械とマニュアルだのみにされ、人的フォローを期待できるような組織では(とくにJR)とっくになくなっているのがわが国の鉄道会社である(その節電の一方でカネモウケ用の自社系飲料水の自販機などはどうなっているのかな?)。

 あるいは、高速道路(高速の多くは株式会社である)を含む道路街路灯が極限まで消され、突然のように暗闇のなかの運転や歩行を強いられる。テレビニュースでこの問題を取り上げているものがあったが、実際に事故が増えているというのだから、施策者の責任を問われてもおかしくはないかもしれない。本当に、どこまでが必要でどこまでが不要なのか、少しはアタマを使っているのだろうか? なかには「脳腫瘍になっちゃうから脳みそなんかとっちまえ」式の乱暴がまかり通っているのではないのか?

 しかし、そうしたことを含む問題点を持つとはいえ、節電そのものには大賛成である。日常生活を含むことでいえば、たとえば冷暖房は本当にあそこまで必要なのかということはこれまでも思ってきた。長袖を着ていないととても長くはいられないスーパーマーケット。冬などに、建物に入ったとたんに汗が吹き出しかねないほど暑いデパートやホテル。そうした公共的ハコの暖房は、たとえばヨーロッパ(例外もあろうが)ていどのレベルで十分なのではないか? 鉄道車両も然り。かつて通勤していたころは、夏場でも薄手の羽織りが必須だった(スーツ姿での出勤が稀だったこともあるが)。街や建物のなかなどは明るいほうが気分はいいけれど、あれだって本当に(どこまで)必要なのか、そうしたもろもろを考えなおすいい機会ではないかと思う。ほかにももっと書き記したいことがあるが、本題がこれからなのでこのあたりにしておくが……。

 したがって、ここで少し挙げたなかにはたしかに“便乗”としか思えない施策もあるのだが、その一方で(施策者の狙いとは別のところを含め)評価してもいいのではないかと考えている。だが、いうまでもなくまったくの便乗が進みつつあるのがわが国である。
 消費税倍増計画がまことしなやかに進行中で、どういうわけかその事実を正面から取り上げる大手メディア(とくにテレビだが、インターネット配信にも驚くほど少ない気がする)に乏しいのはどういうことだろう。これまで、数十年にわたって「福祉目的」だの「社会保障費」がどうのと“百万べん”も繰り返されてきた消費税だが、ここにきて「復興財源」など震災便乗が加わり、まさに震災のスキをつくかのように増税が強行されつつある。なにしろあれだけの災害だ。まさに国家レベルの大事件であり、国や国民を挙げて対処しなければならない。それはそのとおりだと思うが、だからといって消費税を含む庶民向け大増税がまかりとおっていいというタテマエにはなりはしない。一部では、数百億もの政党助成金を返上すべしなどの声もあり、それはまったくもってそのとおりだと思うが、そうした八百長的投げ銭に加え、財源はカネのあるところにあるからだ。

 たとえば、減税をはじめとする国家的優遇もあって莫大な資産を抱え込んだ一部大企業。数百兆円規模ともいわれる“凍結数字(個人的造語)”のわずか1割でも本来あるべきだった税として社会に還元されたらどれだけ社会にとってプラスになるか?(*注2) あるいは、事実上の賭博として機能しているある種の市場に対する税の優遇を撤廃したらどうか。そんなラクして余り金を増やそうなどをしている連中を優遇する余裕があるなら、むしろモノづくりにしろ流通にしろさまざまな開発にしろ真面目にその事業そのものに取組んでいる企業なりの事業環境を整えるべきであろう(ちょっと話が逸脱したが)。
 ようはカネはあるのである。あるところには。そのなかには、たしかに企業努力によって得られた利益も大きいには違いないが、それですべてが説明できえないところに問題があり、その責任が国家にもあるといいたいのである。言い換えれば、「借りを返す」側と「責任を取る」側との役割と果たせということ。安易に庶民増税に走るということは、そうした「借りを返す」側をウレシがらせるだけである。

■さらにお粗末な便乗馬鹿
 それにして、も。驚いたのが、このドサクサに乗じてカジノの合法化をてっちあげおうという連中や、これまたしかつめらしい理由を(そのじつココロにもないクセに?)ぶちあげてオリンピック開催誘致をきめたおとっつぁんである。こうした連中、あまりにもバカバカしてくて真面目に論評する気にもならないが、さしあたりいえるのは、大小清濁、さまざまな便乗あるいは“便乗”的施策がはびこっているなかで、考えうるかぎり最悪の便乗ということですなぁ(笑)。まだしも復興関連の、たとえばゼネコン株などでひとモウケしようなどいったヒマ人のほうが社会的にみても有益だといえるだろう(いちおう形としてはいくばくかの投資として事業に役立つ場合もあるわけだろうし)。それに比べて前者ふたつの愚劣ぶりときたら……。とくに東京へのオリンピック誘致なんぞ、前回ですでに惨敗し、かつそれまでに血税をいくら注ぎ込んだのか、あの小説家崩れは理解しているのだろうか。彼がそれを本当に必要な事業だと考えているならそれはそれで結構だが、こういうドサクサまぎれに推進を表明したあたりに、あの男のガキぶりと浮き世離れ、常識喪失、人格喪失、その他もろもろを窺うことができよう。まっ、これはタチの悪い冗談だが、あえてカレにレベルを合わせて差し上げつつ対案を示すならば、「オリンピックは三陸および福島浜通りのいずれかあるいは全域に誘致。東京都心には都知事が大好きな原発を誘致しなさい」ということになる。ぜひとも、これをセットでぶち挙げていただきたい。

*注:
・1:先日、韓国から帰国してJR東日本成田空港駅にゆくと、その時間帯(11〜14時ごろ)の「成田エクスプレス」全便が運休されていた。千葉県在住のオレにとってはまったく立たない列車だというのはさておいて、いつも感じていたのは、その時間帯の「成田エクスプレス」は気の毒なぐらいにガラガラだなぁということだった。最繁忙期はいざしらず、上下列車とも、あれでペイできるのかというぐらいの空きようなのである。

・2:このあたり、数字の“遊び”としてみた場合、数百万人規模の餓死者が予想されているなど国家的破綻にある北朝鮮が、そのGNPの3割弱ともいわれる軍事予算のたとえ1割でも国民生活に回したらどうなのかという比較もできる。資産を抱え込みたい連中は、けっして金王朝のことを笑えたりはしないのである。
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 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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