このところアップの頻度が開き気味だが、これは単に本業の取材や締切りの類に追われているためで、決してやる気が失せたわけではないのでご安心(?)いただきたい。
そうした取材のさなか、ちょっと不可解なことがあったので簡単に紹介してみたい。
そうした取材のさなか、ちょっと不可解なことがあったので簡単に紹介してみたい。
昨年末の話になるが、JR東日本のとある駅と駅との間を往復したところ、ゆきと帰りとで運賃が異なる事態に遭遇した。いくつかの点で調査中ということもあって具体的な駅名等の言及は避けるが、仮にA駅とB駅としておこう。
問題のキップはともに自動券売機上に掲出されている運賃表をもとに券売機で購入したもので、往路1450円で帰路が1280円だったのである。これに気がついたのが帰路のキップを買うさいだったので、あるいはこちらの見間違いかと思ったが、念のためB駅改札口の駅員に「ゆきと運賃が違うようなのだが?」と訊ねてみた。するとこちらの疑問についてはすぐに理解してもらえたらしく、「これは経路によって運賃が異なる区間なのです」といった回答があった。つまり、東京など大都市近郊区間の場合は実際の経路に関わらず最短距離で計算された運賃が適用されるのだが、帰路のキップを買ったB駅が近郊区間からはずれているために、実際に乗車する経路によって運賃を算出、ゆえに同じ駅までであっても運賃の差が生じるというわけである。したがって、1450円も1280円もともに正しいことになる。しかし、自動券売機で購入する普通乗車券には経路が示されていないのがふつうで、今回のキップにももちろん経路の指定はないのだが、乗客が購入のために使う運賃表には経路によって異なる旨は書かれていないため、どちらも正しいとはいっても厳密には正しくないキップを知らずに使わされている可能性がある。
ちなみに、自分が遭遇した例では、実際に乗った経路に基づけばゆきの1450円が正しい。にも関わらず、帰路の正しくない運賃のキップでも構わないというのだからわからないくなってくる。こちらは「ゆきと同じ経路で帰りますよ」とB駅改札職員に申告しているのだ。
A駅に着いてから、念のために運賃表を確認して1450円が誤りでなかったことを確認し、同じく改札係員にその旨を訊ねると、B駅と同じ回答をされた。しかし、ここでも安い経路のキップで高い経路を通っていると告げたにも関わらず不足運賃の請求をしないのだ。心配なのはこうした例がここだけではないのかという疑問である。そこで駅員に調べてもらうようにお願いし、数日後に回答を得た。
それによれば、AB駅の表示や対応には問題がないという。しかしこれではキップを購入する駅によって同じ区間でも運賃が違うことになってしまうではないか。この点の見解を訊くと、なんと「各駅での判断に任されている」というのだ。件のA〜B間では運転本数や乗り換えの回数などからおそらく高いほうの経路の乗客が大半であろうと思われるが、本来なら安い運賃で済む乗客が高い運賃を知らずと払っている可能性だってあり、そんな重要なことが「各駅での判断に任されている」では乗客にとってはたまったものではない。おわかりかと思うが、鉄道会社は10円単位の運賃・料金を乗客から得て商売をしているのである。このことは、たとえウッカリした10円の不足であっても不正乗車よろしく乗客を扱いかねない自動改札機や駅係員の対応によってもよくわかるというものだ。なのにこのいい加減さはどうか。もちろんこんな“見解”を受け入れるわけにはいかないのでさらに追求していったところ、数日経って「運賃表に“経路によって掲示と異なる場合がある”旨のただし書き入れる」ということでいちおうの進展をみた。十全とはいえないが、後日に言葉どおり掲出されているのを確認し、ブログ等へ発表を控えていおいたのであった。
ところが、つい先ごろになってたまたま同じA駅を使ったところJRのウソが発覚したのであった。
都内某駅の券売機で同じように運賃表をもとに買ったキップでA駅を降りたところ、改札口の職員に「運賃不足」と指摘された。改札口の運賃表をみればたしかに足らない。しかしこちらも運賃表をみて買ったキップなのでそう申告するしかないのだが、すると「駅によって違うわけがないだろう!」と強弁されてしまった。しかし、「駅によって違う運賃」があり得るのは、とうのA駅であった事実である。複雑な運賃計算である。鉄道会社側にだってミスがあることはいくつもの実例が示しているのに、このヒトはそんなこともご存じなかったようだ。もちろん、こちらがウッカリ見間違えた可能性があるにせよ、過去の実績からもまったく誤りがないとはいえないではないか。
