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猫池罵詈雑言雑記帳
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 トヨタ自動車などと並ぶ“非人道的企業”の代表格といえばキヤノンをおいてほかにないと思うが、毎度おなじみ(?)「しんぶん赤旗」がちょっとしたスクープを配信した。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-09/2009010901_01_0.html

 リンク記事は、「雇用機会の拡大」として大分県が一部企業に補助金(税金)を拠出、その額がキヤノングループだけで57億にのぼっていることを伝えている。ところがご存じのとおり、キヤノンといえば従業員切り捨て企業の代表格である。巨額の税金を受取る側が十全な責任を果たすつもりがなかったことを示唆しているといえるだろう。

 大分といえば、ついさきごろテレビニュースのなかで行政による臨時雇用策が伝えられていた。企業に切り捨てられたひとに対し、1カ月という応急的期限つきながらも行政内に職場を確保するなどというものだ。ただしいまのところそれで職を得られているのはわずが数名であり、クビ切りの実態に照らし合わせるとあまりにもささやかに過ぎるが、こうした動きが各地に拡大する可能性はあり、行政としての重要な課題になっていることは間違いないだろう。
 しかしテレビニュースに接して感じたのは、この臨時雇用の財源もまた税金ではないかということであった。そして「赤旗」の一報である。企業(とりわけ大企業とそのグループ企業)は人件費が安く済み、かつ簡単に増減ができるという身勝手な理由をまかり通らせて不平等雇用を続けているが、同時に“企業誘致”などに絡む優遇や、法人税の一方的減税(代替財源は消費税をはじめとする庶民増税である)などの恩恵に浴してきたなかで、ここでもまた間接的にせよ税金にたかっているわけである。なにしろ勝手にクビを切っておいて、そのツケを元従業員本人と行政に被らせているのだから。

 これは、前回ふれた「年越し支援村」に関連する厚生労働省の動きについてもいえるだろう。「支援村」のさいには同省が講堂を臨時宿泊所として開放、年末には職安が期間延長をして職場確保を支援してきた。クビを切った側は、自らの手を一切汚さずにその後始末をほかに任せているわけで、本来ならば必要なかったハズの税金の拠出を招いているのである。
 断っておくが、こうした税金の使い方は誤りではない。国民の生存権にすら及ぶ重要かつ正当な場面だからだ。だが、その背景をみるとき、一部の身勝手な企業らが負担を強いているのは従業員(元を含む)のみならず、じつはもっと広範にわたっているのだという解釈が成り立つことになり、「社会的責任を果たす」という企業にとっての重要な役割がいかに軽視されているかがわかるのである。雇用名目で税金を受取っておきながらまっ先に責任を放棄したキヤノンに対して、少なくとも大分県民は詐欺罪で告発するぐらいの権利があるのではないか? そこには県の責任問題も大いに絡んでくるハズだ。

 それにしても。
[こうした地域経済の混乱を起こしながら大分キヤノンマテリアルは「当社と(解雇された)派遣社員は関係がない。当社は派遣会社と契約しているのであって、個人と契約はしていない」といい、大量解雇は派遣会社の都合としています。](リンク記事)
 とは……。トヨタ自動車と同種のヤクザ的言い逃れにただただ呆れるばかりである(「ヤクザまがいの論理の巻」参照・注)。


*注:
 仮に、このキヤノン側の論理が正しいとするならば、池田党の議員が主張しているような派遣制度規制反対──規制することによってさらに雇用情勢が悪化する──のおかしさが余計に際立つことになろう。


■ついでにもう1本
 前回触れた「真面目な人なのか?」という坂本哲志総務政務官(自民・衆院熊本3区)発言問題。じつはあえて記さなかったのだが、こうしたたわけた人物がクローズアップされ、それが国民に怒りを鬱積させていることは否定できないだろう。いうまでもなく、官僚のなかには立派に職務を果たしているひとも少なくないハズで、われわれとしてはクソミソをいっしょくたにしないように気を配る必要がある。
 さらに気をつけたいのはテロの問題にもある。すなわち、こうした愚劣発言が引き金となってある種の事件が誘発されないかということだ。ちょっと回りくどい書き方になるが、さきの厚労省職員らが犠牲になった連続殺人事件をこぞって報じたマスメディアの姿勢を再検討すると、その裏には「彼らは殺されてあたりまえ」「さもありなん」ぐらいのセンスが見え隠れしているような気がしてならないのである。あの事件は結局は「フーコーの振り子」(「堂々めぐりの巻」参照)でしかなかった可能性が大きいが、それを過度に盛り上げたのがマスメディアであり、彼ら自身が自覚しているかどうかはわからないけれど、そこには視聴者のガス抜き的な狙いがあったのではないか。

 しかし、いうまでもなく「殺されてあたりまえ」なんていうひとはありはしない。心情として「殺してやりたいぐらい憎い」ということはあるにせよ、「殺されていい」ということはないのである(死刑制度の問題とも絡むうえに、死刑の是非については判断できていないのでここでは言及を避けます)。これは今回も触れた一部企業に対しても同様で、たとえば、いかにキヤノンが理不尽な雇用形態をとっていようと、ゆえに「潰れてしまえ」ということにはなりはしない。そこで真面目に仕事をし生活を支えているひともいれば、関連する企業やひとも莫大、もちろん消費者だって影響を受ける。これはライバル企業同士のせめぎあいにしても同様だ。
 ところが、この「潰れてしまえ」という発言をある“ジャーナリスト”(?)が堂々としていて、さきごろ失望させられた。
http://www.mynewsjapan.com/reports/984
 リンク記事は、オレも愛読してきた「MyNewsJapan」にアップされた同編集長・渡邉正裕氏の一文だが、昨年の自らの“業績”を振り返るとともにこんなことをぶちまけているのであった。

 フリージャーナリストがいない以上、それに対応する編集者も不要ということになる。毎日新聞あたりがさっさと潰れれば、フリー市場に新聞記者が出てきて、一緒に仕事をできるようになる。2009年はぜひとも毎日か産経にぶっ潰れていただきたい。

 氏が指摘するとおり、フリーランスの書き手にとって厳しい状況にあることは間違いないし、個人的に知っている記者(新聞社だったり雑誌社だったり)のなかには、「このひとが会社を出てゆくのはいつか?」とその仕事ぶりを注目しているひともいる。現在の新聞や雑誌に問題が山積していることも事実であろう。だが、だからといって氏がいうような「潰れていい」ということにはなりはしない。「どうせ未来はないのだから」なんてまさに大きなお世話というものだが、はたしてこんな御仁と「一緒に仕事」をしたいなんていうマトモなジャーナリストが、(潰れて放出された)彼らのなかから出てくるかどうかは疑問である(そのぶんに見合う収入は確保できるのかしら? 会社として。同時に「ぶっ潰れ」たことにより路頭に迷うひとびとに対して、渡邊氏よ、どう思う?)。
「MyNewsJapan」そのものは、編集長以外のフリーランス記者が良好な記事を発信しているいいサイトだと思うのだが、これではね。

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