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猫池罵詈雑言雑記帳
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 珍しくも同意できる話である。あの石原のおとっつぁんが震災時におけるJR東日本の対応について疑問を呈し、同社に向けて抗議文を送ったというのである。
 これは、震災当日のあの寒空のなか(同社路線利用者を多数含む)帰宅困難者が続出していたにも拘わらず同社が駅構内などから「乗客を締め出した」ことについて、おとっつぁんが一席ぶったもの。当ブログでも仙台駅がシャッターを下ろして利用客や避難者らを締め出した件について触れたことがあるが(人的要因が被害を拡大するの巻)、いかに形のうえでは私企業(*注)であるとはいえ、鉄道という公共交通および関連施設を私物化してやまない同社の体質を物語る好例といえよう。「あのスペースは法律で課税の減免してもらっている。それなのに構内を緊急時に国民に解放しないなら、法律変えてでも税金かけたらいい」というのがおとっつぁんの主張で、緊急時云々をさておいても通常どおりの課税をするというのが公平な競争の原則というものであろう。これに関しては大いに実行していただきたい。
 さて、一部JRがみせる“反社会性”という点についてこのごろ考えていることもあり、いずれ今回のおとっつぁんの主張に類することを含めて述べてみたいと考えているが、今日の主役は東日本ではなく北海道である。

 27日夜、JR北海道石勝線のトンネル内で列車火災が発生、39人の乗客が病院に搬送されるという事件があった。
 報道によれば、21時55分ごろ、占冠村にある第1ニニウトンネル(685メートル)の釧路側およそ200メートル付近で特急「スーパーおおぞら14号」(釧路発札幌ゆき)が立往生、ほどなく車両から出火し6両編成が全焼したという。およそ240人の乗客は札幌側のトンネル出口までのおよそ300メートルを徒歩で脱出したものの、煙の被害などにより富良野市(!)や帯広市(!)などの病院に搬送されたというのである。
 その後の調べで、後ろから2両目の車両が脱線していることなどが明らかにされたが、さらに恐るべきは、乗務員から運転指令、幹部にいたるまで、同社側が(おそらくは)ただのひとりとして車両火災を認識しておらず、乗客自らの判断によって脱出が完了するまでにおよそ1時間半を要したという事実である。一歩間違えば(あるいは乗客の機敏な判断がなければ)大惨事になるところだったのだ。

 同社独自のマニュアルかどうかはわからないが、こうしたケースにおいて必須である乗客避難への判断がまず現場(乗務員ら)に任されていないというのにまず驚いた。なんでも、手順としては乗務員が運転指令に報告、それを受けて指令が避難の可否を判断し乗務員に指示を与えるのだそうだ。現場の詳しい状況など知る由もない運転指令が、はたしてどれだけの材料で判断するのかは知れたものではないが、トンネル内事故でもっとも恐れるべきは車両火災であるというのが鉄道運営のイロハに含まれているハズだ。
 有名なところでは、1972年11月に起きた北陸トンネル火災事故がある。トンネル内走行中の列車の食堂車から出火、1万3870メートルの長大トンネルの半ば(敦賀側から5・3キロ)で車両を停止してしまったことや、深夜帯(1時9分ごろ)で大半の乗客が就寝していたことなどから被害が拡大し、30人が死亡、714人の負傷者を出す結果となったものだ。事故後にはいくつかの対策が講じられたが、そこには(5キロを超すトンネルを対象としているものの)列車火災時にトンネル内で停止しない旨も含まれる。
「トンネル内の事故でなにがいちばん恐いか? これは列車火災です」
 かつて青函トンネル内の吉岡海底駅見学で案内の職員が説明していたが、まさに「いちばん恐い」のである。だから「イロハ」なのだ。

 しかるに乗客の避難や誘導の判断ができない乗務員(現場)。しかも証言が本当ならば、「車掌も乗務員も最後まで火災という認識はなく」というのだから、これはもう根本から鉄道マンとしての資質を会社の末端にいたるまでを疑わざるをえない状態といえるだろう。乗客の自主的避難が済むまで(?)事態の把握ができず、同社によれば2時間以上を要したというのは尋常ならざる事態といわざるをえない。ところが「認識はなく」と語っているその口で、車両から煙が出ていたことを認識していたと認めているのである。仮に火災そのものが現認できなかったとしても、「異音」(同社証言)とともにトンネル内で列車が立往生、さらに煙。しかも脱線していた可能性すら高い(現段階)なか、どう考えると乗客の避難を躊躇あるいは否定することにつながるというのか?

 石勝線は単線で、数カ所に設けられた駅や信号場によって列車の行違いをするとともに相応の閉塞区間が設けられており、列車の運行は最新あるいはそれに近い制御設備で管理されている。仮にほかの列車と避難客との衝突などの可能性を考えるとしても、列車の立往生が起きれば当然にして抑止がかかるハズで、つまりは避難客の安全と避難の躊躇はまったく相容れないことになる。
 考えられることは、鉄道運営の基本からして同社が常識を喪失してしまっているということではないか。国鉄時代の負債にも関連し、同社にはいわゆる「脂が乗り切った」世代が欠けているとも言われているが、それはさておいても、鉄道に対する愛着も熱意も責任感もない社員が、トップから末端にまではびこっているということすら想像したくなってくる。ようは企業としては社会的責任云々を反故にしてまでもカネモウケ。社員ひとりひとりも仕事への熱意よりも月給と賞与を手につつがなく日々をすごす(まっ、悪いことではありませんがね)ことこそが第一。その結果のひとつが今回の事件だったのではないのか? 列車の運行を取り止めて乗客の避難を実施すれば、それだけでモウケの負担になる。たいしたことがなければダイヤもすぐに回復するのだ。それよりも避難などさせて乱れたダイヤ(モウケ)をどうするのだ。乗客の安全よりもコスト優先。これがJR北海道の基本姿勢だと指摘しておくのもあながち言い過ぎではないような気さえする(「反省してる」と幹部が抜かしているそうだが、28日夕方のテレビニュースの記者会見画面からは、とうていそんな態度を窺うことができなかった)。

 いうまでもなく、北海道の鉄道は魅力が多く、個人的にもけっして楽ではないハズの状況のなかで懸命にがんばっているJR北海道を応援したい気持ちを持ってきた。だがこの事態をみるかぎり、残念ながら「懸命にがんばっている」というのは、鉄道愛好家の一方的妄想だったようである……。

■注:
 JRグループの一部は、いまでは一部上場という一流企業と捉えられているが、所詮は国策によって利用されている非自主性的な組織にすぎない。近ごろでは本業とは別に(天下り的人員流用の狙いもあるのか?)さまざまに事業を展開しているとはいえ、そうした点を含めても、創業から私企業として勝負してきた歴史を持つ民鉄各社のそれとは企業としての背景も起業の精神も大いに異なるとみる。
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