するとこの駅員、こちらがキップを買った都内の駅に電話で問い合わせてくれた。こちらの見間違えでなければ新聞ダネ。見間違えならば面倒を詫びたうえで運賃を精算してもらえば済む話である。ところが、しばらく待たされた挙げ句返ってきた答といえば「(確認まで)だいぶ時間がかかりますので、今日の件はこれで結構です」というものだったのだ。冗談じゃない。こんな答弁がまかり通るとしたら、悪意のある乗客が故意に少ない運賃を強弁したとしても済まされかねないではないか。10円不足で乗客をとがめるJR東日本の、これが体質なのであろうか? いちおう、次回に訪れたさいに確認し、こちらの誤りならば精算させてくださいと申告しておいたが、さも「面倒なヤツだ」のごとく対応されたのにも腹がたつ。それとも、こちらの指摘がまったく理解できなかったのだろうか? こちらはJRをはじめとする日本の鉄道に健全な発展をしてもらいたいからこそ、乗客としての疑問を提示したのである。
さて、ここで問題としたいのはじつはこれらの件ではない。このA駅で、いったんは入れられた「ただし書き」が、この日には消されていたのである。理由はすぐにわかった。3月に「ダイヤ改正」が実施される予定だが、それまでまだ何週間もあるというのにすでに改正後の運賃表に差し換えられていたのである。じつは、3月の「ダイヤ改正」によって東京近郊区間のエリアが拡大する。これは単にJR東日本の商品である「スイカ」をはじめとするIC型乗車券のエリアを拡大するための措置にすぎないが、なんにしても年末に体験したようなA〜B間での運賃の違いがここではありえなくなるわけである。このことは年末の回答時に聞かされていたため、「短い期間にも関わらず、訂正を入れていただいて感謝します」とまでこちらからは労をねぎらっていたぐらいなのに、それがまったく反故にされていたのだった(だからこそブログでの発表を控えた)。
言い換えれば、仮にA〜B間の乗車券をA駅で買うと、以前は1450円だったものが、いまでは1280円で済むのである。もちろん「経路によって」というただし書きなどありはしない。これは3月の「ダイヤ改正」後であればまったく正しいが、「改正」前のいま、長いほうの経路をこのキップで乗れば厳密には不正乗車である。もちろんJR側が事実上「これでいい」と言っている以上はとがめられるいわれはないにせよ、こんなフライングがあってもいいものなのだろうか。この場合は誤りのほうであっても乗客にとっての不利益がないからいいようなものだが、このセンスでいけばその逆だって十分にありうる。繰り返すが、10円の不足ですら乗客を問いただすJR東日本の、これが実態である。
都内某駅の掲出については調査中である(いちおう某新聞社の友人に報告しておいた)。こちらの勘違いであれば、もちろん差額を支払うことをここにも記しておく。
問題のキップはともに自動券売機上に掲出されている運賃表をもとに券売機で購入したもので、往路1450円で帰路が1280円だったのである。これに気がついたのが帰路のキップを買うさいだったので、あるいはこちらの見間違いかと思ったが、念のためB駅改札口の駅員に「ゆきと運賃が違うようなのだが?」と訊ねてみた。するとこちらの疑問についてはすぐに理解してもらえたらしく、「これは経路によって運賃が異なる区間なのです」といった回答があった。つまり、東京など大都市近郊区間の場合は実際の経路に関わらず最短距離で計算された運賃が適用されるのだが、帰路のキップを買ったB駅が近郊区間からはずれているために、実際に乗車する経路によって運賃を算出、ゆえに同じ駅までであっても運賃の差が生じるというわけである。したがって、1450円も1280円もともに正しいことになる。しかし、自動券売機で購入する普通乗車券には経路が示されていないのがふつうで、今回のキップにももちろん経路の指定はないのだが、乗客が購入のために使う運賃表には経路によって異なる旨は書かれていないため、どちらも正しいとはいっても厳密には正しくないキップを知らずに使わされている可能性がある。
ちなみに、自分が遭遇した例では、実際に乗った経路に基づけばゆきの1450円が正しい。にも関わらず、帰路の正しくない運賃のキップでも構わないというのだからわからないくなってくる。こちらは「ゆきと同じ経路で帰りますよ」とB駅改札職員に申告しているのだ。
A駅に着いてから、念のために運賃表を確認して1450円が誤りでなかったことを確認し、同じく改札係員にその旨を訊ねると、B駅と同じ回答をされた。しかし、ここでも安い経路のキップで高い経路を通っていると告げたにも関わらず不足運賃の請求をしないのだ。心配なのはこうした例がここだけではないのかという疑問である。そこで駅員に調べてもらうようにお願いし、数日後に回答を得た。
