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猫池罵詈雑言雑記帳
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 政治ニュースは、来る日も来る日も党利党略権力争い。そんなさなか、22日には国会の会期絵延長が議決された。しかしこんなのはあたりまえのことであり、ああだこうだと騒ぐほうがどうかしている。国家・国民の一大事を前に、できうる議論を進めてゆく必要があるからだ。したがって、菅政権の思惑はどうあれ、会期延長そのものには賛意を示さざるをえない。問題は、それでもってなにをするのかである。

 だが、そこに至るまでの道のりはいかにもバカバカしかった。最大野党の自民党とそのコバンザメはとにもかくにも菅政権の退陣を第1とし、とうていマトモな議論にあたったとはいえない。これは“あの”共産党でさえ会期延長に賛成したというのとは好対照で、ようはいまなにを最優先させるべきかという常識が欠如しているということであろう。

 たしかに菅政権は自創政権時代の面々(……安倍・福田・麻生etc.)と双肩する無能ぶりであり、ここにいたっても、首相はおろか民主党自身からしてなにをどうしたいのかがみえてこない部分が多い。
 一方でみえているところといえば、これが消費税倍増計画であったり、TPPへの参加計画であったり、沖縄基地問題という売国行為であったりするのだから、ようは自創時代と本質的な部分でこれっぽっちも変わっていないことになる。ということは、ここで自民公明両党が「退陣しろ」などと主張することはとんだお笑いぐさ。もとい、退陣要求そのものは正当かもしれないが、だったら前政権政党のクセにマトモな対案のひとつでも挙げているのかと訊きたいものだ。被災問題然り。原発問題然り。消費税はどうするのか? TPP問題では民主党と異なる考えなのか? 沖縄をはじめとする米軍基地問題だってそうである。そうしたもろもろに対し進歩的な対案を示せないにも拘わらず、いったいぜんたいなにを騒いでいるのか。まさにお先真っ暗である。

 断っておくが、民主党にせよ自民党にせよ、なかには優れた政治家だっている(アタマ数要員にしかならないゴミ以下も多数だし、別の意味で優れているのもいるワケだが)。しかし、そうした政治家個人にせよ、集団としての政党にせよ、その志しはどうあれ、本当の意味での政治家はどれだけいるのだろうかと思う。この民主主義国家、その国の立法府を動かす政治家が。

「議員になるのはそう難しいことではない。しかし、政治家であるのは難しい」
 とある地方自治体の議会で議長を務める知人(民主党)の言葉である。選挙で勝って議席を得るのが政治家の仕事ではない。問題はそうしてなにをするのか。だれのための政治家であり続けるのか。その知人は、住民の意見や状況を常に知るように務め、率先して行政を動かす行動を続けている。おかげで行政からはうるさがられているそうだが、これはみな地域のためであり住民の暮らしを慮ってのことである。しかし、こうした当然のことをしようともしない議員も少なからずいるというのだから、選んだ側としてもなにが政治家の仕事なのかという原点に立ち返りつつ仕事ぶりを見守ってゆく必要がある。

 蛇足ながら、この知人は民主党代表選びにおいて、迷うことなく小沢一郎氏に投票したという。すると、選挙戦中に菅陣営(もっとハッキリ書けば菅夫人なんだが)から菅直人氏への投票を呼び掛けられたそうな。しかしすでに投票済みだったし、肚も決まっていたことなのでそう告げると、その後に民主党関係者から嫌がらせの電話がたびたびかかってきたらしい。これはご本人の談で、「ブログに書いてもらって結構!」とのコメントをいただいている裏話だ(知人は自治体名や知人本人の名前も公表していいと語っていたが、いちおうは匿名とさせていただく)。しょせんはこんなものである。

 さて、白川勝彦氏が菅政権について触れた言説のなかに興味を惹いた一文があった。いわく、「政治不信を通り過ぎて、政治への諦めを招く。いや、現にそうなっている。それこそが、彼らの最大の罪なのである」(「政治は心意気」)。たしかにそうなっているかもしれない。いまなお右往左往付和雷同でフラフラしているような層が大半かもしれないが、たとえば民主党に対する幻想に裏切られながらも、とっくに愛想を尽かし済みの自民党に対する幻想もまた持っていないひとびとなどもそれにあたるだろう。あるいはハナからそうした政治集団と相容れず、ところが対抗すべき“第3の勢力”のあまりの沈滞ぶりに絶望しつつある層。民主党の裏切り(オレはそう思ってないけど・笑)と菅政権の無能ぶりとがそんなところにトドメを刺す。ホント、残るは諦めばかりか……?

 だが、同時にイヤ〜な予感がする。非常に危ない。
 こうした状況にあって危惧しているのは、ある種“ヒーロー”の登場である。現存の人物でいえば、たとえばコイズミスネオ。4選でいまなお居座り続ける石原のおとっつぁん。大阪や愛知にも類似の人気者がいる。こうしたセンスの人物が“ハーメルンの笛吹き”としてまさに“彗星のごとく”国政に登場する。そしてそれはけっして民主的でもなんでもなく、いわば反動のヒーローとしてまつりあげられ、強権をふるうハズである。ようはヒトラーと同類だ。そうなったとき、おそらく有権者の多くがまんまと乗せられ、テレビを中心に新ヒーローがイヤというほど露出することになろう。いまの自民党や民主党をみているとそうした役割にふさわしい人物がこれといってみあたらないが、政治を表裏で操る側(高級官僚やら財界やら米国やら)にとって、人物をまつりあげることはそう難しいことではないかもしれない(旧ソ連がソ連軍の一将校でしかなかったキムソンジュを“抗日のヒーロー”金日成としてでっちあげたのを連想する)。

 そんなでっちあげの“ヒーロー”がどこからどのようにして現われるかはわからないが、なんにしても諦めは敵に利するだけである。
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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