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猫池罵詈雑言雑記帳
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 懲りずに……といってもなんに懲りるのかはわからないが、今日から韓国取材である。取材の模様は備忘録を兼ねて姉妹ブログの「つれなのふりや」に順次アップしているのでぜひご笑覧いただきたい。あれこれテーマをちりばめつつ取材を続けてゆくつもりではあるが、最初のターゲットは鉄道の旅である。しかし、その“第1章”も今回でひと段落させる予定だ。一連の展開をたどってゆくと気がつくひともいるかもしれないが、ちょっとした狙いが達成(大袈裟)されるからである。じつは、その“狙い”の9割9分以上は前回まででクリアされているため、今回の“仕事”はほんのわずか。したがって、のんびりと観光気分を味わいつつ過ごせれば……といったところだ。

 さて、首都圏在住者にとって、外国旅行の代表的な入口となるのが成田空港であろう。本来ならば、韓国旅行であれば下関あたりから船で渡りたいところではあるけれど、予算的にも時間的にもちょっとしたぜいたくである。成田〜仁川間の航空券は、この時期ならばいわゆる格安航空券で3万円内外(サーチャージ及び諸経費込・往復)で済む。これが、たとえば日韓鉄道とフェリーとをセットにした割引切符「日韓共同きっぷ」だと東京都区内からソウルまで2万9260円(「のぞみ」は利用不可・片道)。趣味的・取材的見地はとにかくとしても、予算としてまったく話にならないのであった。

 というわけで、はからずも成田空港を使うことになる。馴れた空港となれば気分も楽だし、さしあたり利用者の立場として成田空港を云々するつもりはない。ここでちょっと触れておきたいのはそのアクセス、とくにJRのそれである。
 千葉県で暮らすこともあって、当然のことながら成田は最寄りの空港である。したがってとりわけ便利であるハズなのに、じつは千葉市をはじめとしていくつかの地域では近くて遠いことに気づいた。

 成田空港へのアクセスとしては、路線バス(いわゆる「リムジン」を含む)が空港と各地とを細かく結び、対都心としてはJRの快速および「成田エクスプレス」、京成の「スカイライナー」などが代表である。「成田エクスプレス」なら東京駅から成田空港駅までおよそ1時間。定時性もよく便利だ。
 この「成田エクスプレス」、一部時間帯を除きほぼ30分おきに運転されている。快速「エアポート成田」は同じくほぼ1時間に1本の運転なので、東京〜成田空港間のJRは1時間あたり3本の足が確保されていることになる。通常ならば十分であろう。ところが、その通過線上にあたる地域にとっては、その恩恵が半分も得られないところにダイヤ上の疑問がわく。
「成田エクスプレス」の朝の上りと夕方の下りには千葉や四街道などにも停車するが、大半は東京〜空港第2ビル間がノンストップである。千葉などへの停車は、時間帯からみても通勤客などの利用を狙ってのことであろう。例外的に「A特急料金」が適用されるため、乗車距離によってはべらぼうな割高感があるにも関わらず、実際に千葉駅での上り列車利用者もいることはいる(*注)。逆にいえば、通勤時間帯(平均的な時間帯からはやや外れているが)以外の沿線途中は無視されていることになり、ようは1時間に1本の快速しか利用できないことになってしまう。

 たとえば、韓国帰りに利用するケースのあるOZ102便の成田着が12時10分(12月現在)。荷物預けがなければ13時00分発の快速に余裕で間に合うけれど、ターンテーブル待ちが加わればなかなかに微妙な乗継ぎとなる。これは笑い話なのだが、あるときまさにそんなタイミングでJRの自動券売機前に着いたのが12時58分。ギリギリだがなんとか間に合いそうだ。ところが、マヌケなことにサイフの中身の現金がウォンだけだったんですなぁ(笑)。でまぁ、自分のミスがあってギリギリに1時間に1本きりの列車を逃してしまったわけだが、1時間に2本ある「成田エクスプレス」うちの1本でも千葉に停めてくれれば使えるのになぁというのも正直な気持ちであった。そうすればJRにとってはあの高価なA特急料金ぶんの増収(成田空港〜千葉間1240円・通常期)である。なにやら近くで恐縮してくださった女性社員には「いえいえ、いいですよ。京成で行きますから」と笑顔で答えてはみたものの、この乗継ぎミスにJRの責任はまったくないとはいえ、もう少しダイヤに柔軟性を持たせてくれたらなぁと思ったわけである。

 ちなみにといおうか、京成の「スカイライナー」は途中の船橋にも停車するし、たとえば千葉駅に出たいのであれば特別料金不要の特急から京成津田沼で千葉行きに乗り変えれば、JR快速を1時間近く待ちぼうけするよりもいくらかは早く着く。ただし乗り換えはやはり面倒だ。一方、手段を変えてバスを利用すると、こんどはそのバスが幕張メッセ地区を周回してから千葉市街に向かうため、必ずしも使いやすい乗り物にはなっていない。しかしこのことはJRにとって乗客を逃がさないための施策が必要かつ有利であることを示してはいないだろうか。毎時2本ある列車の停車パターンを少しだけ変えればできる単純なことだと思うのだが、それとも千葉界隈の利用客はことのほか少ないのだろうか(千葉停車によって、房総方面だけでなく都心方向の総武線沿線利用者の利便性が増す)。

 ところで、ちょっと前の話題になるが、都心と成田空港とを結ぶ新アクセス鉄道(印旛日本医大〜成田空港間19・1キロ)の建設費20億円を国土交通省08年度第2次補正予算案に盛り込むことを決定、開通に向けての進展がみられたという。この新線は京成と直結し、「スカイライナー」が日暮里〜空港第2ビル間を現状より20〜30分前後短い36分で結ぶ計画といわれる。しかし、都心側の接続ターミナルが日暮里というのはいかがなものか。新幹線との接続にも便利とはいえず、中心地である東京とも新宿とも大きく離れており、かつ羽田空港とのアクセスにも不便だ(これは実際のターミナル・京成上野とて同様だが)。途中の東松戸や青砥での接続をとれば恩恵を受ける地域も増えるだろうが、どうにも中途半端な印象しか持ち得ない。そもそも空港から日暮里まで36分で結んだとしても、そこから東京駅に出るためには乗り換えを含めさらに15〜20分ほどの時間がかかる。はたして期待されるとおりの速達効果は上がるのだろうか?

 まぁ、日常的な重要度からすればさほど高いわけでもないのだけれど、鉄道愛好家としての小さなボヤキでありMASITA。


*注:
 首都圏では割安な「B特急料金」が適用されているため、たとえば千葉〜東京間の自由席利用のそれは500円と利用しやすい料金となっている。しかし、「成田エクスプレス」では「A特急料金」が適用されているだけでなく全車指定のため、同区間の特急料金は1240(通常期)かかる。
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 レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
 ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
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