それによれば、AB駅の表示や対応には問題がないという。しかしこれではキップを購入する駅によって同じ区間でも運賃が違うことになってしまうではないか。この点の見解を訊くと、なんと「各駅での判断に任されている」というのだ。件のA〜B間では運転本数や乗り換えの回数などからおそらく高いほうの経路の乗客が大半であろうと思われるが、本来なら安い運賃で済む乗客が高い運賃を知らずと払っている可能性だってあり、そんな重要なことが「各駅での判断に任されている」では乗客にとってはたまったものではない。おわかりかと思うが、鉄道会社は10円単位の運賃・料金を乗客から得て商売をしているのである。このことは、たとえウッカリした10円の不足であっても不正乗車よろしく乗客を扱いかねない自動改札機や駅係員の対応によってもよくわかるというものだ。なのにこのいい加減さはどうか。もちろんこんな“見解”を受け入れるわけにはいかないのでさらに追求していったところ、数日経って「運賃表に“経路によって掲示と異なる場合がある”旨のただし書き入れる」ということでいちおうの進展をみた。十全とはいえないが、後日に言葉どおり掲出されているのを確認し、ブログ等へ発表を控えていおいたのであった。
ところが、つい先ごろになってたまたま同じA駅を使ったところJRのウソが発覚したのであった。
都内某駅の券売機で同じように運賃表をもとに買ったキップでA駅を降りたところ、改札口の職員に「運賃不足」と指摘された。改札口の運賃表をみればたしかに足らない。しかしこちらも運賃表をみて買ったキップなのでそう申告するしかないのだが、すると「駅によって違うわけがないだろう!」と強弁されてしまった。しかし、「駅によって違う運賃」があり得るのは、とうのA駅であった事実である。複雑な運賃計算である。鉄道会社側にだってミスがあることはいくつもの実例が示しているのに、このヒトはそんなこともご存じなかったようだ。もちろん、こちらがウッカリ見間違えた可能性があるにせよ、過去の実績からもまったく誤りがないとはいえないではないか。
するとこの駅員、こちらがキップを買った都内の駅に電話で問い合わせてくれた。こちらの見間違えでなければ新聞ダネ。見間違えならば面倒を詫びたうえで運賃を精算してもらえば済む話である。ところが、しばらく待たされた挙げ句返ってきた答といえば「(確認まで)だいぶ時間がかかりますので、今日の件はこれで結構です」というものだったのだ。冗談じゃない。こんな答弁がまかり通るとしたら、悪意のある乗客が故意に少ない運賃を強弁したとしても済まされかねないではないか。10円不足で乗客をとがめるJR東日本の、これが体質なのであろうか? いちおう、次回に訪れたさいに確認し、こちらの誤りならば精算させてくださいと申告しておいたが、さも「面倒なヤツだ」のごとく対応されたのにも腹がたつ。それとも、こちらの指摘がまったく理解できなかったのだろうか? こちらはJRをはじめとする日本の鉄道に健全な発展をしてもらいたいからこそ、乗客としての疑問を提示したのである。
さて、ここで問題としたいのはじつはこれらの件ではない。このA駅で、いったんは入れられた「ただし書き」が、この日には消されていたのである。理由はすぐにわかった。3月に「ダイヤ改正」が実施される予定だが、それまでまだ何週間もあるというのにすでに改正後の運賃表に差し換えられていたのである。じつは、3月の「ダイヤ改正」によって東京近郊区間のエリアが拡大する。これは単にJR東日本の商品である「スイカ」をはじめとするIC型乗車券のエリアを拡大するための措置にすぎないが、なんにしても年末に体験したようなA〜B間での運賃の違いがここではありえなくなるわけである。このことは年末の回答時に聞かされていたため、「短い期間にも関わらず、訂正を入れていただいて感謝します」とまでこちらからは労をねぎらっていたぐらいなのに、それがまったく反故にされていたのだった(だからこそブログでの発表を控えた)。
言い換えれば、仮にA〜B間の乗車券をA駅で買うと、以前は1450円だったものが、いまでは1280円で済むのである。もちろん「経路によって」というただし書きなどありはしない。これは3月の「ダイヤ改正」後であればまったく正しいが、「改正」前のいま、長いほうの経路をこのキップで乗れば厳密には不正乗車である。もちろんJR側が事実上「これでいい」と言っている以上はとがめられるいわれはないにせよ、こんなフライングがあってもいいものなのだろうか。この場合は誤りのほうであっても乗客にとっての不利益がないからいいようなものだが、このセンスでいけばその逆だって十分にありうる。繰り返すが、10円の不足ですら乗客を問いただすJR東日本の、これが実態である。
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レジャーライター=植村誠の別館ブログです。
ここではおもに時事ネタを中心に独断と偏見にて雑感を記してゆきます。本館サイトアトリエ猫池ともどもお楽しみください。
なお、トラックバックおよび「コメント」は受けつけない設定にしております(当面はBBSへどうぞ!)。
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